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就労継続支援B型の利用者の方は労働者⁇

おはようございます。
大阪人ってええ加減な人が多いですが(もちろん良い意味で)、なぜか感染者はほとんど出てなくて、吉村知事も感染ピークは3月下旬とか言ってます。
「終息宣言」って安倍さんがするのか吉村さんが先走るのかとか…、どうでもいいけど気になります。

 

さて、今日はB型の利用者の方について。
利用者なのか労働者なのか、それとも訓練生なのか…。

そんな深く考えんでもええやん!ってテーマですが、なんかしっくりこないんで自分のために書いてみます。

就労継続支援は、訓練?か仕事か?

就労継続支援B型は、A型や就労移行、自立訓練などと同じく「訓練等給付費」に区分されています。
(障害福祉サービスは、介護給付、訓練等給付、地域相談支援給付に分かれています。)

B型は、お金を稼ぐために生産活動もしますが、訓練の意味も含まれていて将来的にA型や一般企業での就職を目指すことも可能です。

就労移行支援や自立訓練は、2年間の有期限サービスで訓練期間が限定的です。ダラダラやる訓練に意味がないのは同感ですし、目標持って進めることは利用者も支援者も必要だと思います。

でも、B型(A型もそうですが)は訓練期間が決まっていないため、無期限訓練という感じです。
生産活動をしながら、就労に必要な知識やスキルを訓練するっていう意味合いのようで、逆に言えばダラダラ過ぎていく訓練期間に客観的なチェックは入りにくいように思います。

労働者っぽい利用者の人権は?

B型の多くは、生産活動に取り組んでいます。
自分たちで考えた製品を販売することもあれば、店舗を持って製造販売したり、企業等からの受託した仕事をしているところもあり、生産活動の内容は様々です。

B型の利用者の方は、B型事業所に雇われているわけではないので雇用契約を結んではいません。でも、働いているので工賃という給与みたいなものを支給されます。

工賃は、生産活動で得た収入から必要な経費を差し引いて残った分を利用者に分配する方法が取られています。収入が少なければ工賃は少ないし、収入が多ければ工賃も多くなる計算です。

繰り返しになりますが、B型は利用者と雇用契約を結んでないけど生産活動に従事していて、労働しているとも言えます。

勤務時間が決まっていたり、タイムカード押したり、体調悪くて休憩を多くとった時は工賃が引かれたりと、B型の事業所によって対応はそれぞれですが労働者っぽい扱いをしていることは多いものです。

でも、契約しないし、賃金ではなく工賃を支払っている。
労働生産性や個人の能力を考えると、B型の利用者の方に支払う金額は少なくなってしまうのかもしれませんが、それはあくまでB型の生産活動の収入が少ないからであって障害のある人の個人の問題ではないように思います。

労働基準法にいう労働者とは、使用者から使用をされ労務に対して賃金を支払われる者とされています。
要約すると「使用」されて「賃金」を支払われているということ。

B型の利用者の方は、福祉サービスを使う利用者であることが大前提です。
でも、生産活動に重きを置くことで、「使用されて賃金を支払われる」という関係性が強くなってしまいます。

労働法規の適用外になるB型利用者の人権をどう考えるか。
悩ましい問題です。

B型の成果ってなにか?

1999年ILO(国際労働機関)総会にて、「ディーセントワーク」という言葉が用いられました。

「ディーセント・ワークとは、権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事を意味します。それはまた、全ての人が収入を得るのに十分な仕事があることです。」
言い換えれば、「働きがいのある人間らしい仕事」とは、まず仕事があることが基本ですが、その仕事は、権利、社会保障、社会対話が確保されていて、自由と平等が保障され、働く人々の生活が安定する、すなわち、人間としての尊厳を保てる生産的な仕事のことです。
(ILOのwebサイトより)


B型の利用者の方にとっても、ディーセントワークは大切な視点です。
仕事が保証され、社会とのつながりの中で人間らしい働きがいのある生活を営むことは、人生を豊かにしますし、QOLの向上にもつながると思います。

現在、B型の利用者数は約24万人。
就労移行支援支援の利用者数の約7倍で、多くの方が利用者となっておられます。

B型の事業所運営に必要な収入(報酬単価)の区分は、利用者工賃の平均支給額で7段階に分けられていて、平均工賃が高いと報酬が高くなる仕組みです。
つまり、事業所の評価軸を利用者工賃にしています。

前述の「訓練」という意味もあるのなら、生産活動として成り立たない講座やグループワークなどの訓練も立派な成果です。
でも、やればやるほど、収入は得られないので利用者工賃も減ってしまいます。

また、ディーセントワークという観点から仕事を通したやりがいを得ることは工夫できる一方で、工賃の低さ(日本の平均工賃は1万6千円程度)をどう考え、所得や権利の問題をどう考えていくかは難しい問題です。

工賃が高ければいいという評価軸だけでB型の成果を考えるのは、少々乱暴なように思えてしまいます。

働く人の権利

今のB型は、福祉と労働の両面を持っています。
デイサービスのような日中活動の場でもあり、仕事をする働く場でもあります。

そこがB型の問題を難しくしているように思います。

個人的には、B型は福祉サービスで行う日中活動であると思うので、工賃支給額以外の評価軸もある気がします。
働く場としてのB型と日中活動のB型は、分けて考えた方がいいのかもしれません。

それに、B型で働く障害のある人の労働者性をどう考えるかも気になります。
ぼくにはこれ以上アイデアが出てこないので、厚生労働省の皆さんにお願いしたいです。

B型で利用者の「働く人の権利」をもう少し考えていきたい。
今は、そんな風に思います。

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