【その3】ト書きとセリフの書き方
について、お嬢様口調で解説しますわ。
前回はプロットについて話しましたわ。
今回はト書きとセリフについて話しましょう。ト書きの役割は動作や状況の説明です。セリフは人物の発言ですわ。
柱は場所と時間帯の指定です。シナリオはこれら3つの要素で構成されますわ。プロットを元に書き起こしますの。
ト書きのコツ
は下記の通りですわ。
しりとり法で時短する
しりとり法とは、シーンの間を同じキーワードで繋ぐ方法ですわ。例えば脅迫を受ける展開があるとします。その場合
シーン①
電話口の犯人「明日10時にハチ公前に来い」
シーン②
ハチ公前に立つ主人公
といった具合にシーンを繋ぎましょう。「ハチ公」というキーワードをしりとりのように使うことで、翌日までの時間を短縮できますわ。
▼出典
スリ法で時短する
スリ法とは、主人公以外の視点を挟み時間を盗む方法ですわ。
スリ法なし
男、会社を出る→駅まで歩く→ホームで電車を待つ→電車に乗る→電車に揺られる→電車を降りる→駅から出る→駅前ビルの階段を上がる→「ダンス教室」の看板を見る→教室のドアを開ける→中にいたダンサーと目が合う
スリ法あり
男、会社を出る→教室で踊るダンサー→ドアの開く音に気づく→男がドアの前に立っている
▼出典
回想で時短する
回想シーンの間に時間を進める方法ですわ。
①母に教わった料理を作り始める
②母との思い出を回想する
③回想が終わる
④料理が完成している
カットバックで盛り上げる
カットバックとは、二つの場面を交互に描写する方法ですわ。
カットバックなし
姫が山賊に襲われる→あわやという時、馬に乗って現れる主人公
カットバックあり
山賊が姫に詰め寄る→馬を飛ばす主人公→山賊が姫に手を伸ばす→馬に鞭を入れる主人公→山賊が姫に手を掛けようとした瞬間、馬に乗って現れる主人公。
▼出典
セリフのコツ
は下記の通りですわ。
キャラの語彙を意識する
セリフは登場人物の言葉ですわ。そのため、人物のキャラ性を反映する必要があります。ですが、キャラではなくライターの言葉でセリフを書いてしまう場合がありますわ。例えばハーレムアニメにて。主人公(高校生)がヒロインに言い寄られるシーンがあるとします。そこでライターが下記のセリフを書いたとしましょう。
主人公「据え膳食わぬは男の恥だぜ!」
「据え膳食わぬは男の恥」とは「男なら女性の誘いに応じるべき」という意味のことわざです。高校生にしては言い回しが古いですわ。これは、ライターが知っている言葉(ことわざ)をそのままキャラに言わせてしまった失敗例です。ライターの語彙力=キャラの語彙力ではありませんわ。ライターが知っている言葉を、キャラも知っているとは限りません。セリフを書くときは、キャラの言葉がキャラの語彙に沿っているか、注意を払いましょう。
大事な言葉はセリフ尻に置く
「海賊王に俺はなる」というセリフは、俺がなることを強調していますわ。対して「俺は海賊王になる」だった場合、海賊王になることを強調します。セリフの締めにある言葉ほど、印象が強くなりますわ。
セリフよりもト書きで
映像は言葉の8倍のインパクトを持ちますわ(メラビアンの法則)。そのため、シナリオにおける表現もセリフよりト書きを優先しましょう。例えば自己紹介シーンがあるとします。セリフを使うと
鈴木「俺の名前は鈴木一郎。高校生で趣味はプラモ制作だ」
となりますわ。このような表現は避けましょう。下記のようにト書きで表すべきです。
鈴木が自室の机でプラモデルを組み立てている(趣味の説明)。室内のハンガーには学生服が掛かっている(高校生である説明)。学生証に「鈴木一郎」と書いてある(名前の説明)。
このような映像での表現を心掛けましょう。
以上!
ト書きとセリフについての解説を終えますわ。続編はこちらです。
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