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20世紀型組織と21世紀型組織

全体の生活水準の底上げが目的となる時代は、大量生産・大量消費が美徳とされます。できるだけ多くの人に、必要最低限のものが行き渡るようにする必要があるからです。
いわゆる家電の三種の神器などはその最たるもので、「人並みに生活を送ること」が目標となります。

では、そのような時代に必要とされる人材とはどのような人物か。
これはいわゆるコピペ型人間で、与えられたものを短時間で正確に再現できる人物、ということになりますし、当然教育の方向性も短時間で再現する能力の有無を問われます(いわゆるペーパーテストで点数を取れる生徒が優秀、とされます)。

一方、全世界的にある程度生活水準が高まってくると、今度は生活の中身を個人の好みに合わせようとする動きが出てきます。
人並みに生活を送れるようになったら、今度は「個人としてのこだわりを満たしたい」という欲求が湧いてくる、というわけです。

当然、人それぞれ好みが分かれてきますから、大量生産ではその欲求を満たせません。そのような時代に求められる人物像は、当然、個人などの小さな対象の強い欲求、いわゆるニッチなところを攻められる人物ということになります(教育界における昨今の探究学習ブームはその辺りを突いていると考えられます)。

ところがこのニッチなところを攻めようと思ったら、個人の力では当然、すぐに限界がきます。個人で思いつくアイデアなんてものには限りがあるからです。

従って20世紀的な組織の長のように一から十まで自分で決断を下すワンマンな組織長では必然的に組織は時代に置いていかれます。様々な情報を仕入れて情報を元に大方針を決定して、細かな施策は部下に任せる、という組織長がこれからの時代に求められるのだと考えます。

私が敬愛するガンダムのシャア・アズナブルのセリフに「時代を作るのは老人ではない」というものがあるのですが、年齢はともかく、新しい感性を持つ人がますます社会で求められるのではないでしょうか。

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