コーラより牛乳!!
コーラを買うより絶対に牛乳!と思い込んでいた時期があります。
同じお金を出して買うなら、少しでも体に良いもの、栄養になるものと思いはじめたのは、家を出て一人暮らしをするようになってからです。
わずかな仕送りの生活費をどう有効に使うか、という経済観念が生まれたからでしょう。
なぜ牛乳の栄養価が高いと信じていたのか、
もちろん、そう教えられてきたからです。
小学校の時も、中学の時も、大人になってからも。
あ、皆さんはどう思っていますか?
比較的最近になってから、牛乳は良くない、という説があちらこちらで聞かれるようになりましたね。なんだか裏切られたような気がしたのを覚えています。
■『なぜ村は集団検診をやめたか』網野晧之著 1992年初本
今日取り上げたいのはこの本。
■概要
1989年、長野県泰阜村で胃の集団検診を廃止した医師、網野晧之氏が、廃止に対しての批判に答えて自費出版したもの。
胃の集団検診に来た人の中から、がんによる死亡例が3年続けて出たことに疑問をいだき、調べ、そして検診に科学的根拠の無いことに気づき、おかしいことは止める、と決めた経緯をとても理論的に書いたものです。
がん検診による見落としは、発見の6倍にものぼる、という事実が研究により判明したのです。
■私の驚き
今から30年以上も昔の話です。
その後、泰阜村のがんによる死亡率は、逆に下がっているのだそうです。
泰阜村は検診しなくなって浮いたお金を福祉に回しました。
網野氏の書かれた、2年後の1994年に、近藤誠氏が「それでもがん検診うけますか」という本を書いています。
そして2017年、やっぱり「がん検診」を受けなくていい理由という記事が文春オンラインに出ました。そこには、海外の大掛かりな調査ファクトボックスのデータがありました。
がん検診を受けたグループと受けなかったグループでは罹患率も、死亡率もなんら差がなかった
という衝撃的なデータでした。
あなたはどう思いますか?
がん検診は50%受診を目標に、と厚労省は言い続けています。
「早期発見・早期治療」を今も声高にいい続けています。
海外では、胃がん、肺がんの検診を行っている国はありません。
ご存知でしたか?
1990年に出たチェコリポートに興味深い報告があります。
肺がん検診を受けた人が、受けなかった人に比べて、
1.31倍の発症、
1.36倍の死亡
つまり、肺がん検診を受けた方が
肺がんになり、死亡するリスクが高かったというリポートでした。
また、2004年、イギリスの「ランセット」という医学雑誌に
日本では、がん患者の4.4%が
CTやエックス線の影響で
がんになっている、という論文が発表されたそうです。
もちろん、厚労省や日本対がん協会などは、がん検診はがん死亡を下げる有効な手段だと述べています。
いったいどちらが本当なのでしょうか?
今でも私はつい牛乳を買ってしまいます。でも学生時代のように体に良いから、という理由ではありません。良いか悪いかわからないけど、ほかに飲みたいものがないし、ま、たまにはいいか、という感じです。もちろん、夜なら当然「酒」ですが・・・・(*^^*)
網野医師のこの本は私たちに「自分の頭で考える」ことの大切さを教えてくれています。
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