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Cafe Bar Donnaにて作家の話を生で聴く

昨夜8:00より、嶋津亮太さんのオンラインバーにて作家の上田聡子さんのインタビューがあるというので参加してきた。

上田さんは小説「洋食屋ななかまど物語」の作者でnoteでも人気の作家さん。生の声が聴けるなんていう貴重なチャンスを逃してなるものか。

仕事から帰宅し、少し遅れてzoomの扉を開くと、そこにはなんとも可愛らしい、優しい雰囲気と声の若い女性が現れた。ああ、この人なんだ。あの物語を紡ぎだしたのは。

自分の考えを丁寧にゆっくりと言葉を選んで話される上田さん。子供の頃から作家志望だったというのがよく分かった。難しい言葉を使って自分本意で話すわけではなく、流暢とは言いがたいが一言一言、その気持ちに一番寄り添った言葉を厳選しながら少しでも聴いている人達に想いや考えが伝わるように一生懸命話される様子に、その真摯な生き方と真面目な性格が現れていた。想像していた通りの素敵な人だった。


質問するチャンスを頂いて、ななかまど物語に出てくる千夏をめぐる二人の男性について、実在のモデルがいたのかを聴いてみた。

あれは上田さんの理想の男性だそうだ。うん、納得。あぁ良かった。あんないい男たちが実際にいたら「全日本いい男選手権」で金メダルだ。少なくとも私はこんな素晴らしい人たちと現実の世界で会ったことがない。まぁそれは私個人に問題があるからか。読みながらこれはまるで少女マンガの理想の世界観だと思った。そして表紙のイラストにあるステキな男性たちが実際に脳内でアニメ化される映像を存分に楽しんだ。美しい。どこまでも美しい。あまりにも気持ちのいい理想的なラストに読了後はしばし放心した。


どのようにして筆力を上げるかの話はとても参考になった。YouTube等の映像を見ながら、風景や状況の描写を文字に起こす練習はすぐにでもやってみたい。書く題材のアイデアの出し方や文章が上手くなるためにやっていることは、なるほどなぁと唸った。

今現在、長編小説に取りかかっているという方からきた質問は私と上田さんの二人に向けられた。小説をどんな風に順序だてて書いていくのか、題材の探しかたや進め方、書くスタイル全般について。

私などの意見は何の参考にもならないと思いつつ、自分の書くスタイルを話していて、やはり私は「楽しむため」だけに書いているのだということを自覚した。圧倒的にプロの作家との違い。商業的に書く人にはあらゆる縛りやプレッシャーがあり、仕事として関わる人達との間でそれを「商材」として完成させなければならない難しさ。当たり前だがプロとしてあらゆるオーダーをクリアすること、その厳しさや現実を聞いて、根本的に作品を生み出すことの姿勢や思考、覚悟の違いを目の当たりにした。

私も実際社会人として働いていて、そちら側の云わんとすることは十分理解できる。でもそれを納得し受け入れ、オーダーに完璧に応えるプロとしての物書きと、趣味として楽しむために書いている人間との間のとてつもなく分厚く高い壁の存在が改めてよく分かった。

行き当たりばったりでその時書きたいことを書いているだけの私など何も申し上げることなどないのだが、その差異に一番面白がっていたのはやはり私自身なのだった。

改めて実際に人と話す、ライブで人から話を聴くというのはとても刺激的だ。その時だけしか得られない生の言葉は推敲された完璧な文章とは違った味わいやパッションを与えてもらえる。参加してとてもよかった。嶋津さん、この機会を与えて下さって本当にありがとうございました。今日からまた新たな気持ちで文章を書いていけそうです。

上田さん、参加された皆さん、ありがとうございました!とてもとても、楽しかったです。





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