素数と合成数の割合から双子素数の無限存在を証明(プレプリント)
未解決問題を次から次に解いて論文にしていると大変なので、それより研究Noteにして誰でも解りやすく勉強(忘れたような用語もリンクを張っておくから復習しながら読んでね)ができることに重点をおいてまとめておく。
双子素数とは:
一般に素数は2と3を除いて、初項1を第0項とする公差6の等差数列のxₙとxₙ-2(n≧1)にある。
表1では、青背景の数値が合成数で、赤背景の数値が素数である。
表1のnごとの素数と合成数の個数でパターン分けすると、
24パターン・・・合成数の個数2、素数の個数4、
42パターン・・・合成数の個数4、素数の個数2、
51パターン・・・合成数の個数5、素数の個数1、
60パターン・・・合成数の個数6、素数の個数0、
の4つに分けることができ、双子素数というのは、24、42パターンにある合成数を一つ挟んだ素数同士のペアのことで、このペアが無限にあるかどうかが未解決問題である。
※ちなみに、3,5,7の3連続の素数は三つ子素数とは別にされ、素数は2と3を除いて、等差数列のxₙとxₙ-2にあるので、それは一つしかないのは当たり前ですね!
素数分布の傾向:
図1は、X軸にn=1000までxₙを、Y軸に実際の素数の個数(f:細い赤線)、合成数の個数(g:細い青線)、素数定理による素数の個数(c:太い赤線、実数による平均値のような指標)、合成数の個数(d:太い青線)のグラフで、右側はX軸を対数表示したグラフです。
傾向としては24パターンから始まり、60パターンが出るまで、42,51パターンを繰り返し、60パターンが出てからは、42,51,60パターンが繰り返し出ている。どちらにしても素数と合成数のパターンは3(素数は2と3を除き3の倍数列の合成数の前後にある)を上下にして鏡のように対称です。だから合成数が4と5と6を繰り返すなら、素数も2と1と0を繰り返します。しかし素数定理からの平均値的な指標である合成数(d)が5を超えているので5と6を繰り返して、素数も1と0を繰り返す可能性もあります。これnが極限まで増えても、42パターンが増え続けるのかという未解決問題です。しかし実測では計算限界があるので、素数定理を絡めて何が言えるか模索する。
実測で素数と合成数の割合からペア数を考察:
ペア卓の数nが1~10⁸まで(パソコンで手軽に計算できる程度)を考察します。nの等差数列のxₙ、奇数の個数はa=2n(ペア卓ごとに椅子が2席ある)、2と3を除く実測の素数の個数をb、合成数の数はc=a-b(合成数と奇数の割合はd=c/2a、素数領域xₙ-2~xₙがxₙ-5~xₙの半分なので)、合成数同士ですべてペアになった場合の上限数はe=c/2(その比率はf=e/c)、すべて素数が合成数と混合ペアになった場合(逆にいうと合成数とペアでない素数は素数同士のペア)の合成数同士の下限ペア数はg=(c-b)/2(その比率はh=g/c)、表2はどのnでもh<d<fになるが、dがhを上回ると素数同士のペアがあることを説明します。
実測で合成数同士のペア数をi、素数同士のペア数はk=i-gから求まります(例えばnが10卓あって、素数が16、合成数が4で、合成数同士のペア数が0なら、素数同士のペアが6卓で、素数と合成数の混合ペアが4卓は必然です)。では実測の素数同士のペア数lで答え合わせしましょう。なんとk=lは完全一致します。あと、素数と合成数の混合ペア数はm=c-2iで求まります、混合ペア率は10²をピークとし、10³までは合成数同士のペア率より高いのですが、10⁴では合成数同士のペア率の方が上回ってきます。
以上により、iとgの差が素数同士のペア数であることが証明され、ペア卓の個数nが1~10⁸までは、dがhを上回ると素数同士のペアがあることが説明されました。直接数式で比べると、
d:h ⇒ c/2a : g/c ⇒ c/2a:(c-b)/2c ⇒ c/a:(c-b)/c ⇒ c²:a(c-b)
⇒ c²:(c+b)(c-b) ⇒ c² : c²-b²、の不等式でd>hが確かめらました。
この素数と合成数の比率と合成数同士のペア数が解れば、素数同士のペア数が正確に解る比率の規則性が、どこにあるかを素数定理でさらに探ってみる。
素数定理で素数と合成数の割合からペア数を考察:
ペア卓の数nを10⁹~計算限界は、素数定理で一気にワープして、実測から素数の個数をb=x/ln(x)=2に変えて(ln は自然対数)、合成数同士のペア数を実測するのは大変なのでi=cd/100で近似します。
※対象の奇数の数a=(x-1)/3、素数の数b=x/ln(x)において、合成数の個数である c=x-π(x)と奇数の個数(ペアで2個)2aの比率は、d=c/2a=(a-b)/2a=(1-b/a)/2、合成数同士の下限ペア比h=g/c=(c-b)/2c=(1-b/c)/2、素数定理では合成数同士のペア数が増加していく中で極限においてもa>cなのでd>hは変わりません。この関係はxの範囲を分割してxₙ-xₙ₋₁毎にしても変わらない(表4)ので、素数定理では双子素数が無限に増えることを意味します。
しかし、10⁵⁰⁰で計算機限界になりました。10¹⁶~10¹⁰⁰も有効桁が足りなく厳密には怪しいがd:hに差があるので、それでもその差が100³⁰⁰で首の皮一枚(0.001%?)図2の比率順位のままdがhを上回っている(図4)ようです。
比率ではもう出なくなるんじゃないかと思わせますが、ペア数でみるとこれでもちゃんと素数定理のx/ln(x)に比例して(素数分布の漸近法則)双子素数も増えています。
その素数定理に基づく双子素数のx→∞で漸近する近似式は、1.5x/(ln x)²です。
双子素数の漸近式の評価:
道具仕立てが揃ったので、双子素数の漸近式(1.5x/ln²x)と実測データを表6にて比べてみた。
1.5x/ln²xでは合わない・・・表5では合ってたものがどこでズレたのか見直してみると、どうも表3のところの”合成数同士のペア数を実測するのは大変なのでi=cd/100”で、
合成数の個数/奇数の個数 〜 合成数同士のペア数/合成数の個数
として近似したので表5では合ってたのか?
それで1.5x/(ln²x)の1.5を変え(1.3は、ハーディ・リトルウッド定数に近い)比較していくと、2¹ᐟ²x/(ln²x)で最も漸近したのが図6です。
これは間違いなのか? いろいろ考えたけれど、表3の近似の当て嵌めで漸近しているのが逆にこの2¹ᐟ²x/(ln x)²の正しさの証拠になっている。
x/ln(x)との比例定数が1.5から1.5-2¹ᐟ²になったところで、極限で合成数同士のペア数/合成数の個数比は50%に収束する(逆に言うと極限で素数比率は0に収束)ので、結論が変わるわけではないのは、増加関数である素数定理のx/ln(x)と同じである。
結論:
この研究の主要な結論は、素数に関連する数学的な問題において、x/ln(x)という関数を使用したアプローチが、π(x)(x以下の素数の個数)に比べてより強力であることを示唆しています。
背理法を用いると、xを範囲に分割し、各分割範囲(xₙからxₙ₋₁まで)ごとに、合成数の個数(x-π(x)、x以下の素数の個数とπ(x)との差)と奇数の個数(ペアで2つずつ)の比率が、合成数同士の下限ペア比(合成数の個数から素数の個数を引いた値/2×合成数の個数)と同じ比率となる可能性がπ(x)に存在した(双子素数やゴールドバッハ予想などに反証可能性がある)。しかし、x/ln(x)を用いたアプローチではこのような比率は存在しないことが、矛盾が生じることを示しました。
その結果、x/ln(x)を用いたアプローチが、素数の性質を理解し、関連する問題を解明するためのより強力な方法であることが発見され、予想通り双子素数が無限に存在することが証明されました。さらに、双子素数の漸近式は 2¹ᐟ²x/(ln x)² であり、この漸近式が素数分布と一致することが示されました。
この研究は数学的に重要な結果をもたらし、未解決の双子素数の無限性という問題に新たな洞察を提供しています。今後、この証明の正確性は、数学コミュニティによって検証されるべきです。そして、双子素数の存在が正式に確認されることで、数学の重要な課題の一つが解決されるでしょう。
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