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経済に取り込まれていく世界的課題

「今さら他人に聞けないな〜」って言葉が結構出るよなぁって思うことないですか?時代の変化に付いっていってないのか、最近よくそう感じてしまいます。手元のスマホで検索さえすれば、意味をすぐに教えてくれるので、あまり困ることはないのですが、聞き流して頭に残らない言葉が結構あるようです。

私にとって『エシカル消費』もその一つ。直訳すれば『道徳上』もしくは『倫理的』な消費でしょうから、なんとなく意味はわかります。特に環境保全や社会貢献の意味合いが強いようで、「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと」と消費者庁では定義しています。私がよく知っている『フェアトレード』もある意味では、エシカルな生産と消費の活動でしょうから、重なる部分は多いのかもしれません。とはいえ、それらの理念が浸透していくのであれば、いろんな言葉があってもいいのかもと思いました。

『SDGs』はさすがに調べなくても済むようになりましたが、17の分野別目標がすらすらと出てくるかといえば、あまり自信はありません。 先ほどの『エシカル消費』は、12番目の「つくる責任 つかう責任」に関係する言葉です。その『SDGs』に似た言葉で『ESG』と遭遇。これはググってしまいました。『ESG』とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を合わせた言葉で、 企業が長期的に成長するためには、経営においてESGの3つの観点が必要だという考え方が世界中で広まっています。

関連する『GRI』もググってみると、Global Reporting Initiativeの略で、UNEP(国連環境計画)の公認団体の一つです。国際基準「サステナビリティ・レポーティング・ガイドライン)を策定することから取り組みをスタートさせました。同ガイドラインは『サステナビリティ』という抽象的な概念を具体的な指標として可視化したもので、持続可能な経営を目指す企業をはじめ、さまざまな組織の活動を後押ししています。

『ESG』が投資の際に重要視されるようになってきたことから、『GRIスタンダード』として基準を定めて、企業の公開情報の信頼性を高めようとする取り組みを推進しており、要は『ESG』投資を促すために『GRI』が活用されているのです。

なんだか、横文字が延々と続きましたが、最近感じることは、環境や人権、平和、平等など世界的な課題の全てが、経済の仕組みの中に取り込まれてしまったということ。確かに訴求力はあり、実効性も高いのかもしれません。ただ、気をつけたいのは、経済活動が基本であるがゆえに『成長』を前提としていること。どこかで矛盾が生じているのではないか、将来的なことも含めて見極めるのは容易ではありません。また、流行り言葉を隠れ蓑にし、実効性の伴わない企業も少なくないのでは、ここでも真贋を見極めるだけの見識が求められます。

難しそうな言葉を聞き流すことなく、できるだけ心に留めてその意味を再考してみる、その必要性を感じています。

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