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短編

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情景を思いつくがままに文章にしてみました。 そしてそれを集めてみました。 インスタントフィクションです。
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#意味不明

残高[インスタントフィクションその9]

立つ。歩く。笑う。走る。跳ぶ。泳ぐ。怒る。泣く。寝る。話す。聞く。掴む。蹴る。殴る。踏む。。。
何だってできる。私は持つものだ。満足を知らない。
私は問う。
「これが欲しい。これはいくらだい?」
擦り切れたフードを被った商人の口元に浮かぶ三日月から声が発される。
「いいものに目を付けなすったな。なかなかお目にかかることのできない逸品に出会えたあんたは、何かを持ってるかもしれんな。あんたの自慢の左腕

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