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勝手に10選〜昭和のロック 邦楽編(前編)〜Pert 2

(前記)
昭和という時代が平成という時代に移行したのは1989年1月8日の事である。
筆者も少年時代を昭和の中で過ごしたが、63年強という昭和の時代の中では微々たる時間だ。

そんな時代に、日本にはどんなロックが輝いていたのだろうか?
という観点から、前回に引き続き続編をやる。

今回も前回に引き続き、後追い知識も加えて、昭和におけるロックについて前編、後編に分けて考えてみたい。

今回も大好きすぎる為、キャロル、チェッカーズ、BOOWYは除外する。

・タイムマシンにお願い
1974年にサディスティック・ミカバンドが発表したシングルで後のアルバム”黒船”からの先行シングルである。

サディスティック・ミカバンドは1971年に結成され、以降メンバーチェンジを繰り返すのだが、その在籍したメンバーが、元ザ・フォーク・クルセターズの加藤和彦さん、つのだ⭐︎ひろさん、ベースの小原礼さん、ギタリストの高中正義さん、後のYMOに加入する高橋幸宏さん、ベースの後藤次利さん、などなど頭がクラクラするようなレジェンド達なのだ。

この曲がレコーディングされた時のメンバーは、加藤和彦さん、ミカさん(ボーカル)、高橋幸宏さん、小原礼さん、今井裕さん(キーボード、サックス)、高中正義さんである。

ギターを全面に出した、重厚感溢れるロックだが、ミカさんの澄んだ素敵なボーカルとユーモアに溢れる洒落た歌詞が融合する事で、実に素敵なロックとなっている。

ブレイクの使い方、間奏のキーボードを交えたクールなギターソロもイカしている。

実に50年の時を経て今に至るまで、沢山のアーティストによって歌い継がれる、ロックのスタンダードなのだ。

・男達のメロディ
1979年に発売されたSHOGUNのファーストシングルだ。

元々は1978年に芳野藤丸さんを中心に、前身のバンドであるONE LINE BANDとして結成され、デビューを飾っている。
翌年の1979年にドラマの音楽担当としてオファーされ、新メンバーとしてケーシー・ランキンが加入し、晴れてSHOGUNとなった。

そしてこのドラマの主題歌となった、この曲が大ヒットすることとなる。
因みに後に松田優作さんが主演を務めたドラマ”探偵物語”の音楽担当も、このSHOGUNである。

実に疾走感に溢れるカントリーも香るロックナンバーだ。
歌詞が非常に男臭く、サビの、運が悪けりゃ死ぬだけさ、などと重厚感に溢れる実に硬派な歌詞と、このカラッとしたオケが対極となりながらも見事に融合して、歌詞とオケがお互いを高め合い、非常に心地のよいロックとなっている。


・港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ
1975年に宇崎竜童さん率いるダウン・タウン・ブギウギ・バンドの4枚目のシングルとして発表された曲だ。

ダウン・タウン・ブギウギ・バンドは宇崎竜童さんを中心に1973年に結成され、1974年に発表された"スモーキン・ブギ"が大ヒットしてブレイクする。

翌1975年にこの曲が発表されるが、発売当時はシングル"カッコマン・ブギ"のカップリングであった。
しかし、当時有線のチャートでこの曲がヒットした為に急遽この曲をA面にして再発売した。

作曲は宇崎竜童さんで、作詞は宇崎竜童さんの妻である阿木燿子さんで、作詞家としてのデビュー曲である。
この夫婦コンビによる楽曲が多くて有名なのが山口百恵さんなのだ。

曲の構成は4つのパートと間奏から成り立ち、各々のパートは、ギターのリフに乗せた語りと、ブレイクからの短いサビからなる。

恋人を失った主人公が彼女を探して周り、異なる店の人々から情報を聞き出し、彼女に近づいていく、ストレートな歌詞だ。

しかし、なんとも唯一無二のイカしたロックである。
曲の殆どが物語を語りであり、歌は短いサビのみだ。
オケがほぼリフで構成されるが、その重厚感たるや実にクールで、間奏や曲中に入るギターソロも素晴らしい。

サビ前のブレイクでの"あんた、あの娘のなんなのさ"というセリフが、今だったら流行語大賞であろうし、実にカッコいいのだ。

・銀河鉄道999(The Galaxy Express 999)
1979年に発表されたゴダイゴのシングルで、同名アニメ映画の主題歌だ。

1975年に元々はタケカワユキヒデさんがソロとしてレコーディングを行っている最中にそのままレコーディングメンバーとゴダイゴを結成した。

1976年にアルバム"GODIEGO"でデビューを飾り1978年にテレビドラマの主題歌である"モンキー・マジック"と"ガンダーラ"のヒットでブレイクに至る。
その翌年の1979年にこの曲と"ビューティフル・ネーム"がヒットするのだ。

声を大にして宣言したいが、大名曲である。

曲の構成は、Aメロ、Bメロ、サビ、間奏と王道である。
イントロから爽快感と疾走感が融合し、その勢いをそのままに、Aメロに突入する。

Aメロは実に前向きな歌詞と突き抜けるメロディが見事に調和して、実に気持ちが良い。
Bメロで歌詞と伴い少し哀愁を帯びた印象になるが、Aメロとサビの間にこのBメロがある事で緩急となりAメロとサビの疾走感を引き立たせている。
サビは999が正に宇宙に向けて空を越える様な疾走感を持って突っ切るメロディラインが実に素晴らしい。

実にカッコいい、ストレートに前向きに気分が高揚する素晴らしいロックナンバーなのだ。

・ダンシング・オールナイト
1980年に発表された、もんた&ブラザーズのデビューシングルだ。

もんたよしのりさんは、中学生の時からビートルズに感化されバンド活動を開始した。
高校に進学するも中退して、本腰を入れ、音楽への道を歩みだした。

1971年にソロシンガーとしてデビューを飾るも、ブレイクには恵まれず、1979年に実家のある神戸に戻ってしまう。

しかし、音楽の夢は捨てきれず、再び上京し、"もんた&ブラザーズ"を結成し、自身最後の決意でファーストシングルとして発表したのが、この"ダンシングオールナイト"なのだ。

実に哀愁が漂いながら重厚感のあるロックだ。
70年代のイーグルスなどのロックを彷彿とさせる。
乾いたギターのカッティング、ホーンはソウルを感じさせ、実にブルージーな香りもする。

しかしなんといっても、もんたさんのハスキーで抑揚があり、シャウトまで実にカッコいいボーカルがこの曲と見事に融合して、日本の歌謡界、ロック史に名を残す名曲となったのだ。

(後記)
後半に続きます。









・WINE & ROSES
1987年にRED WARRIORSのセカンドシングルとして発表された曲だ。


・ダンシング・オールナイト
・のら犬にさえなれない
・BAN BAN BAN
・Runner
・ルビーの指輪
・真っ赤なウソ
・辛口
・I'M A LOSER
・ANGEL

・GLORIA

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