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太ってていじめに遭った話

前回性被害に遭ったことを書きました。
被害に遭っていたのは8歳から18歳までの10年間です。

偶然だったのか被害に遭いはじめた8歳の頃からわたしは太りはじめました。
子どもなのに性欲の捌け口にされていた体を食べることで回復させようとしていたのかも知れません。

その頃のわたしは本を読むのが好きでした。
児童文学みたいな本は小学生で卒業して、中学生になったら多少、文学作品にも触れたんですけど、中学1年生でヘンリーミラーの小説を読むようになっていました。
ヘンリーミラーの小説はとても表現が難しいんです。
大人になってから原書でも少し読んでみましたが、英語のリズムじゃないんです。
あれを日本語に置き換えた翻訳者はすごいと思います。
なぜわたしがヘンリーミラーの小説にハマったかと言うと、性描写が持って回った言い方ではなく率直だったことです。
毎週末、避妊もなしで犯されて生きることに絶望している中学生には若きヴェルテルの悩み、みたいな高尚な文学作品ではなく、おまえのカントに俺のイチモツで忘れられないようにプレスしてやる、みたいな、まぁ文学的にはお下劣なんですけれど、環境が環境だけにヘンリーミラーの方が身近に感じたんです。
あとは自分は気が狂っているかも知れないと感じていたので、フロイトの本なんかも読んでいました。

太っていて内容はどうであれ本ばかり読んでいる中学生だったわたしは学校では浮いていたと思います。

それでも女の子らしい部分があって、クラスで目立つ不良っぽい男子に片想いしているのがバレたのが致命傷でいじめられるようになりました。

太っていたわたしは男子からはカバと呼ばれてすっかり穢れの存在になりました。
机が触れてもいけない、会話もしてはいけない。
目が合っただけで男子全員が逃げて行きました。

修学旅行の夜、男子が女子の部屋に遊びにきたんですけど、部屋にいたわたしに全員で枕をぶつけてきました。

当時の男性担任の先生は新卒の体育教師で、わたしがいじめられていることを知っていたと思うんですけど、それに寄り添うだけの実績がなかったんですね。
思い詰めて学校を2回ほどサボったら親にチクられて、親が発狂したんです。
あの時性被害のことを親に言っておけば風向きが変わったかもしれないんですが、今はその時じゃないと自分を抑えました。

わたしだけがどうしていじめられたのか、異質だったからだと思うんですけど、わたしが家では男の性器を咥え、その性器を突っ込まれ、妊娠の恐怖と毎日戦っていることをクラスの男子は見透かしていていじめてくるのか、と思っていました。

中学校を卒業して高校生になってクラスの男子とは縁が切れていじめからは卒業できました。

太っていたのが舐められやすい要因だったと思うんですけど、高校時代もぽっちゃりしていたのにいじめられることはありませんでした。

わたしをいじめた男子には謝罪させたい気持ちもあるんですけど、わたしはもっと前向きに生きることにしてふるさととは縁を切りました。
これはこれでよかったと思っています。

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