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毎年、実践報告会を開催する理由

昨日、実践報告会が無事に終わりました。コロナ感染の広がりが気になる中、なんとか無事に開催でき、ひとまずはホッとしています。ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

個人的には、昨日の実践報告会は、今までやった4回の中で一番良かった会でした。これは、登壇者に良し悪しつける意味ではなく、コロナでオンライン研修が多い中、対面で、同じ場所に集まって、会場の雰囲気を一緒に感じることができたのがすごく嬉しかったです。

ただの自己満足では?、と言われたらそれまでですが、僕らの法人や事業所が何を大切にしていて、その中で何ができたかを「実践報告」と位置付けて開催し、それを関係する皆さんに知ってもらうことが大切なことなように思い、こうやって毎年開催することの意味はあるように思っています。

来年も、再来年も、毎年開催したいし、そのためには僕の自己満足だけでなく、開催する理由も少しは言語化したほうがいいように思い、スタッフの皆さんにもそんな想いを伝えたいのもあって、noteに書いておこうと思います。

好きな先生の話を聴きたいから

毎年、実践報告会は「基調講演」を第一部のプログラムに位置付けています。基調講演ですので、有名な先生というか、先駆的に取り組まれている方や特定の分野におけるスペシャリストの方など、大阪地域に限らず全国的なとこからお願いもしていて、今回は、よこはま発達クリニックの心理士、佐々木先生に講演してもらいました。

僕にとって、佐々木先生はコロナになってから一番刺激を受けた先生で、オンラインサロンやブログ、YouTubeでの発信など、ネット通じてとても積極的に活動されていて、佐々木先生の考え方や自閉症の方を想う気持ちにただただ共感し、お会いもしたことなかったんですが、SNS通じて連絡取らせてもらうようになり、無理言ってお願いをさせていただきました。

「好きな先生」とは、僕にとっての好きな先生であり、僕が話を聞きたい先生を意味してます。これは、所長の職権乱用(笑)でもあるというか、自分の好きな先生の話を通して、大切にしたい価値観や方法論をスタッフと共有したく、参加者の方のためでもありますが、どちらかというとスタッフの学びの時間にもしたくて、内部研修のような意味も込めて「好きな先生」を勝手に位置づけさせてもらっています。

個人的には、佐々木先生の話はバツグンに素晴らしかったです!講演依頼して、本当によかった!心からそう思いますし、来場されていた方からもそんな声をたくさん頂戴し、スタッフも「また聴きたい!」と充実感ある表情で話してくれてました。佐々木先生、改めて、本当にありがとうございました!

これは、今回に限らず、前回の鬼頭先生、その前の、縄岡先生、第1回目の中山先生と、基調講演してくださった先生たちは皆、自分の実践について、理念と方法論を混じえて分かりやすく講演してくださいます。その理念と方法論は、僕らが日々実践する現場に通ずることはとても多く、日々の実践を基調講演聴きながら改めて学び直すことができ、スタッフ一人ひとりにとって考えや価値観を整理する時間にもなり、学ぶことの大切さ、大事にすべきことを振り返る必要性、明日から頑張るエネルギーの蓄えなど、好きな先生の講演は色んな意味があるように思います。

今回の佐々木先生の話を聞いたスタッフにとって、少しでも何かを感じてもらえたら嬉しいし、それを少しでも目の前の利用者の方に還元できることにつながれば、基調講演を企画した意味もあるなぁと思ったりもしています。

来年に向け、「好きな先生」探しは、自分の勝手な役割と思って引き続き頑張ろうと思います。

ご本人の話から学びたいから

第二部は、いつも「実践報告」を3つほど開催しています。ここでは、必ず、ご本人に登壇してもらうことを大事にしていて、「ご本人から学ぶ」が大切なキーワードです。

ご本人の話は、いつもたくさんの学びと気づきをもらえます。実践報告会を自分たちの「成果報告」とするよりも、ご本人に就職までの歩みや今の気持ちを語ってもらい、「実践の成果」は聴く人一人ひとりが定義づけることでも良いように思っています。

それに、僕ら就労支援の仕事は、就職が目的になってはいけなくて、QOLが大切な視点です。今のご本人がどんな気持ちでおられるか、JJおおさかに来る前と来た後、就職前後でどんな風に変化されたかなどを支援者が勝手に定義づけて成果として実践報告するよりも、ご本人の話を聴く中で実践を振り返り、そこから見えるコツや成果を感じ取ることが実践報告を実施する意味であるように思います。

今回の実践報告会では、ご本人の話の後に、「事例を振り返って」と題して担当スタッフに数分間プレゼンしてもらいました。発表してくれたご本人の横で、少しだけ支援者としてコメントさせてもらい、ご本人とご一緒させてもらった感謝を伝えつつ、陰ながらお手伝いさせてもらったことは何かとか、理念と方法論も交えて考察させてもらうことが、僕らの実践報告のスタイルで良いと思っています。

実践報告会は、色んなところで開催されてますが、きれいごとのようにまとめられたプレゼンもあるように思い、成果としてまとめるというよりは、これまでのストーリーとご本人の今について、飾らずに、ありのままを参加者の方と共有することを大事にしたいです。

「実践報告」という言葉に引っ張られすぎず、ご本人中心主義で、ご本人と一緒になって大切にしたいことをお伝えできる実践報告会であり続けたいなぁと思っています。

スタッフみんなでもてなしたいから

「スタッフ皆さんの人材育成にもつながっていて、素晴らしいですね」と、昨日、とある参加者の方からメッセージもらいました。たしかに、人材育成という意味もあるなぁと思いましたが、あまりちゃんと意識してなかった気もします。

スタッフのために好きな先生呼んでるのはあるかもですが、どちらかというと、対面で開催することで、スタッフみんなで来場する関係者の方をお招きし、一人ひとりにご挨拶や日頃の御礼を伝えるなど、関係者の方をスタッフみんなでおもてなしすることに意味があるように思います。

今回の実践報告会では、企業の方にはご登壇いただかず、動画を通してご登壇というか、ご出演いただきました。僕らの事業所は就労支援サービスなので、企業の方や地域の方は大切な関係者の方です。それに、地域の相談支援や学校関係者、医療、ご家族なども事業所にとって大切な存在ですから、わざわざ来場してくださり、時間を作って聴きに来てくださる人をみんなでおもてなしし、これからも関係性を深めていきたい想いをスタッフみんなで取り組むことは、対面開催する上で大事なことなように思います。

もてなすというか、日頃の感謝を伝えるというか…。
周囲の皆さんとの関係性の中で事業所の今があることを確認できる場でもあるのが実践報告会なようにも思います。

宣伝ではなく文化づくりしたいから

最後は「文化」の話。これは、理念的な話に近いと思います。

僕ら事業所のミッションは、「強みを活かし、発達障がいのある人と職場をつなぐ」です。また、ビジョンは、「『自分らしい』働き方を実現する」「やさしさのある『共生社会』を創る」とあります。

これって、僕らの法人や事業所が勝手に位置づけたキーワードで、もちろんたくさん考えて、みんなと話したり意見聞いたりする中で決めた大切なキーワードです。スタッフみんながチームとして働く時に共通認識しやすいキーワードでもあるため、自分たちのための言葉であるようにも思います。

就労支援の事業所は、就労移行支援が有期限サービスであるのもあって、お客様というか利用者となる障害のある人を集めるための宣伝が必要だったりします。そのため、今回のような実践報告会は、その宣伝としての意味もあるのか?とスタッフとの話の中で意見もあったりしましたが、宣伝というよりは、どちらかというと「文化づくり」として開催してると言ったほうが、僕の中ではしっくりくる気がしてます。

先ほどのミッションやビジョンは、僕らジョブジョイントおおさかが掲げるキーワードです。でも、これらは、僕らだけが大切にしたいことではなく、障害者雇用企業や就業生活支援センターや相談支援事業所、大学や高校などの学校関係者、クリニックなどの医療関係者などにもキーワードが届いたら嬉しくて、僕らが大事にしたい価値観が周りにも少しずつ広まっていくことが自分たちのミッションやビジョンの実現にも繋がるため、理念浸透というよりは大切にしたいことを自然と広めていけるような文化づくりのほうが言葉として合っているような気がしてます。

社会福祉法人は「社会の公器」という意味もあります。理念浸透という少し上からな意味合いよりも、大事にしたい価値観や文化を、勝手ながら少しでも地域やご本人の周りに広めたくて実践報告会を開催してるような気がしていて、そんな会と認識してもらえるよう、毎年開催を続けたいです。


4つの話は、書いてるとだんだんまとまりなくなり、抽象的な書き方が多くなってしまいました。フワッとしていて、まだ、自分の中でうまく言葉にできないことも多くあるような気がしてます。

でも、実践報告会を毎年開催することで、なんで毎年開催するかとか、開催することでどうしたいのかは、これからも考え続けたいと思いますし、それをスタッフの皆さんにちゃんと伝え、協力を募り、スタッフみんなで開催したいなぁと思います。

今回の第4回実践報告会は、本当に良い会となりました。土曜日で、休みなのに、スタッフの皆さんがたくさん手伝ってくれて、みんな同じ場所で、佐々木先生やご本人3人の話をみんなで共有できて、本当に嬉しかったです。
(参加できなかったスタッフの皆さん、録画共有しますねー!)

来年も、今年以上に楽しい会となるよう、次回開催も頑張りたいです!

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