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多職種連携の軌跡は奇跡!④

もちろん道のりは決して順調なものではなかった。
行政事業でもないのに無料訪問歯科健診を行うようなところが出てきたり、某施設で行ってた訪問口腔ケア患者を、その施設の意向という理由だけで他の歯科医院(その施設と経営が同じと解った)に横取りされたり。
理不尽な邪魔者は幾度となく私を苦しめた。
当時、無料訪問歯科健診を行うようなところは、結構な件数を抱えていた。ウチもそこの軍門に下るのも悪くはないかなと脳裏をよぎったこともあった。しかしそれはフェアなやりかたではなく、結局は胴元が儲かるような仕組みで歯科医師は疲弊するだけのシステムだったようだ。(たぶん今でもあるんじゃないかな?)
しかしせっかくのこのチャンス、この出会いは、これらの理不尽さをはねのけるだけの何かを持っていると当時は信じてた。信頼関係とかそういったものはすぐに構築できるものではないと思っていたから。

名刺の数が・・・

2013年発足したネットワークも2014年には

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ここまで進化を遂げていた。
いろんな人に出会い、いろんな人と話をした。
あの頃はとにかく出会いが多すぎて、名刺の量がたまる一方で、追加の名刺ファイルを購入した記憶がある。
中には下心をくすぐられるような出会いもあったが、すぐさまウチの下半身に消防隊員が集結したのは言うまでもない。

連携の先駆者の話

2014年頃だったかな。別の地区の連携の先駆者(当時の肩書はMSWだったかな?)を講師にお招きし研修会を開くこととなったが、その懇親会にてウチが「どのように連携を進めたらいいと思いますか?」とド直球の質問をしたのを覚えている。
その講師の方は「私はこんなことができるんですよ!とチラ見せしたらいいと思う」と答えて下さった。それをウチの周りで数人の歯科関係者が聞いていたが、後にある病院勤務の歯科医師が「あれはちょっと違うと思うな。あくまでも『教えてください』のスタンスだと思うけど。」と仰っていた。
当時はウチも後者の意見に賛同していた。しかし今になって思うとどっちも大切で、そのバランスが重要ではないかと思われる。自分のことばかりアピールするのもウザがられるし、かといって相手の話ばかり聞いていては先に進めることができない。要はコミュニケーション能力が問われるってことになるのではなかろうか。

さぁ、これからはICTの時代ですよ!

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2015年、ICTを使った医療連携システムのモデル事業が始まった。その運用費用は行政持ち(端末となるPCなどは利用者負担)だったので、専用のPCを1台買って、システムを導入してみた。(だがモデル事業は2年程で終わった。その後は有料の保守料を支払うこととなり、今でも続いている。)
当時の加入者の中で、ちょうど内科と訪問看護ステーションとウチとで患者さんを共有してた事例が1件あったので、それをICT化してみようというところからスタートした。
これまでは居宅療養管理指導で情報がケアマネへの一方通行に過ぎなかったものが、内科医や訪問看護師とも情報を共有できることでその有難味を知ることとなった。具体的には口腔ケア時に口腔内に残薬があったことをウチが報告したことがその発端だった。
内科医や訪問看護師との連携が密になっていったのはこの頃からだと思うが、残念ながらICTを用いた連携は今になってもさほど広がりはない。その翌年から別の無料のICTツールも使っているが、今はむしろそっちのほうを多用している。
しかしながらICTツールを活用しているのはごく一部の症例で、大半はFAXとか電話とかをいまだに用いている。

次回予告

訪問診療をやっていると、摂食嚥下の問題は避けて通れなくなった。
なぜウチが摂食嚥下を始めたかについて次回書く予定です。

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