一抹の感傷
2023/03/13
飛行機に乗っている。
イベントなどで無数の椅子が目の前に並んでいるとき、私には選択する自由があると思う。
何もない時間というのは突然訪れ、颯爽と去っていく。
そんなとき、壁をじっと見つめたり自分の手を観察したりしながら内省する。
過去の出来事を反芻するというほうが的確かもしれない。
今日は過去のいろいろな出来事を回想した。
楽しかったことや親しい友達と会った思い出をたまに取り出して大切に眺めている。
芸術作品や誰かの話から深すぎる衝撃を受けたとき、すぐに口に出すことはできなくて自分の中で考える。
即座の反応が求められる時代である。
手にした情報をすぐにスマホからシェアして、深く考えることを放棄しているような気がする。
私は、愚直に向き合うこと以外の方法を知らない。
*
家に帰ってきた。
言葉にしようとしては消し、言葉にしようとしては消していた。
隠す。
正直なところ何も気にせず、何の制約も設けず、自由に自分の気持ちに正直に生きたいと思う。
でも、そうしてもやっぱり生きにくさは消えないのだと思う。
私がそうであるようにあなたもそうであると思います。
他者との対話の中で、自分の中にある制約を消したり、増やしたりしながら生きている。
明日も、きっとそう。
*
折り返し地点に立つとき
自分は何を思っているのだろうか。
苦しくて仕方なくても、寝てしまえば朝が来る。
そうやって世界は回っている。
自分が孤独を感じたとき、誰かも同じ思いでいる。
焦って、立ち止まって
走って 走って 走って 辿り着いた場所で
心は叫びながら 静かに歩いているよ。
2023/03/13
S.Hanatsuki
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