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OMORIってどんなゲーム?【未プレイ向け】

 2022年6月17日(金)、ついに『OMORI』のSWITCH版が発売されました。

 そんな記念すべきタイミングを狙って「名前くらいしか聞いたことないんだよね」という方々に向けてゲームを紹介することでプレイヤーを増やしたいな、というのを狙ったのが本記事です。

 また、『OMORI』をオススメするネットの記事なんていくらでもあると思ったので、差別化として「未プレイの方のよくある質問」とかをいくつかまとめて、プレイ済みの私が答える、という「Q&A」みたいな方式で情報を提供していこうと思います。「みたいな」であって対話しているわけではない一人芝居です。

まえおき

 【未プレイ向け】に作成した記事ですので、物語の核心を突くようなネタバレは排しておりますが、ゲームを紹介する以上全く情報を出さないわけにもいきませんので、いくつかスクリーンショットなどを使用しています。

 万が一「まるで何も知らない状態からプレイしたい!」という方がいらっしゃれば、ブラウザバックしていただけると助かります。そのままハマってもらえるともっと助かります。

Q1.『OMORI』ってどんなゲームなの?

 主人公「オモリ」を操作して、ファンタジックな世界を冒険しながら、行方不明になった友達を探す、というのがこの物語のあらすじです。

ゲームのメニューにいるこの少年が「オモリ」くん
台詞はほとんどないけど、プレイするごとに理解が深まるとキャラです

 それで、ゲーム性についてざっくり概要を言えば「ホラー要素のあるJRPG」です。JRPGって何?って人は『ドラクエ』とか『FF』とかと同じ方向性のゲームなんだなぁと思ってください。

 『OMORI』自体は日本で生まれたゲームではありませんが、製作者側が日本のゲームから大きな影響を受けて作っています。そのため、私たち日本人にもかなりなじみやすいゲーム性になっていると思います。

ドットで描画されたマップの中、主人公を操作して探索
困っている人がいたら手伝ってあげる
エネミーと出会ったらコマンド選択式のターン制バトル!

 こんな風に「日本の一般的なゲーム」の基本を押さえているので、海外のゲームだからという理由で心配する必要は全然ないです。逆に「こういうゲームは趣味じゃないな…」という人はあまり向いてないと思います。

Q2.どんなところが面白いの?

 オーソドックスなRPGなことは分かったけど、じゃあどこが面白いのか、なんで人気があるのか、という所が気になるのは当然だと思います。

 おそらく一番人気なポイントは「ストーリー」でしょう。ただ、そのストーリーの面白さを訴えようとするとネタバレの壁が邪魔をしてきて上手く伝えづらいんですね。

 1つ言えるのは「ストーリーの核心についての情報の出し方が上手くて面白い」ということです。このゲームをプレイしていると「あの描写ってどういうことなんだろう」など疑問が湧く点が多いのですが、ゲーム側がそのヒントを少しずつ出してくれて、一種の推理的な楽しみを提供してくれます。

 その一方で、開示する情報の順番を操作することでプレイヤーに対してサプライズを仕掛けてくる場面もあり、制作者側にいいように感情を揺さぶられる体験もできます。

「情報の出し方」という点では、各種描写が主人公の主観なのも特徴!
はしごを調べたとき、まず「登りたくない理由」が出たりします

 また、秀逸なストーリーを特に支えてくれるのがアートワークと音楽です。ゲーム中では演出としてアニメーションが挿入されたり、戦闘中に派手なエフェクトが出たりとアートワークが大活躍。また、音楽は各場面ごとに考え抜かれたものが使われており、キャラクターの心情にあったものをピッタリ出してくれます。

 これらが1つの作品として綺麗にまとまっているので、クリア後は「よく出来たゲームだったなぁ」と終始関心していました。このような「ゲームとしての総合的な魅力」が分かりやすいのは下記のトレーラーかなぁ、と思ったので是非ご覧ください。

Q3.ホラー要素があるって聞いたけどどんな感じ?

 『OMORI』のことをホラーゲームだと思っている方がいらっしゃいますが誤解です。このゲームのホラー要素は全体の2割くらいです。

 そのため「今どき2Dのホラゲが評価高いなんて気になるじゃん!」と思っていらっしゃるホラゲファンの方の需要を満たすことはできないでしょう。

 ただし、「ちゃんとホラー要素はある」ので耐性があまりない方も注意した方がいいです。ゲーム開始時の注意書きには以下のようにあります。

注意
このゲームにはうつ秒・不安神経症・自殺の描写、
及び、映像が激しく点滅する演出が含まれます。
苦手な方・光過敏性発作の恐れがある方はプレイをお控えください。

 また、ホラーにつきものの「グロテスク描写」についても多少あります。ただし基本的にリアル調ではなくドットで表現しているので、そこまでキツいものはなかったかなぁと。こればかりはプレイヤーそれぞれですが。

 ただ、本作におけるホラー描写については「プレイヤーを怖がらせるため」というよりは「主人公の感じる恐怖を味わって、共感してもらうため」にあったように思います。なので、どうしてこんな演出がされているのかなどを考えながらプレイしていただきたいです。

Q4.未プレイだけど好きな実況者さんの動画見てもいい?

 割と見る話ですね。ネタバレ厳禁とは言われてもどんなゲームか掴んでから購入を検討したい、という理由で実況を見たいのであれば問題ないと思います。

 しかしながら、本作は「ストーリーの核心」を知っているかどうかでゲーム全体の見方がガラリと変わる作品なため、そのゲーム体験を他者にゆだねてしまうのは勿体ないところです。なので、見るなら序盤のちょっとだけがいいと思います。

初見だとどこまでが序盤だかわからない!って人は
最初のマップ「ヒロビロ森」の探索終了までを目安にするといいですよ

 そもそも『OMORI』はとても凝った作りのために本筋以外に多くのイベントが存在している作品で、ストーリーのスムーズな進行が求められる「実況プレイ」とはやや相性が悪い印象があります。せっかくの要素の取りこぼしが多くなってしまうんですね。

 半面、ストーリーに対する反応は人それぞれなのでいろいろ楽しめると思います。なので、1度プレイしてから実況を追った方が楽しめるんじゃないかな、というのが私個人の見解になります。

Q5.プレイ前に知っておいた方がいい知識ってある?

 ネタバレを避けることが大切!と言い続けている『OMORI』ですが、例外的に知った方が作品への理解が深まる部分もあります。それが、海外の文化についての知識です。

 本作はあくまでアメリカのゲームなので、私たちには知られていない文化についての描写がいくつも存在します。それらすべてを理解している必要は当然ありませんが、知っているとよりゲームを楽しめるかと思われます。

 個人的には2つほど「知っておくとお得」だと思う知識がありまして、その1が「ペットロック」です。1970年代のアメリカで流行したもので、ただの石をペットとして販売したものです。購入者はそのお世話をしたり、餌(?)をあげたりして可愛がるわけです。

 『UNDERTALE』でも描写があったりと、結構有名な話みたいなんですが、日本人的にはなじみが薄い存在だと思います。『OMORI』ではこれをモチーフにしたものがいくつか出てくるのでこの背景を知っているだけで少し面白くなると思います。

 知っておくとお得な知識その2は「ハングマン」です。ハングマンは英語圏の国で主に子供が遊ぶゲームです。ルールはちょっとややこしいですが「出題者側が1つの英単語を控えておき、回答者側が1文字ずつアルファベットを宣言し、英単語を言い当てられるか」というのを競います。

 英単語内に無いアルファベットの宣言がなされたとき、出題者側は用意した紙に1回線を引く権利を得ます。そして線を増やした結果、「絞首台につるされた人」の絵を完成させた場合、出題者側は勝利を得られます。

 『OMORI』作中で出てくるハングマンは原典とは少し異なって英単語が英文に変わっていたりとアレンジがありますが、「なんか急に物騒なゲームが出た」という訳ではなく元ネタからこうだということを頭に留めておいてください。

Q6.詳しい情報を知りたいから公式サイトとか行っていい?

 やめといた方がいいです。

 『OMORI』のネタバレ要素を食らわない自衛策の第1位が「公式サイトと公式Twitterを見ない事」というのは有名な話です。これらの2つは公式でありながらもゲームクリア済みのプレイヤー向けのイラスト公開などを積極的に行っているので、高確率でネタバレを踏むことになります。まぁファン向けのアイテムの販売とかがあるので仕方ないんですが…

 じゃあ何見ればいいんだ!って人向けにいくつかの有名どころのサイトについて「どのくらいネタバレがあるか」とかを紹介させていただきます。

1.「Hello! インディー」での特集記事

 こちらは任天堂が出しているインディーゲームの紹介記事です。かなりネタバレに配慮した結果、ゲーム冒頭のスクリーンショットがある程度置いてあるだけなので安全です。逆に言えば、得られる情報も少ないですね…

2.ピクシブ百科事典の記事

 ゲームについての話と言ったら百科事典だ!という人もいるかと思われますが、ここはネタバレへの配慮がやや薄いです。プレイ前に知らないキャラクターの名前を知る可能性がとても高く、未プレイの方にはあまり向きません。普通に本編後のイラストが記事内に乗ってるレベル。

 そもそもピクシブ自体が「OMORIクリアしたからファンアート描いたぞ!」みたいな人が集まっている場所なので、この記事自体はあくまでそういう人たちのための場所だと思った方がいいです。

3.ニコニコ大百科の記事

 ピクシブと対になるレベルでサブカルチャーの知識が詰まっているところと言ったらニコニコ大百科ですね。ここは思ったよりネタバレへの配慮が強いです。ゲーム概要や登場人物などはすっきりまとまっていて、核心を突くような内容についてはスクロールしないと見れないようにしたり、文字を白くして反転しないと読めないように隠してあったりします。

 ただし、関連項目にはいくつかキャラクターの名前が載っているため一応注意。また、記事の最後の方にある掲示板はクリア後のプレイヤーがよく意見交換しているので、こちらは絶対に覗かないよう気を付けてください。

EX.超個人的なオススメポイント

 最後にQ&Aを投げ出して、私の「超個人的なオススメポイント」を紹介します。それは音楽です!

 私自身、『OMORI』に興味を持ったのは使われているBGMをゲーム外で聴いて感銘を受けたからです。特に気に入ったのが「World's End Valentine」で、ゲーム内でも印象的な場面で使われるので是非ともプレイ中に聴いていただきたい曲です。どんな曲かは聴けばわかるので聴いてください!

おわりに

 『OMORI』は面白いゲームです。少なくとも筆者はそう思っています。反面、今回の紹介にもあるように「ゲーム性」や「ホラー要素」などから人を選ぶ作品でもあるのは間違いありません。そのため、できるだけ「合う人に『OMORI』を遊んでもらいたい」と思ってその辺の説明を重視しました。

 もし、この記事を見て「遊んでみてもいいかも」と思っていただけたら光栄です。ただし、純粋に楽しみたい場合は遊んでる最中に『OMORI』のことを調べてはいけません。「YouTube」はネタバレにすぐぶつかりますのでやめましょう。「Twitter」で#OMORIで検索をかけるのもやめましょう。

 その代わり、クリアしたら是非ネットに感想をぶつけていってください。ちゃんと「ネタバレあり!」と配慮した状態で。多分既プレイヤーの方があなたの感想を楽しみに待っています。もちろん、私もです。

 それでは、よき『OMORI』ライフを!

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