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プライマリ・ケアって何のこっちゃ

プライマリ・ケアへの対応強化
2019年の「骨太の方針」で 明記されています。
といっても一般人からしたら、それって何のこっちゃ?というレベルの話です。
 
プライマリ・ケアとは、簡単に言えば、身近にあってなんでも診てくれる総合的な医療、という意味。
 治療の入り口みたいなものですね。
 
かかりつけのお医者さんで何科のことでも一通り相談できる、という、昔はそんなお医者さんがいましたよね。
しかし、今、どんどん専門化していき「自分の科以外のことはわかりません」という医師が増えていると思いませんか?
 
 
あなたは、どこか痛みが出た時、なにか体調に異常を感じる時、まず、どの病院に行くべ きかで悩んだことはありませんか?
内科? 呼吸器科? 胃腸科?それとも脳神経か?
 
受診する科にも悩むし、どの医院にするか、病院にするか、でも悩みます。
 
痛いとか苦しいとか肉体的な問題だけではなく「不安」という心の 問題も同時に起こっている、
 一体、これは何だろう?
がん?それとも・・・・・・と、想像は悪い方へ悪いほうへと彷徨い始めたりもします。
 
 
そういう人たちへの対応がプライマリ・ケア、つまり「心身ともに、全体として見てくれる医療」と言うことになっているのですが、残念ながら、日本プライマリ・ケア連合学会が認定するプライマリ・ケアの専門医は、2020年からできた制度で、全国にやっと、386名(2021年4月現在)です。
 
また、日本専門医機構が認定する「専門医」に「総合診療」が加わり、「総合診療専門医」の認定試験がようやく2021年9月に、初めて行われ、その「総合診療専門医」がプライマリ・ケアを担う、ということになっています。
 
 これは小児科や救急医療などを含めて3~4年の幅広い研修が必要だとされています。
 
 現状では数ある選択肢の中 から「総合診療専門医」を選ぶ若手医師は少ないと言います。
 毎年9000人いる研修生の中で「総合診療」を専攻するのは、わずか約200人。
 内科の3000人と比べて、溜息が出るほど少ないのが現状なんですね・・・・。
 
 
 
さて 、海外ではどうなっているのでしょうか?
 
イギリスではジェネラル・プラクティショナー(GP)と呼ばれる医師が3万人ほどいます。
家庭医として、どんな症状にも相談に応じます。その上で必要とあれば、専門の病院を紹介してもらう、という構図になっています。もちろんイギリスの医療が「かかりつけ医」制度がベースにある、というのもGPが多く必要となる原因でもあります。
 
 
アメリ カでは、総合医療医はホスピタリストと呼ばれ、ここ20年間で、数百人から5万人以上に増えています。患者の満足度や再入院率を維持したまま、入院期間や死亡率を減らす効果が認められているそうです。(日経新聞2021年4月25日付より)
 
 
 
日本では、医療が専門性を高め、クスリも治療法も、難病や重病へ焦点を当て、一般人との溝がどんどん深くなり、それでなくても、健康リテラシーの低い一般市民は不安に右往左往しているのが今のウィズコロナ時代なのかもしれません。
 
 
日本のプライマリ・ケアが充実してくるのを待っているだけではいつのことやら・・・です。
 
 
【自分の主治医は自分】
 
自分の体、健康に自分がハンドルの握る、主体的に関わる、そういう意識を持つ人が少しでも増えたら、と 願わずにいられません。実際、自分が治せない病気を、他人である医師が治してくれると期待するのは、考えてみれば変な話です。

それは紀元前の医師、ヒポクラテスがすでに言っています。

「人は誰しも体の中に100人の名医を持っている」
「病気は人間が自らの力をもって自然に治すものであり、医者はこれを手助けするものである」

ガン治療を全くせずに、自然死(?)された中村仁一医師も、本にこう書いていました。

「病気もケガも本人の自然治癒力が治す」
「本人が治せないものを、他人である医者が治せるわけがない」
「医療は限定利用を心がける」

こんなお医者さんが、近くにいてほしかったな、と思います。


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