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絶滅種と小説と博物学 note推薦祭り

note推薦祭り。
私は王道の小説で勝負!!
タイトルは「プラネタリウム・カフェ」

ジャンルはSF。
2020年代末、それより10年ほど前に発見された新種の虫のためにコーヒーが絶滅してしまった時代に「本物のコーヒー」が味わえる喫茶店のお話。店のシンボルは旧式のプラネタリウム投影機。
登場人物はコーヒーを愛する主人公の僕、その彼女ライム、喫茶店の店主はちょい役でその娘で店の看板娘の望華(もか)さん。望華さんは僕の理想の女性、ライムとは惰性で付き合っているだけで僕と分かり合える部分がない。恋愛方面から見ると、主人公の僕はだいぶコノヤロ的なのだけれど、それはまあ物語の流れだから・・・・置いておく。

産地極秘の本物のコーヒー、理想の女性望華さんと僕から冷たくされるライム、そして店のシンボルのプラネタリウム。それらがとてもうまく絡み合い、謎とその解明、そしてすっきりしたラストまで一気に読ませる短編作品だ。
コーヒーが絶滅した理由も皮肉とひねりが効いている。

この祭りに参加される方は小説を書く方が多いと思うので、ぜひ読んでいただきたいのだけれど、実は私がこの作品を推すのは、作品が素晴らしいという理由だけではない。

作者始祖鳥堂まふさん、この方のnoteのテーマが一貫していて、そのテーマに迫るための間口が広くてユニーク、面白いのだ!

私の中でまふさんといえば「絶滅した生物」そして「博物学」。
作中ではコーヒーが絶滅していたけれど、まふさんは博物学や古生物に造詣が深く、小説、博物館などの訪問記、そして今年話題のゲーム「あつまれどうぶつの森」の島づくりの記事までも、古生物や博物学がテーマだ。

すごい!

ここからは小説「プラネタリウム・カフェ」の推しでなく、始祖鳥堂まふさんの推し記事になってしまうのだけれどw、お付き合いください。

まずは小説。「古生物飼育連作短編小説 Lv100」。絶滅した古生物を現代に蘇らせる技術が普及した世界を舞台に、短編の連作が書かれている。
その技術は現実にはあり得ないのだが、

そこを曲げた上で、古生物の生態を限られた情報源からできるだけ調査・推定・想像し、また実際の生き物の飼育展示について取材して、リアルな古生物飼育を描くことを試みています。

とまふさんは書かれていて、架空の世界をリアルな技術で裏打ちすることでリアリティを追及している。

1作目は小さな少女と賢い肉食恐竜のほのぼのしたお話。次はイケメン後輩社員をお持ち帰りした古生物飼育が趣味のOLさんの一夜・・・。そこには蘇った古生物たちがまふさんの知識に裏打ちされて生きている。小説の後には登場生物の解説も付いている。

元々カクヨムで書かれていたのを、noteには今21話まで掲載。カクヨムでは70話まで掲載されている。本数もすごい。

古生物を蘇らせる技術と言えば某有名恐竜映画なのだけれど、まふさんのその映画に対するコメントに私は笑ってしまった。

某映画では化石から古生物を蘇らせる技術を一社が独占し、足元を固めないうちに商業化しようとして、大失敗します。何をやらかしているんだ。焦ったせいで古生物がじっくり観察できないじゃないか。

www 全く同感。(最新作の結末は最高だったと私は思う。)
全文はまふさんのホームに固定されたこの記事から。まふさんのnoteのコンセプトが分かる。

そして各種博物館やイベントへの訪問記事。まふさんの愛と知識が本物であることが伝わってくる。

ラストはあつ森の記事。ゲームかよ、とは言わないでほしい。これがすごいんだから。
実は私は下の記事からまふさんのことを知った。

椎名トキ/都基トキヲさんが書かれた、色々ななあつ森の島訪問記だ。
タイトルにもあるようにまふさんの島は全体が博物館になっている。しかも今まで書いてきたように、まふさんの知識を生かした本格的な展示なのだ。

私はあつ森をプレイしないのだけれど十分面白かった。後編の記事も読みたくなること間違いなしだ。
 (椎名トキ/都基トキヲさんにはお断りなく記事をお借りしました。ありがとうございます。ご不快ならばご連絡ください。)

この紹介記事をきっかけに、実際にまふさんが書かれているご自分の島の記事を読ませていただいた。

その中で、まふさんの博物愛と知識が炸裂しているのが以下の記事だ。
「音を出す生き物」に注目した、今しそちょう島で開催中の特別展。

ゲーム内の写真だけでなく、実際の化石や生き物の写真もあり、その解説の本格的なこと。ちょっとやそっとでは読み切れないのだw 腰を据えて読む記事。
同様の第1回特別展や恐竜の化石発掘記事も凝っている。そしてまふさんの知識・・・!

これらは「しそちょう島観光案内」というマガジンにまとめられている。

その中でまふさんがご自身の島をパンフレットの形で紹介した下の記事は、椎名トキ/都基トキヲさんの訪問記事と合わせて読むと島のコンセプトがとてもよくわかる。お薦めだ。

第2回特別展の記事には、しそちょう島の夢番地が公表されているので、プレイされる方は上のパンフ片手に訪問してみてはいかがだろうか。
もちろん島だけでなく、まふさんの小説や博物館の記事、一度は訪れてみてほしい。


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終わりに

記事を書くことを快く承諾してくださった始祖鳥堂まふさん、ありがとうございます。興味深いnoteに虜なのです。
まふさんの記事の素晴らしさが伝わるような推薦文になったか自信がありませんが、一生懸命書きました。
ご不快な点、ご自身の記事の趣旨と違う点などありましたら遠慮なくご指摘ください。

余談。
我が家にはプリンタカバーを押さえる係りのアノマロカリスのソフビ人形がいる。

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色はそれでいいのかお前?もっと小さくて精巧なアノマロカリスのフィギュアが欲しいが、水族館などでもなかなか見つからない。
あとオパビニアとハルキゲニアも欲しい。ハルキゲニアは村上春樹を読んでいそうである。


これは#note推薦文の企画に参加する記事です。

遊行剣禅さん、楽しい企画をありがとうございます。
他の方の面白い記事に出会えるのが楽しみです(^ω^)

お読みいただきありがとうございます。楽しんでいただけたなら嬉しいです😆サポート、本と猫に使えたらいいなぁ、と思っています。もしよければよろしくお願いします❗️