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【毎週ショートショートnote】「ショートショート王様」(410字)

 ショートショート王国という国があった。
 ショートショート王国の国民は皆、ショートショートが大好きだった。
 しかし、ショートショート王様だけはショートショートが嫌いだった。
 ある日、王様は思い立って、国民にショートショート禁止のお触れを出した。
 国民は猛反発した。
 日々の楽しみを奪われるし、特に仕事を失うことになるショートショート作家組合は団結して連日デモ行進を行った——。


 そこまで書いて、ショートショート王様は原稿用紙を破り捨てて頭を掻きむしった。

 この後、ショートショート革命が起きるところまでアイデアを思いついていたが、どうしてもよいオチを思いつくことができなかったのだ。

「王様は即刻、国民に面白いショートショートを提供しろ!」

 王宮の外からはデモ行進を行う国民たちのシュプレヒコールが聞こえてきた。
 王様はショートショートが嫌いだった。
 ショートショート王様は耳を塞ぎ、アイデアが下りてくるそのときを待った。

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