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大事な新聞記事

殺虫剤、医療用消毒薬を、父親が、週1以上使うと、生まれてくる子供の男女比が変わる?

これは、2019年のエコチル調査の発表です。


エコチル調査って、聞いたことがありますか?

環境省のHPより

2010年からスタートした、10万人の胎児の、出生前から出生後、12歳まで追跡調査するという世界的にも類を見ない、大規模調査です。
母親の食事を通して、どのような化学物質がへその緒を通って胎児に移行してるのか、それが出生後の子供にどのような影響を与えるのか、という壮大な調査なのですが、

今回の研究は、母親ではなく、父親。

しかも、大規模出生コホート研究で父親の化学物質への暴露が生まれてくる子供の性比と関連する可能性を示した世界で初めての研究です。

通常の子供の出産は男の子が51.1%と、やや女子より高くなります。ところが、殺虫剤を週に1回以上使った父親の子供は、男の子の率が44.5%まで下がったというのです。また、医療用消毒薬を週1回以上使った場合も、48.9%に下がりました。
(兵庫医科大学 エコチル調査兵庫ユニットセンターセンター長 島 正之)


これはどういうことでしょうか? どう思いますか? つまり、化学物質が男女差を決める遺伝子に何らかの影響を及ぼしている、ということですよね?


そもそも、エコチル調査がスタートしたのは、先天性異常、免疫異常、発達障害など、ここ十数年の間に子供たちに異変が起きている、そしてへその緒を通じて、150種類以上もの化学物質がすでに赤ちゃんに伝わり、影響を与えているらしいことへの限りないグレーの疑いがきっかけだったのです。


環境省が850億も掛けて15年という長い期間、この調査をしようとした真意を想像すると、いよいよか、と思ったのが昨日のことのように思い出されます。


これは当時の新聞記事です。2009年ですね。

実はこれを見る前に、こんな新聞記事もスクラップしていました。
平成年ということは、つまり2000年ですね。

そして3年後にこの記事が。

なので、2010年からスタートした「エコチル調査」にはとても関心を寄せていました。

実際にスタートして環境省のWEBサイトを見たときは、感動しました。

本当に850億円かけて、やるんだ、
やっとやっと、環境省が化学物質と子どもの疾病の関係を明らかにする調査に乗り出したんだ!!

水銀、鉛、カドミウムなどの重金属、
PCBやダイオキシン、
内分泌撹乱物質、農薬、ベンゼン、トルエンなど
150種類以上の化学物質濃度を測定し、

こういった物質が、
・低体重、
・ダウン症など先天性異常
・性別比率、性分化異常
・自閉症や学習障害
・アトピー、小児ぜんそくなど免疫異常
・肥満、糖尿病などの代謝異常
・内分泌系異常

にどういう影響を与えているか、という長期にわたる、850億円という予算の徹底した調査が始まる!と、ドキドキしたのをよく覚えています。

そしてこの免疫異常、代謝異常、内分泌系異常は、よく考えてみると子どもだけの問題じゃないんです。日本人全体が関係ある疾患なのです。エコチル調査、という名前には、なっていますが、この調査は日本人全体に関わる調査なんだ、と直感的に感じました。

今、すでに驚くほどの研究成果が発表されています。

12歳までの調査だったのを、今、15歳までに延長するという話も出てきます。

私たちが便利だと使ってきた化学物質が、国が安全だと言い続けた化学物質が、人類にどのような影響を与えてきたのか、しっかり研究成果を出してほしいものだと切に願っています。

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