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心理的安全性とリーダーシップ

今年の初めに開催した研究報告会でも話題となった「心理的安全性」。今の自分にとってはピッタリな言葉で、本書は何度も読み返し、学びが行動へとつながるようにとがんばっています。

リーダーと心理的安全性

何がピッタリかというと、「リーダーと心理的安全性」の関連が今の自分には一番納得できることで、リーダーが職場に与えるものは良いも悪いも大きな影響がある(以下の本書より)、とのことが一番の学びになっています。

「特に、組織の心理的安全性に最も影響を与えているのがリーダーである。組織の雰囲気づくりにおいてリーダーの影響は多大だ。メンバーはリーダーの行動を通して考え方や価値観を読み取り、自らの行動に反映させる。また時には、リーダーの行動一つで組織の雰囲気が一変してしまうこともある。」

—『恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』エイミー・C・エドモンドソン,  村瀬俊朗著

リーダーとは

リーダーとは何かというと、組織や職場によっての違いはもちろんですが、現場を取りまとめる主任や係長等のリーダー、課長や部長等の管理職、役員や社長等の経営者など、様々な立場の人がリーダーと名のつく人のように思います。

リーダーとは誰かの上に立ち、ある特定のことに責任とリーダーシップを任され、チームを引っ張る存在をリーダーと理解する感じでしょうか。
リーダーの存在は組織やチームにとって大きいものと感じます。

障害者雇用の現場に置き換えると

さて、話題を変えて障害者雇用の現場についてです。
障害のある人の離職理由をまとめたデータでは、「人間関係」が理由の多く占めています(引用:厚生労働省/平成29年9月20日第1回今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会資料)。

もちろん、要因は個人差もあって様々ですが、「職場でのコミュニケーションを容易にする手段や支援員の配置」「上司や専門職員などによる定期的な相談」「本人、周囲に助言する者等の配置」などがあれば離職を防ぐことができたとの意見は多くあり、ここに今回のヒントも隠れているように思います(引用:障害のある求職者の実態等に関する調査研究(2020年3月)独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター)。

日常的なコミュニケーション

上記にある「職場でのコミュニケーション」は、「雑談」「1on1」「人事考課面談」「チャットやメールでのやりとり」など、社員とリーダーによる様々な方法が想定されます。
ただ、「容易」との表記もあるため、定期的に開催される人事考課面談等よりも、雑談や普段の会話、話しやすい雰囲気など、「日常的」であることが人間関係をより良くすることに繋がっているとも読み取れます。

離職要因に人間関係が多くあるのなら、それを防ぐには「日常的なコミュニケーション」が必要となるってことは、改めて考えてみると障害者雇用に限らずどんな職場でも当てはまることのように思えます。

心理的安全性とは

では、心理的安全性の話に戻します。
リーダーが組織や職場に与える影響はとても大きいとされます。それは、日常的なコミュニケーションとしての雑談や普段の会話に加えて、先ほどの雰囲気などにも当てはまる、いわゆる非言語コミュニケーション(表情や身振り手ぶり、声のトーン、態度や振る舞いなど)も関係しているのではないでしょうか。

・笑顔が少ない
・いつも不機嫌そう
・忙しそうで話しかけにくい
・失敗やミスを報告しにくい

リーダーが上記のような表情や態度、振る舞いをしていたら、そりゃぁチームの人たちも話しかけにくいですしね。


心理的安全性とは、⼤まかに⾔えば「みんなが気兼ねなく意⾒を述べることができ、⾃分らしくいられる⽂化」のことと本書には記されていました。
そして、その先に何があるかを考えると、「恐れのない組織」が生まれ、その結果としてチームや組織のパフォーマンスを最大にできるとあります。

フィアレスな(不安や恐れのない)組織とは

「フィアレスな(不安も恐れもない)組織とは、知識集約的な世界にあって、対人関係の不安を最小限に抑え、チームや組織のパフォーマンスを最大にできる組織のことである。」

本書には上記のような記載がありました。

組織やチームのことを考えると、職場で働くスタッフ一人ひとりの働き方はもちろん大事にすべきことですし、加えて職場環境のあり方も大事なことです。
大事なことをより深く考えようとすると「心理的安全性」はキーワードになるように思い、僕にとっては何よりもしっくりくる言葉と感じてます。

フィアレスな組織づくりに向けて、引き続き本書を読み返して自分自身の教科書としていきたいです。

*おまけ

日常的なコミュニケーションって、日々の雑談よりももしかしたら「毎日の挨拶」が大事なのかもしれないと最近思います。
就労支援の現場では、ビジネスマナー講座をよくやりますが、そこでは、「挨拶は自分から」「相手の方を見て」「明るい声」が大切とお伝えしています。

・自分は毎日できているか?
・リーダーから明るい声で挨拶できているか?

そんな日常の積み重ねが大事なのかなって、最近はそんなふうに思います。

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