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最初のペンギンになる話

X(旧twitter)でご質問をいただきましたのでちょっと書いてみようかと思い立ち、久々にnoteを開きました。

南極の氷の上に住んでいるペンギンの群れは、食事をするために餌(魚)を獲りに氷の下に飛び込まねばなりません。
しかし水族館の水槽とは違い、氷の下にはシャチやらアザラシやらペンギンを捕食する恐ろしい生き物がたくさんいます。

餌は食べたいが、自分が食べられるのは恐ろしい、といつまでも氷の上にとどまっていては群れは飢え死にをします。

そんなとき、群れの中から1羽のペンギンが躍り出て、氷の海の中に飛び込みます。これは別に役回りなどではなく、1羽のペンギンにふと勇気が湧き(もしかしたらお腹が空きすぎて耐えられなくなっただけかもしれませんが…)、このような行動に出るのだそうです。
そのペンギンの無事を確認して、他のペンギンたちも次々と海に飛び込み、群れの危機は回避されます。

もちろん最初に飛び込んだペンギンは恐ろしい捕食者の餌食となるかもしれない。それでも群れの行き詰まった事態を打開する、勇気あるこのペンギンを「最初のペンギン」と呼びます。

安全かどうかが分からないのに、どうして飛び込めるのか。それはもはや直感やヤマ勘と言われるレベルの感覚的なものに拠るのだと思います。
(直感やヤマ勘の磨き方は私なりに思うところもあるのでまた別のテキストに)

恋愛とか他人との交際とか、中高生であれば進路とか、サドマゾ/ドミサブ界隈であれば、この人をパートナーとしていいのか、とか、長い人生において「確実なもの」の保証がない中で、しかしその場で立ち止まっていては行き詰まってしまう局面というのが確実にあります。その局面を打開するためには、不確実性の中に飛び込むことも必要です。
それが自分や群れの運命を切り開くことに繫がるのです。

何だ、結局直感を信じろって話か?と思われた方もいらっしゃるでしょうが、研ぎ澄まされた直感は、案外馬鹿にならないものです。

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