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2-1. イジメラレルモノ

イジメラレルモノ

次の日、如月晶の隣には例の小判鮫こと大嶋優がくっついて歩いていた。
僕は唯一の友達である戸部渉と玄関で出会った。
僕「おはよう渉。」
渉「あ。ぼっちじゃんおはよう。」
僕「いい加減その呼び方やめろよ。去年も言ったよな。」
そんな会話を交わしながら階段を3階分上がり各々の教室に行く。

僕の教室。3-Aについた。
晶、優、がくの3人がこちらをみてニタニタ笑う。
”今日はなんだろ。”
と考えてふと思った。
”今日はなんだろ…?”
時間割の話でも給食の話でもない。春休みと呼ばれる長期休みの間で忘れられていたあの感覚…。これは…

捕食者に追われる獲物だ。

狩られる側にしか味わうことのないこの感覚。
あいつら(晶達)は絶対に味わうことがない恐怖。いつまで続くかわからい絶望感。ハンター(捕食者)である奴らはターゲット(獲物)である僕を絶対に逃さない。邪魔者はみんなターゲットと同じ目に遭って消される。僕に味方はいない。僕は1人。

先生「これでHRを終わりにする。」
気がついたらHRが終わっていた。
僕「杉原先生。あの、」
先生「どうした柳矢。先生と話がしたいのか?」
僕「ちょっと質問があって、先生は…その…」

僕の味方なんですか?

なんて言えなかった。
僕「あの…やっぱりなんでも…」
先生「味方だよ。誰がなんと言おうとな。」
僕「え…?僕まだなにも…」
先生「ほら柳矢。1限目遅れるぞ。」

この時の僕はまだ気がついていなかっただけなのかもしれない。
杉原一希と言う名の教師がどんな人物か。
1年の時も担任だったがあまりよく話さなかった。
どうして僕に構ってたんだろ。1年の時は見てなかったくせに。
まぁそのおかげで今があるんだけどね。

今日はここまで。最後まで見てくれてありがとう。
また見にきてくれると嬉しいな。

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