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ROIC #3:計算式の解説と留意点

<読了目安時間:25分>

投下資本利益率(Return on invested capital、以下ROIC、読み方:ロイック)の特集第3弾では、ROICの計算式を解説すると共にいくつかの留意点をお話しします。ドクタープラン以上のメンバーさん向けに、7月13日(土)20時からROICの解説ライブ配信を行いますので、後ほどドクターメンバー以上限定の掲示板投稿でライブ配信URLを共有します。


ROIC特集
#1:ROE、ROAとの違い
#2:基本的な計算式と簡易計算シート
#3:本記事


ROICと加重平均資本コスト(Weighted average cost of capital、以下WACC、読み方:ワック)を用いることで企業の価値創造力をはかることができるため、企業分析においてROICは非常に有用であることは明らかです。

ROICは事業に投下した資産(資本)に対する本業の利益の比率を表し、資本効率の高さをはかる物差しになります。その資本や利益をどう定義するかによって計算結果が異なるのですが、前回の記事では初学者でも無理なく計算出来るような基本式をご紹介しました。この記事では、ROICの分子、分母のそれぞれに着目して、基本式からの派生を説明します。

なお、ROICにしてもWACCにしても、突き詰めようとすると結構大変です(特にWACC)。それこそ、M&Aにおける企業価値評価や減損テストなどの業務を生業とする方であれば突き詰める必要はあるものの、一般の個人投資家がどこまでそこに労力を割くべきかと問われれば、最終的にはその人自身の興味次第と言ったところでしょう。

その上で、この記事では前回の記事から一歩進んだ内容を取りあげ、基本から応用への橋渡しになるような役割を想定しています。更に詳しい内容を知りたい方に向けて、文末に資料をいくつかピックアップしておきましたので適宜参考にしてください。



✅ ROICの分子に何を使うか?

ROICで明らかにしたいことは本業の稼ぐ力ですので、本業で得られた利益とは何なのか?そして「税引後」の計算をどのようにするのか?ということを考えなければいけません。それをどこまで突き詰めるのかという観点から、いくつかの計算式が存在しています。

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