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「弱さ」とどう付き合うのか

アスリートたちがメンタルコーチを雇う意味とは?

答え:何がなんでも、絶対必要だからです。

大阪なおみ選手が全仏オープンの試合後の記者会見を拒否したことは、かなり、物議をかもしましたね・・・「メディア対応 もプロの義務」と、かなり激しい非難を受けました。

しかし、その後の女子シングルスを棄権し、自ら、ツイッターなどで、「うつ」で苦しんできたことを告白したことから、特に海外では擁護する声が増えました。

実際に、トップアスリートの中に心の病を持つものが多いことは、最近、いろいろなアスリートが自ら、情報発信しています。

2017年2月、『LIFEアンドレス・イニエスタ自伝』
世界最高のサッカー選手の一人です。
この本の中で彼は、自分が過去に重いうつ状態だったと書いています。

2019年11月、『うつ白~そんな自分も好きになる~』
サンフレッチェ広島の選手だった双子の兄弟、森崎和幸、浩司の共著です。
彼らも、ふたりともが「うつ」を発症、そして練習場に通うことも、日常生活を送ることもままならない幾度もの心の病を発症。

日本のアスリートとしては始めての「うつ病」告白の書籍でした。

トップアスリートたちが心も体も強い、というのは、一般人が持つ幻想にすぎません。
国立精神・神経医療研究センターがラグビー選手におけるメンタルヘルスの実態を調査し、発表したのが、2021年2月のことです。

これまで日本ではスポーツ界でメンタルというと、どうしたらより強くなれるか、つまりメンタルタフネスという文脈でしか使われてこなかったと言われています。

しかし、メンタルでより強くなるためには、ベースとしてメンタルヘルスがあります。
つまり、健康でなければ強くもなれない・・・
しかし、アスリートたちのメンタルヘルスを真剣に考える指導者は、そんなに多くはなかったと言えます。

この調査で分かったことは、2.4人に1人が何等かのメンタル不調を経験、10人に1人がうつ・不安障害、13人に1人が希死念慮(死にたいと思う強い気持ち)ということでした。

「よわいはつよいプロジェクト」というものを起こし、多くのアスリートたちが自分の弱さを語っています。

そう言えば、つい最近もこんなニュースがありましたね。
飲酒、喫煙の発覚により体操女子の日本代表主将・宮田笙子(19)順天堂大がパリ五輪出場を辞退。
オリンピックを目の前にして、強いプレッシャーがあったと言っているそうです。


心の健康、それはまず自分の状態に気づき認めることから始まると私は思っています。
でも気づくこと、そして認めることはとっても難しい、怖いことです。
怖いと言えるためには、本人の勇気というより、環境が大きく影響します。

その辛い言葉を「聴く」人がいるかどうか、がとても大事なことなのです。

聴いてくれる人がいて初めて、人は、自分の弱さや辛さ、怖さを口にすることができます。
つまり、弱音を吐く、ということです。

弱音をきちんと吐けた人が、それを自ら乗り越えてゆくことができる。

本当は、アスリートでなくても、誰にでも「聴いてくれる人」が必要な時代なんじゃないか、
今はそんな時代なのじゃないか、と思っています。


あなたは、「弱さ」について、どんなふうに考えますか?

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