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注意できない部下

注意のできない部下がいました。
つまり、注意しようとすると、
猛反撃に出て、10倍くらい言い訳が返ってくる。
見るからに機嫌が悪くなる。

「ということは、〇〇はダメってことですね?」
「すると、もうこの件で私にできることはありません」
「その解釈は納得いきません」
「そんなつもりで言って(やって)いません」

そこまでいかなくても、明らかに機嫌の悪くなる人は多いです。

こっちとしても、機嫌の悪い顔は、できれば見たくないので、
ついつい、多少のことは何も言わない、となってしまいます。

でもそれでは仕事に支障をきたす場合も多々あり、
師匠に聞いてみました。


もちろん、仕事の上で注意すべきことは注意するべきだ、と言われました。
ただ、言い方が大切だと。

1.良いところを承認する、
2.ここさえ改善するともっと良くなることを伝える
3.他にもあるその人の長所を伝え、普段の協力にも感謝する、

いわゆるサンドイッチ法ですね。

やってみました。
でも例の部下は、2のところで明らかに顔いろを変えるのです。
身構えていることが、はっきりわかります。

身構えていることが、こっちにも伝染してしまうのです。

考えてみると、注意されるということは
誰しも、あまり愉快なことではないかもしれません。
しかし、注意してくれる人がいなくなると
自分がどれほど滑稽な間違いをしていても
気が付くきっかけが全くなくなる、ということ。

まさに裸の王様状態になるわけですよね。

考えたらこれは怖いことです。


そこで、コーチングの研修会をしました。
承認とフィードバックについて。
その部下も参加しました。

驚きましたが、
なんとその研修後、彼の態度が変化したのです。

うそ~~~!!
あれだけ困っていたのに、
こんな正攻法で改善するとは。

伝えたかったのは、

・フィードバックは曇りのない鏡となって相手を映し出すこと
・叱責やアドバイスと、フィードバックは違うこと
・フィードバックをもらってもすべて受け入れる必要のないこと
・受け入れるかどうかは、自分が最終的に決めるということ

この4点をいろいろ例をあげ、ロープレを取り入れ、
その研修で伝えました。

途中からその部下の顔色が変わりました。

フィードバックをくれた人には、自分がそう見えた、
でもそれはその人の、もしかしたら偏った見方かもしれない、
それなら、そのフィードバックは受け入れる必要がないかもしれない、
でも、自分でも、もしかしたらそうなのかも、と思えたら、
そのときは、受け入れようと決めればいい、

ひとつひとつに、頷く彼の顔が真剣でした。

そして、
本当に突如として、
その部下は、注意しやすい部下に変わったのです。

もちろん、彼のパフォーマンスはアップしました。

フィードバックを受け取るたびに、行動が改善されていき、
驚くほど表情も明るくなりました。


考えてみれば、
叱責やアドバイス以外に、
本当の意味でのフィードバックをこれまでもらったことがなかった、
フィードバックをもらうという練習など
これまで一度もしてこなかった、

つまり、受け取り方を知らなかっただけ、だったのです。


どんな仕事でも、フィードバックをもらうことは
とても大切なことです。
できるなら、その受け取り方を
練習できる場があるといいですね。

受け取り達人になると、一生の間で、
どれほど得をすることになるか、
考えてみると、これはすごい財産かもしれません。



あなたの元気ライフをサポートするコーチ:ふくたにそのこ

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