【通勤電車の詩】重戦車、来る
とにかく突進力がすごい。
毎朝電車を乗り換える駅を降りて、次のホームへ向かう途中に必ずすれ違うおじさんがいる。
歳は還暦を過ぎているだろうか。
毎朝黒っぽい同じ服を着て、同じ手提げ袋をもって、同じ時間に現れる。
彼は人がまばらになった広いホームでも常に同じルートを早足で歩く。
そこに他の人がいようがお構いなしに突進していく。
人をよけるつもりが全くない。
ぼくも誤って彼と肩が触れてしまったことがある。
ぼくはそんなに小柄じゃないけど、見事に吹っ飛ばされてしまった。
翌朝