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「あきたこまち」が消える日?

「被ばくジャガイモ」って聞いたことありますか?
正式名称は「芽どめじゃがいも」です。


芽どめジャガイモをはじめて知った頃

ジャガイモの芽が出ないようにコバルト照射されたジャガイモのことです。

平成4年ごろ環境汚染関連の勉強会で初めて知った言葉でした。
ジャガイモの芽には毒性があるので発芽してしまうと商品価値がなくなる、春先の端境期に、保存しても発芽しない照射ジャガイモを出荷する目的で、1974年に国の補助事業として北海道士幌町に食品照射施設・アイソトープ照射センターが作られました。大きな体育館のようなところに、滑車に乗ったじゃがいもが次々運ばれ、コバルト照射されるのです。
世界で初めて、コバルトで発芽阻止した照射ジャガイモの出荷が日本でスタートしました。

今日まで50年間、この照射センターは動き続けてきたのです。

今年いつのまにか照射施設が消えた

ところが、今年8月この照射施設が解体中だとツイッターに出ました。
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今年、照射ジャガイモがなかった、
調べてみたら士幌町農協の照射施設が
解体中だった、50年続いたが終わった。
農協は施設の「老朽化」というが、
あまりに素早い解体で、
地元の住民も知らなかった。
(里見宏 2023年8月3日)
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照射食品反対連絡会が、2022年も、芽止めジャガイモの販売中止要望を各地のスーパー等に出しているので、少なくとも2021年11月から2022年1月まで、照射ジャガイモは販売されていたことがわかっています。今年になって何故、急に国内で唯一の照射施設が解体??
そして突然、芽止めジャガイモの販売が終わった?


不思議です。

もちろんこの50年間、市民・消費者・農業者・科学者等の粘り強い反対運動があったことは事実で、国は当初、玉ねぎ、米、小麦なども照射の対象候補としていたそうですが、ジャガイモだけ、と決まったのはこの大きな反対運動のお陰だそうです。

ただ、気になるのは、芽止めじゃがいもはなくなったけれど、裏で進んでいる「ゲノム編集食品」です。農水省は、食中毒のリスクを低減したジャガイモ、と上げています。つまりゲノム編集の方が、放射能照射するよりも、簡単で安価だ、という判断でしょうか。

照射ジャガイモからゲノム編集ジャガイモへ?

原子力の平和利用

「原子力の平和利用」の農業利用はこの「食品照射」と、もうひとつ「放射線育種」という技術を
産みました。
「食品照射」はどうやら今年、幕を閉じることになったようですが、問題は「放射線育種」の方です。

今、この問題も大きく変わろうとしています。

放射線育種の変化

放射線育種とは、植物の種にガンマ線を当てて、突然変異を起こさせ、新しい色の花や糖度の高い果物や、つまり新品種を作る方法で、1950年頃から実際に使われてきました。
その「ガンマーフィールド」という屋外放射線育種場も今年3月で廃止されています。

そして、より強烈にピンポイントで遺伝子を破壊する「重イオンビーム加速器」の利用へと変化しているのです。
すでにこの技術で、コシヒカリ環1号というカドミウムを吸収しない品種が生まれています。

カドミウム米の問題から生まれたコシヒカリ環1号

カドミウムは、イタイイタイ病や、カドミウム米でお馴染みですよね。
今も、日本の土壌にカドミウムはたくさんあり、日本全体の3%くらいの水田で基準値以上のカドミウム米ができています。これまで政府が買い取って来ましたが、2004年に買い取り中止になり、現在は地方自治体が買い取りしているようです。

さて、そのカドミウムを土壌から吸収しない品種として生まれたのが、コシヒカリ環1号です。
これはカドミウムを吸収する遺伝子を、放射線で壊して生まれた品種です。

遺伝子の役目はひとつじゃない

ところが、今、遺伝子とは一つの役割ではなく、いくつかの役割を持っているらしいことがわかってきました。この壊した遺伝子は、マンガンを吸い上げる役目も持っていたのです。カドミウムと同時にマンガンも吸い上げられなくなり、それが原因でゴマ葉枯病という病気にかかりやすくなったそうです。

遺伝子を壊す、という手段がいかに複雑な問題を抱えているか、このことだけでもわかる気がします。


秋田県で今、起きていること

そして今年、このコシヒカリ環1号と交配させた「あきたこまちR」が作られ、2025年より、これまでの「あきたこまち」をすべて「あきたこまちR」に変える計画がすでに決定されているそうです。


今いったい、何が起きているのか、


「食」という私たちの健康に直結する、大切で大きな問題、
何故こんな大きな問題がほとんど、メディアで放送されないのか、知れば愕然とすることばかりです。


今回、参考にさせていただいたのは、

・OKシードプロジェクトのページ、
・うむ農園さんのYouTube動画、
・照射食品反対連絡会のページ、
・秋田県公式サイト「美の国あきたネット」
・遺伝子組換え研究センター
・里見宏さんのツイッター、
・NPO法人民間稲作研究所のYouTube動画、など

興味ある方は、
どうぞ、ご自分の目で見てください。


まず知ることが大切です。
情報は鵜呑みにしないでください。様々な方面からの情報を取る必要があります。

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