見出し画像

【エッセイチャレンジ⑩】10日間振り返り&夏のおすすめ小説

エッセイチャレンジ10日目

気まぐれに始めたこの挑戦も大台に乗りました。こんなにアウトプットを続けられたのは初めてかも!
発信を続けてみて気が付いたことは、今まで完璧主義すぎたな、ということでした。

カッコ悪い自分に慣れよう


文章を書くのが好きなので、書きたいと思う瞬間はたくさんありました。実際、溢れる思いやアイデアを、手帳のフリースペースに書き殴ることは度々あった。
その「書き殴り」を世に出せないのは、

「拙い文章を人に見せるくらいなら、書かない方が良い」

「自分が思う"最高"の作品だけ発信しよう」

こうして文字に起こすとますます感じる違和感。


いやいや大物作家の葛藤かって。自己評価水準値がいちいち高すぎるのよ!!


稚拙な文章よりもこの思い込みの方がずっとずっと恥ずかしいと気がつくことができたのは、大きな成果です。汗


結局、あれこれ理由をつけたところで、恥をかくのが怖いだけなんです。下手でもカッコ悪くてもとりあえずやらなくちゃ、弱点も反応もわからないのにね。
この調子でアウトプットのハードルを下げていきたいです。

そんなわけで私の訓練のためにもう少しお付き合いいただけると嬉しいです!
引き続きよろしくお願いします。


さてさて。
今日も今日とて「これはエッセイなの?」って心でツッコミを入れつつ、おすすめの本の話をしたいと思います。

毎年この季節になると読みたくなる、むせかえるような夏雨のにおいのする短編集。

https://www.amazon.co.jp/水無月の墓-新潮文庫-小池-真理子/dp/4101440131#


【商品内容】

偶然通りかかった、阿久津との思い出の場所。そこで私たちは出会い、恋に落ちたのだ――。18年前に事故死した男との愛の日々を記憶によみ がえらせたその日の晩、突然かかってきた電話の主は……。不思議で怖く、どこか懐かしい「異界」への扉を開く幻想小説8編。夢と現実、現在と過去、そして生と死があやなす小池真理子の妖しくも美しき世界へ、これからあなたをご案内いたします。(Amazonより)

***

あらすじだけ見ると、ホラー?ラブストーリー?という印象を抱くかもしれないが、正直どちらもふさわしくない。あえていうなら「幻想怪奇小説」。
兎にも角にも、ただのオカルト物ではないぞと声を大にして言いたい!!

『水無月の墓』は全8話の小話で構成されており、共通するのは主人公はみな「孤独」であるということ。
孤独な人間に孤独な魂が引き寄せられ、此岸と彼岸が交差する。その一瞬の妖しいゆらめきに私は魅入られたのだ。

***

この本に出会ったのは大学生の頃。
真面目で堅実な友人ばかりの高校時代と違い、大学は価値観のるつぼである。友人とも呼べないような同級生に頼んだ代返で単位を得る者、親からの仕送りを酒と遊びに溶かし続ける者、普通のサラリーマンになる人生をどこかで見下している者・・・。
学生たちはみな自由で、要領がよく、傲慢だった。
もちろん全員ではないが、決めつけるまでそう時間はかからなかった。私が一番傲慢だったのだ。

当時の私は小説を選ぶのは作家買いが多かった。しかし『水無月の墓』は哀しげな装丁のデザインと、帯のキャッチコピーのみで購入した。小池真理子さんの本はそれまで読んだことがなく、事前情報もない完全な「ジャケ買い」である。

ぬるくて仄暗い疎外感にはまっていた私が、この本に呼ばれたのかもしれない・・・

・・・とまぁ、そんなスピリチュアルな妄想をしたくなった、雨音の響く盆明けの晩でした。
孤独が紡ぐ神秘的な世界観、ぜひ垣間見てほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?