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短編

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情景を思いつくがままに文章にしてみました。 そしてそれを集めてみました。 インスタントフィクションです。
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#臓器移植

再会[インスタントフィクションその1]

夕暮れの賑わう交差点。誰も私を知らない街でただ1人、いつも通り少し買い過ぎて重たい買い物袋を手に、最近ようやく覚えた帰路に着く。一年の歳月を経て未だに買う量を誤るのは流石に自分でもどうかと思いつつ、いつからか抱え込んだ諦観と共に今日も1人で繰り返しの毎日を生きている。都会の人は冷たいからと引っ越して1週間、そこで出会った優しさに奇妙な違和感を覚える。信号が青に変わり、人の波が動き出す。学校帰りなの

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