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まん丸ハートブレイク ~ヨネスケの果てに~


ヘッダー画像を見ていただきたい。
我が家の飼い猫《さん》には、ベリキュートなハート模様があった。

彼がそれを失うまでの物語である。

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ええご想像の通り、さんは食べ過ぎてお腹の皮がパツンパツン、人でいうならお腹周りのふくよかな人がTシャツなどを着た時に模様が横にびよ~~んと引き伸ばされて「思てたんと違う」状態、それだけだ。

ヘッダー画像は昨年(2020)11月中旬のもの。
そしてその次は半年後、2021年4月の写真だ。

あーあ。

昨年8月、このさんを保護し、その時もう生後2年ほどの立派な成猫だったさんに去勢手術をした時、先生からも「太らないように気をつけてあげてね」と言われていた。

我々はきっちり餌を計量し、買って1日で壊れるネズミのおもちゃをそれでも与え、運動をさせようとした。

しかしおもちゃはものの10分でひもが食いちぎられ、本体のネズミは翌日には半分くらいどこかに行ってしまっている(多分さんがガジガジしてお腹の中に入れてしまうのだろう)。

そしてそれよりなにより、このムスコの名は《さん》なのだが、私の中では早々に「ヨネスケ」の別名が付き、そのあだ名の元になった行動により、こ奴はチャームポイントであるお腹のハートを失ったのだ。

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これは彼が先住猫との兼ね合いで、保護されてから約1カ月暮らしたケージである。

ケージから出しても何の問題もないと分かってから、結構大きいし片付けようかとも思ったのだけれど、大きな音がしたりオットに叱られたりしたときにさんはケージに駆け込んでいたので、もうしばらく彼の避難所として出しておくことにした。

だが今となっては、それ以外の理由でこのケージが片付けられなくなっている。


さんは、このケージで、自分のゴハンをガフガフむしゃむしゃ、もの凄い勢いでお腹に収めると、ケージを出て猛ダッシュする。

隣の晩ご飯めがけて・・・・

お隣とは、さんのケージとはだいぶ離れた場所にある、我が家の先住猫《まる》女王陛下のお食事場所だ。残念ながら宮殿ではない。

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まる陛下は、さんが来るまで我が家の単独の飼い猫として、悠々自適、マイペースに過ごしてこられた。
お食事ももらった量をいっぺんには召し上がらない。
お食事自体もらってすぐには口を付けず、まずはキャットグラスをシャクシャク、野菜を先に召し上がる意識高い系スタイル。
そしてからおもむろに餌場に足を運ばれ、ドライフードを数口カリカリ、またしばらくすると残りをカリカリ・・・。

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さんがそんな美味しい場所を見逃すわけがない。
我が家に来て自由になった早々、「あそこには別のゴハンがある」と学習した。

自分の分を食べ終えると、まさに突撃!隣の晩ご飯

まるがいなければそのままむしゃむしゃ、あわてて我々はそれを取り上げ戸棚にしまう。

まるがいる時は、だるまさんが転んだ方式で少しずつ近づき、最終的にはまるがゴハンを食べている20cmほどまで近寄ってうずくまり、チャンスを待つ。

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まる陛下は、よほどお腹がすいていればそのままお食事を続けられるのだけれど、それよりさんのうるささがお嫌いなようで、さんが来るとさっさとご飯をあきらめてしまわれる。
我々はその様子をずっと見はり、まるがお皿を離れた瞬間にそれをさんから取り上げ戸棚にしまう。
(さんは一口ぐらい突撃に成功することがある。まるはそのかわり10分おきぐらいに私にチョーダイしに来るので、ゴハンを出す、そばにいてさんを追いつつまるが食べるのを待つ、食べに来ないこともある、しまう、が延々と繰り返され、ものすごくめんどうである)

さんが来てから、まるを撫でたり抱っこしたりするとだいぶ軽くなったし肉が落ちた実感があり、この1月の予防接種で体重を測る時も「やせたと思います~」と先生に告げた。

4.6kgだったまる女王は4.2kgに減量されていた。
なーんだたったの数百グラム・・・と思ったけれど、我々の基準に直すと46キロの人が42キロに、割合で言うと7%ほども体重が落ちている!!

おかげで今、まる女王はくびれを取り戻され、美魔女としてますます輝きを放っておられる。

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が、さんの突撃があまりにうるさく、食事が落ち着いてできないのは不憫なので、さんはまるのゴハンが終わるまではケージの中で待機することになった。

女王陛下のお食事が終わると、餌の残った陛下のお皿をしまってからケージの出口を開ける。

たとえそこにもうご飯がないことが分かっていても、さんは猛ダッシュでまるの食事場所に走る。

毎回である。ああ突撃のヨネスケ・・・。

時々まるのゴハンをしまい忘れて、隣の晩ご飯が成功することもある。

そのボディを上から見ると、ツチノコ。
トイレの後お尻や股間のお掃除が大変そうである。

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まる女王には特にゴハンの計量もしたことがなく、「チョーダイ」というときにドライフードを差し上げてきたが、多少ふくよかでもおデブにはならず上手にご自分の体重管理をなさってきた。

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しかしさんは、きっちりこちらが管理しないと大変なことになりそうだとは、前々から思っていたし気をつけていたつもりだけれど・・・w


4月に入って、私とオットが思わず「おお!」と声を上げたことがある。
その日は朝と昼が少な目だったので、晩ご飯が多少大盛りになったさん、

なんと!ゴハンをちょっぴり残したではないか!!!
私は、さんの満腹中枢は去勢手術と一緒に取られてしまったのではないか?とまで思っていたけれど。

そういえばここ数カ月、ごみ箱あさりをしなくなった。

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ネズミのおもちゃはひもがすぐ切れるので、丈夫なゴムひもの付いた別のおもちゃに変えて、以来さんはず――っと飽きもせず遊んでいる。

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少しは夏に向けて、元の通り、お腹にハートのスタイリッシュな白黒猫《さん》が、満腹中枢とともに戻ってくるだろうか?

やっと、2年近くずっとお腹を空かせ、可愛がられもしなかった飢餓状態から抜け出しつつあるのなら嬉しい。


写真は、まる女王のゴハン場所を撮ろうと近寄ったところ、やはりすかさずダッシュしてきたツチノコボディの《さん》。右上がまる女王の食事場所、左上が餌のしまわれた戸棚。
何を期待したのか。

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さんは、隣の晩ご飯だけでなく、自分のゴハンの時も毎回わざわざ、餌がしまってある戸棚の前で私を待ち、自分のケージまでダッシュで先導してくれる。毎回!

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「こっちでし!ゴハンオーライでし!!」


ダイニングテーブルでこれを書いていたら、隣の椅子からかまってアピールのさん。

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こちらは、ゴハンもさんも知らんぷりのくびれ女王《まる》

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最近はまるからの怒られが発動しつつ2匹で一緒に駆けまわったり、ちょっぴり近くでお昼寝したり、そこそこの距離感でうまくやっている2匹。

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人の餌にも興味がある!やめてほしい。
(呑みメニュー)

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