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親から酷い扱いを受けてきたのに、何故、許せたのか。

機能不全家庭で育ってきて、親から、たくさん酷い扱いを受けました。兄弟間でも色々な嫌なことがありました。だけど、今、親に対し、感謝の気持ちを持つようになっています。

この変化は、何故起こったのか?

この変化が起こるまで、とても長い時間が必要でした。たくさん恨んで、深い悲しみも見つけ、恨みと怒りをぶつけ続けたこともあります。

そして、色々な出来事を通して、僕自身が自分を大切に思えるようになり、サヨナラ・モンスターで心の中の小さな自分の親になり、新しい解釈や視点をたくさん手にれてきました。長い時間をかけて、考え方、物事の見方が大きく変わり、「親の気持ち」がわかるようになってきました(わかるようになりたかった)。

その過程で、親と会うと、症状が出てきたけど、何度も足を運んで、わかろうと、見つけたいものを見つけようとしてきました。心の納得を起こしたかったから。そして、時間をかけて納得が起こり出したのです。酷く扱われて嫌だった過去、殺意が湧いたことは何度もあった。その過去が1本の線でつながりました。完全に納得が起こりました。

何故、僕を酷く扱い続けたのか。1つ1つ、その理由がわかったのです。その理由は、どれも「悪意のないもの」であり、「最善を尽くしてきた結果」であり、「壮絶な心の苦しみを抱えて生きてきた1人の人間」だったことがわかり、完全に府に落ちたのです。それを深く知ったことで、僕が受けてきたことは、「親の深い心の傷の表れ」だったとわかったのです。それがわかったら、深い納得が起こったのです。行為自体は許す必要はない。だけど、人間は誰しも被害者でもあり加害者でもある。僕自身も。

そんな人間の深い悲しみ、苦しみ、そこから滲み出てしまったもの、その奥にある親の愛に気づけたので、過去は、過去のものとして終わったのです。僕自身も20歳までに死ねばいいと投げやりに生きて、恨み辛み抱えたこともあったけど、「恨み」が「感謝」に変わり、心の中の一部が解毒されました。

世の中には、悪意はないけど、不幸な環境で育って傷だらけになり、どうしてもどうしても、身近な人間を傷つけてしまう人もいる。傷つけたいわけじゃないのに、傷つけてしまう人もいる。僕は、その傷だらけの人の心の奥にある、「優しさ」を見つけることが出来て、良かった。

次の動画を見て欲しい。

虐待された保護犬。恐怖に怯えて噛みつくことだってあるかもしれない。牙を向け続けるかもしれない。人間も、加害者も、支配者も同じだと思う。そして、勇気ある職員の温かい手が、保護された犬を変えた。

僕の親は、僕を傷つけたかったわけじゃない。話を何度も聴いたら。今で言えば「酷い虐待」を受けて育ってきている。耐えきれず18で家を出て、帰ることは出来なかった。天涯孤独の身のように1人ぼっちになった。そこで親を知らない、親から捨てられた人と出会った。おそらく、お互いに、深い傷を抱えているから惹かれたのだと思う。二人とも極度の人間不信だった。心はボロボロだった。自分の気持ちを言語化できない二人が、育ててくれた。そんな中、起こった嫌な出来事。それは、僕の中でとても大きかった。なんでそんな酷い扱いをするのかと。だけど今は、とても小さいことになった。傷ついた二人が一生懸命生きてきた中での、さっきの保護犬が抱えていた不安や恐怖のような、心の苦しみから出てしまったものなんだと確信したから。

僕が受けたことで、安定を保てていた部分があったなら、それで良かったと思うようになった。結果よければ全てよし。昭和を生きた、苦しみを抱えていた人たちの心の苦しみを少し知れて良かった。そう思っている。想像もしきれないほど、戦争は苦しく悲しいもので、その次の世代も、受け継いだ苦しみはとても大きい。僕が親の立場だったなら、耐えきれなくて諦めていただろう、それもわかった。

この続きは、また書きたいと思う。

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