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「なぜ」という疑問詞の持つ力

「なぜ」は危険な疑問詞

なぜ、どうして、という疑問詞をなかなか口にできないという人がいます。

この疑問詞は、相手の中に深く入ってしまうかもしれない、いわば危険な疑問詞です。

でもちょっと考えてみて、
子供のころはよく使ってませんでしたか?

どうして今、ご飯食べなきゃいけないの?
なぜこのお箸だけ色が違うの?
なぜ右手で持たなきゃいけないの?

子供の「なぜ」は好奇心が生む

子供の「なぜ」はいつも好奇心が山ほどつまっています。
3〜4歳の子供は、こちらが答えるのにうんざりするほど「なぜなぜ」と1日中口にしています。

そして、そのたくさんの「なぜ」に、もしかしたら毎回、
「なんで、でも!!」とか「うるさいなぁ」などと言われてきたのかもしれません。

なぜと聞くと相手が困る、だから、なぜと聞いてはいけない、
そんな経験をたくさんしてきたのかもしれません。


本当は不思議な力を持つ「なぜ」

でも実は、この「なぜ」は魔法です。

1.なぜ+否定語(または良くないこと)

これはサポートスキルでは禁句とされています。

どうして、遅刻したんだ?
なぜ、昨日やらなかったの?
なぜ、できなかったの?

これらの言葉は質問の形は取っているけれど、実際には相手を責めている言葉だからです。

「何べん言うたらわかるんや?」 と同じですね。
これも質問ではなく、罵倒しているわけで、これに対して
「そうですね、20回くらい」
などと答えようものなら、相手の怒りに油を注ぐようなものでしょう。

なぜ+否定形は、相手に言い訳をさせたり、責められていると感じ心をダウンさせるわけで、相手をサポートしたい時は禁句だと言われている所以です。


2.なぜ+肯定形(または良いこと)

ところが逆に、なぜ+肯定形(または良いこと)には驚くほどの力があります。

なぜ、こんなにうまくいったの?
なぜ、難関の大学に合格できたの?
なぜ、そんなに頑張ることができたの?

これらの「なぜ」はもしかして相手をワクワクさせるかもしれません。
自分でも気づかなかった成功の要因に、気づくことができるかもしれません。
気づいてそれに答えた時、つまり言語化された時、それはその方の大切なひとつの財産になっていく可能性もあります。

なぜ、あなたはこの仕事が好きなの?
なぜ、こっちを選んだの?
なぜ、そんな気持ちになったんだと思う?

これらの「なぜ」はもしかしたら、自己理解を深めるきっかけになるかもしれません。
自分では当たり前だと思っていたことが、当たり前じゃなくて自分の強みだったり個性だったり、スペシャルなことだと気づけるかもしれません。

なぜ、あなたは私と話しているの?
なぜ、あなたは私と出会ったの?
なぜ、あなたは私を選んだの?

この「なぜ」は、とっても聞くのが怖い質問かもしれません。
でも、率直に質問して相手に届けば、もしかしたら相手も率直な正直な返事を返してくれるかもしれないし、それによって相手をより深く知ることができるかもしれません。

その時、何が起きるか、想像してみるとドキドキしませんか?

勇気を出して「なぜ」を聞くことで、新たな展開、新たな関係が生み出されることがあります。


サポートするには技術が必要


誰かを応援したい、誰かを守りたい、誰かをサポートしたい
その思いは両手にあまるほどあるのに、でもうまく行かない。
いつもその思いは届かない、
そんな気持ちになることはないですか?

私はずっとそう感じてきました。

でも、これって技術が無かっただけなんだ、
そうかぁ、サポートするための技術が必要なんだ、と、わかって気持ちがスーッと楽になりました。

車の運転も技術を学び、そして練習する、そして運転できるようになる、
人を上手にサポートするにも、言葉という技術が必要なんです。
真心だけでは駄目なんです。

「なぜ、やろうとしなかったんだ?」と言ってるかぎり、あなたの思いは届かない。
そんな簡単なこと、でも、難しい「ことば」の力。

一緒に学んでみませんか?


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