池田 さほ

20歳、写真家です。

池田 さほ

20歳、写真家です。

最近の記事

朝焼け、寝顔を眺めていた。

中学時代から、不眠症だった。 中学生の頃から、夜はなかなか寝付けなかった。 色んなことを考えてしまって、頭の中がぐるぐるしてごちゃごちゃしていて、夜は寝付くことが出来なかった。 本を読んだ。沢山本を読んで時間を潰した。 朝、少し明るくなったころ、誰かが起きないようにそっと家を抜け出していた。 今思えば、そんな少女が危ないことをしていたなと思うけれど、その時間が好きだった。 少女だった。 私の住んでいた場所は、同級生の女の子が私を含めて3人しかいなかった。ドの付くような

    • am2:00、夜は優しい

      なるべく私を思い出しますように 好きな人には、いつか幸せになってもらいたい。 私のことが好きじゃないとしても。 ほんとはちょっと、ちょっとだけ、私のことを好きなってくれないかなと思う。 少しだけでも、いいなと思ってくれてたら救われる気がする。たまにでも、私を思い出してくれたらどれだけ幸せだろうか。 きっと、好きになったことすら忘れるつもりなのかもしれないけれど。 誰かの純文学 在り来りな関係。よくある話。 そんな言葉で人の恋愛や人生を片付けていいのだろうか。 夢を諦め

      • いくら重ねても、言葉はあまりにも薄すぎる

        いつからだろう、それに取り憑かれたのは。 俗に言う、恋愛体質。私は、それだ。 愛されていたい、愛したいと願い、それを相手に求めすぎてしまう。 私はわがままだ。 私は、まだ一人で生きていけない。 一人で生きるには、この世界は寂しすぎると思う。 この寂しさがまるで呪いのようだと思った。 同じ体温で眠りにつきたい 同じシャンプーの香りで眠りにつきたい。同じ柔軟剤の香りで過ごしたい。私も、この人も、似たもの同士なんだと思いたかった。同じである喜びを噛み締めたかった。 伸びきっ

        • 僕はサヨナラの練習をしていた

          いつか必ず来る別れのために、何ができるだろうか。 愛した日々と愛した人たちに別れを告げる時、私は一体何を思って何を伝えるのだろうか。 別れ際はなんとなくわかるものだと思う。そういう雰囲気がでているから。「あ、もうこの人と日々を過ごすことはないのか。」そう、直感する。 例えば、愛した人。彼は悩み事をしていると口元を触る癖があった。何考えてるの?と聞くと、いつもはぐらかされた。椅子に座った時、彼はいつも右足を組む。足が痺れた頃左足に変える。きっちりとした人なのでスーツはもち

        朝焼け、寝顔を眺めていた。

          いつかの君へ

          20歳で死のうと思っていた。 12月26日、私は20歳になった。 大人になるのが怖かった。 20歳になってしまったら、大人になってしまったら、私の中の何かが変わってしまう気がして怖かった。大切な記憶が薄れてやがて思い出さなくなることが怖かった。 本を読むのが好きだった。 小中高校生時代、毎日毎日図書館に通って本を読んでいた。知らない人の生活を垣間見ているみたいで、知らない人になったみたいでとても楽しかった。 人が嫌いだった。 無作為に踏み込んで来る人が許せなかった。それ

          いつかの君へ