【S.S.C】災害ボランティアの「今」を知る大学生【坂本樹】【頂いたご支援は台風災害支援に充てます】
最近日本を騒がせている『災害』。大阪大学3年の坂本樹くんは、災害ボランティアで活躍し、テレビやラジオで取材を受けたこともある大学生です。
学生応援インタビュー企画S.S.C
面白い活動をしている学生をnoteの一部有料記事で紹介し、得られたお金をその学生に手渡す学生応援インタビュー企画:S.S.C。
今回インタビューするのは、大阪大学工学部3年・坂本樹(さかもと・たつき)くん。彼は、大阪大学災害ボランティアサークル『すずらん』に所属しつつ、個人でも積極的に災害ボランティアに携わっていると言います。
地震・豪雨・台風……など、深刻な被害をもたらす災害が多く発生する昨今。災害ボランティアの重要度は日に日に増してきている、と言っても過言ではありません。
そこで、2018年6月に発生した大阪北部地震の際に一人で支援活動を開始し、ラジオでのインタビューを受けたこともある坂本くんに「災害ボランティアの始め方」「災害現場の実状」「日頃の備え」などなどについて聞いてみました!
◇坂本樹(さかもと・たつき)
1998年福井県福井市生まれ。大阪大学工学部地球総合工学科建築工学コース3回生。趣味はお笑い。福井から大阪に来た理由のひとつでもある。ふとした理由で入った災害ボランティアサークル『すずらん』で、なぜか漫才をすることに。しかも、場所は大阪から遠く離れた岩手県野田村。その時感じた、田舎の村ならでは優しさや温かさをきっかけに、ボランティアや地域で関わる楽しさや喜びに気づく。その後、「地方創生サークルReibre」や「建築学生集団スタジオワニ」を立ち上げ、地元福井や大阪府石橋で地域密着型の交流をつづけている。
現在は建築・災害・地方創生の3つのテーマを中心に活動の幅を拡大中。
なお今回は、坂本くん自身の強い希望により、この記事の有料部分に対する収入は全額2019年台風19号災害支援に充てることとなりました。みなさまのご理解とご協力をお願いいたします。
1.なぜ「災害ボランティア」を始めたのか
インタビュアー:コフンねこ
――僕の中では、やっぱり災害ボランティアと言うとどうしても肉体的にも精神的にもしんどいイメージがあるんです。なぜ坂本くんは災害ボランティアを始めたのでしょうか?
(ボランティア風景)
坂本樹(以下:坂本)
「いやー、実は今所属している災害ボランティアサークル『すずらん』にも最初から入りたくて狙って入ったわけじゃないんです。何か社会に貢献したい気持ちはあったので、そんな社会貢献系サークルの中でも人当たりが良いところに入ろうと思っていただけでした」
――『すずらん』に入ったのは「人が良かったから」ってことなんでしょうか
坂本
「そうです!でもそれだけではなくて……」
――もう一つの理由がある……?
坂本
「社会貢献活動のサークルって、どうしても海外に目が向いている場合が多いな、とその時思ったんです。でも、実際日本の中にだって困っている人はたくさんいるわけじゃないですか。近くに問題があるなら、僕はそこに挑もうと」
――それが災害ボランティアをはじめるきっかけだったんですね!
坂本
「きっかけという意味で言えば、中学校の頃に参加したスピーチコンテストで『東北にオリンピックを』というスピーチを発表していたのを今思い出しました。今でも『すずらん』の活動で東北にはよく行きますが、もしかしたら原点はそこかもしれません……!」
――中学生の頃と今の自分が、知らず知らずのうちにリンクしていたなんて!
2.『すずらん』での活動
――災害ボランティアサークル『すずらん』の話が出てきましたが、『すずらん』では例えばどんな活動をしているんですか?
(『すずらん』のみなさん)
坂本
「色々やってはいるのですが、東日本大震災の津波で大きな被害を受けた岩手県九戸郡野田村への訪問がメインの活動ですね」
――野田村!?東北出身の僕でも行ったことないです。どうして野田村に?
坂本
「どうして……って難しいな(笑)。人によって違うとは思うけど、僕の場合は『帰りたい』って気持ちで野田村に行きます。僕らに『来てほしい』と思ってくれる人がいて、僕らも『会いたい』と思う人がいる……これがモチベーションです」
(野田村での活動の様子)
――人と人との縁を大事にしているんですね……ところで、野田村での活動ってどんな感じなんでしょう
坂本
「野田村で今取り組んでいるのは『心の復興』です」
――心!?
坂本
「そうです。心です」
――どうして……?
坂本
「実は野田村の街並みそのものはずいぶんきれいになっているんですよ。住宅の建設や集落の移転も終わっています。だけど、まだ心の方はまだそれに追いついているわけではありません」
――なるほど……
坂本
「今では野田村の人たちとの交流会が活動の中心です。僕は特に『野田村営業芸人』を名乗って方言で漫才をしてます。『ぉありがとごじゃんす』とか言ってみたり……」
(漫才を披露する坂本くん(右))
――岩手にはそんな方言があるんだ……
坂本
「『すずらん』ではほかにも、防災・復旧・復興に関わる活動を色々しています。野田村では『心の復興』がメインですが、災害直後の復旧活動にも動きますよ!例えば2018年は大阪北部地震や西日本豪雨災害の復旧をお手伝いさせていただきました」
――多岐にわたってますね……!
坂本
「めちゃくちゃ動いてます。豪雨災害を受けた岡山には去年だけで5回行きました」
――え!?坂本くんって超多忙で有名な工学部建築コースですよね??どうしてそんなに時間が……?
坂本
「頑張ればなんとかなります!建築関係ではずいぶん徹夜もしたけど……」
3.日頃の防災について
――ちょっと話が脱線するんですけど、最近だと「防災」への関心が世間でも高まってきていますよね。坂本くんは何か普段から災害対策の道具とか備えてますか??
坂本
「いや、あんまりないですね」
――えーー!どうしてです??
坂本
「いつ死んでもいいと思っているので……」
――衝撃の一言が来た……!
坂本
「ちょっと語弊があったかも。一応知識はあるので、あとは身の回りのモノでどうにかします」
――身の回りのモノ!?そんなの役に立つんですか??
坂本
「いやいや、何にでも使える応用性の高い日用品は絶対に用意したほうがいいです。例えば新聞紙とか」
――新聞紙ってどうやって使うの……!?
坂本
「新聞紙ってすごく応用性あるんですよ!ぐるぐる巻いたらヒモになるし、穴を開けて被れば立派な防寒具にもなります。あとは靴下やスリッパの代わりにも変身できます」
――考えたこともなかったです!新聞ってそんなに役立つのか……!
坂本
「あとはヒモ・ラップ・ペットボトルなんかも応用が利きます」
――「モノ」よりも「知識」を持っておくほうが大事なのかも
坂本
「そもそも、『防災』はあくまでマイナスの出来事に対して備える手段なんです。でも、実は僕が進めたいのは『事前復興』なんですよ」
――『事前復興』ってなんですか??
坂本
「災害そのものに備えるんじゃなくて、『災害が起きた後どのように復旧・復興を進めていくかを事前に考えておくこと』ですね」
――災害後の行動計画を平常時にあらかじめ作っておく、と。街単位ではよく聞く話ですが、個人でも考えておいたほうが良いんでしょうか?
坂本
「もちろんです!『すずらん』では災害が起きた後を想定した『クロスロード(運命の二択的なアレ)』を小学校高学年のこども向けに作っています」
――すごい。やってみたいです
坂本
「例えば、『避難所でのご飯のときに自分が貰う側に回るか・配膳側に並ぶか』など、結構捻った設問が多い印象です。が、この手の質問を通して普段から予め自分の行動を決めておくと、何かあったときに焦らずに済むと思います」
4.災害ボランティアに参加する方法
――もう一つ聞きたいのが、「災害ボランティアに参加する方法」についてです。申し込みとか、申請書類とか……なんとなく堅苦しいイメージがある人も多いと思うんですよ
坂本
「そんなに堅く考える必要ないです。申し込みが必要な場合も無くはないけど、知識と覚悟と責任能力があれば大丈夫です。それさえあれば、『やりたい!』って言えば参加できちゃいます」
――そんなにハードル低いんですか!?びっくりです
坂本
「そうですね。ホントにやる気があればOKだと思います。もちろん最初は難しかったですけど……」
――そうなんだ……やる気と知識と覚悟があれば一人でも動ける、と
坂本
「実際に大阪北部地震が発生したときは一人で決断して一人で行動開始しましたよ」
――そのときの話、詳しく聞きたいです!
ココから先は有料です
坂本くんからの強い要望により、今回の記事の有料部分に頂いたご支援金は全額2019年台風19号災害復旧への支援に充てさせていただくことになりました。
今回の台風災害では、坂本くん・コフンねこ共々訪問したことのある地域が大きな被害を受けており、大変心を痛めているところです。
記事の有料部分を購入していただきますと、災害復旧支援になります。
みなさまのご理解とご協力をお願いいたします。
ご連絡絡はこちら…坂本樹
Twitter:@nobusuke1062
インタビュアー:コフンねこ
Twitter:@Story_Neko5
↓↓以下では、坂本くんが各種メディアから取材を受けるきっかけとなった、2018年大阪北部地震の際の個人でのボランティア活動についてのお話が続きます↓↓
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