寝坊[インスタントフィクションその2]

目が覚める。時計は5:58を指している。わたしが目覚まし時計を設定した時刻は6:00なのだが、どうやらそれより前に起きてしまったらしい。寝られたはずの2分間に絶望しつつ光差し込む隙間を睨みつける。夏にさしかかった今の時期ではこの時間にはもう空は明るいのだ。やむなく立ち上がり、カーテンを開け朝日を浴びる。
「…なんだ?」 
とてつもない違和感に襲われるが未だ覚醒しきらない頭でどれだけ考えようとも答えは出ない。あるいは答えは出ているかもしれないのだが、それはあまりにも信じられないから寝坊け頭のせいにしているだけなのかもしれない。
歯を磨き、顔を洗い、朝食を食べ、頭が完全に覚醒した時、わたしは今日という日を終えた。

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