プレイリストは人生だ。
音楽をアルバムやシングル一枚を通して聴く時代は、少しずつ一曲ずつ聴く時代へと移り変わっていく。
我々は今まさにその真っ只中にいて、「サブスク」はこれまでにないほど盛り上がっているのではないだろうか。
このサブスクの恩恵として、自分好きな曲を集めた「自分だけのプレイリストを作れる」ということが挙げられる。
大好きなバンドの有名曲や、はたまたマイナーな曲、両親が車で流してた90年代のJ-POP、あの子がストーリーに挙げてた知らない曲。
一曲一曲に思い入れがあって、それを集めたのが「自分だけのプレイリスト」だ。
ふと思った。
写真のアルバムと同じだ。
生活を断片的に切り抜き、一枚の絵にしたものが写真で、そこには必ずエピソードがある。
曲も一緒なのではないだろうか。
その曲を聴くだけで、よく聴いていた頃のことを思い出すことができる。
曲の後ろには必ず自分がいて、曲に励まされたり、背中を押されたり、寄り添ってもらったり。
目と耳の違いだけで、写真と曲には似たような効果があると私は最近思うようになった。
こういったきっかけで、私は他の人のプレイリストにものすごく興味を持つようにもなった。
あの人はどんなアーティストが好きなんだろう、流行を追いかけているんだろうか、もしかして同じバンドが好きかもしれない。
そういった気持ちで誰かのプレイリストを覗きたい気持ち止まらないのだ。
プレイリストを見ただけで、その人の人生を少し感じることができる。
写真よりも具体性がなく、イメージしづらい。
けど、想像力は無限だ。
こんな時にこの曲を聴いていたんだろうなぁと想像することがすごく楽しい。
僕が大好きな映画であるジョン・カーニー監督の「はじまりのうた」でも、主人公とヒロインが2人のプレイリストを一つのイヤホンで共有するシーンがあった。
最高だ。
少し酔っ払って、その曲についてのエピソードを熱く語って、相手のことをよく知って。
そんな終電後の時間の使い方もありなんじゃないかって、すぐカラオケに行くんじゃなくて。
そう思うようになった。
でもいきなり「プレイリスト見せて」は少し引かれそうな気もするから、自然な流れでいろんな人の人生をのぞき見したいなあ。