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【IIDX】「癖」について考える・続2

本テーマについてのこれまでの記事

【IIDX】「癖」について考える (初回はこちら)
【IIDX】「癖」について考える・続 (前回はこちら)


 はい。
 ということで前回、前々回に引き続き本テーマについて書いていきます。
今回は「癖」に対してどういう付き合い方をするかのお話をしたいと思います。
 あれこれ書いていたらまあまあ長くなってしまいました。

前回のおさらい(もとい本テーマの再認識)

 前回の記事にて本noteではIIDXにおける癖を以下のように定義しました。

  1. 手癖

  2. 認識の癖

  3. 処理(1+2)の癖

 前回の記事で既に説明しているため詳しくはここでは書きませんが、基本的には1と2が一般的に起こりうる癖で、3については若干個人的な経験を含んだ癖になっていると思っていただければOKです。
 いずれにせよ、今回の記事では上記の癖(特に1と2)への対策を書いていこうと思います。

手癖への対策

運指改善

 手癖を封じ込めるという点では、一番手っ取り早く且つ有効だと思われる手段はやはり「運指の改善・改良」でしょう。
 これは他のジャンルの競技でもフォームの改善は有効な手段ですし比較的理にかなった方法だと考えています。
 実際、筆者も長らく対象固定、3:5半固定を主体に使っていましたが、復帰前後から1048式とSaryou式を習得してからはスコアの安定性やクリア力は割と劇的に改善しています。特に軸系への手癖が酷い時期があったためかなり封じ込めに成功したと思われます。(多分)

 今の環境で言うならLMの録画機能や旧筐体でもサービスで設置している録画機があればそれらを使って現状の運指を確認することから始めましょう。手元カメラはONで。(まあRESIDENTだと旧筐体はカメラが……)
 次に、現在対応している運指の弱点を把握するのが重要です。具体的には、ミスが頻発する傾向にある譜面パターンや突発的にスコアが出にくくなる傾向にある譜面パターンを見つけることで、その時に対応している運指が本当は正しく機能していないという可能性を探ることが重要になります。
 ちなみにこの辺は録画機能のほかプレーアナライズを使用するとグラフィカルに可視化できるのでお勧めです。(場所についてはややアバウトになりますが録画機能とセットで把握すると精度が上がるかと)

この対策のメリット/デメリット

 まずはメリットから挙げていきます。

  • 根本的な操作の見直しなので定着すると効果が一気に出る

  • 上手く行けばより上位の譜面にも卒なく対応できるようになる

 次にデメリットを挙げます。

  • 定着までに時間がかかるのとその間自己ベスト更新などは中々狙えないのでもどかしく感じる可能性がある

  • 最悪の場合運指が崩壊してスランプに陥るリスクがある


認識への対策①

譜面確認/譜面研究

 譜面確認/譜面研究というと基本的なことかと思いますが実際結構重要なので是非実施してください。
 個人的に皿曲の暗記(枚数とか押し引きとか)に使われたりするイメージですが、実際は鍵盤側も配置やリズムの把握に十分役立ちます。実際のプレイ中は思った以上にテンパっててプレイしていない時よりも譜面の認識が雑になる傾向にあります。
 訓練を積めば当然そのギャップは解消されていきますが、慣れない内はプレイに精一杯になるのでまずは譜面がどうなっているかを確認することをお勧めします。

 最近は色んな方法で譜面確認(YouTubeなどの動画サイト、ULTIMATE MOBILE、Textageなどの譜面確認サイト)ができるので自分に合った方法で確認をしてみましょう。
 特にTextageは任意の配置のRANDOMにも対応しているので(実用性があるかは別として)自分にとってやりやすいパターンを探すのにも役立てられます。
 ランダムレーンガチャなんてものもある時代なので実際悪くはないと思います。
(ランダム当たり待ちと同じなので抜本的な解決策とは言い難いのも事実なのですが……)

この対策のメリット/デメリット

 まずはメリットから挙げていきます。

  • 実プレイに頼らないぶん費用を掛けずに効果を出せる

  • 実プレイ時にはわからなかった譜面の特徴などを理解できる

 次にデメリットを挙げます。

  • 理解や解釈を間違えたりすると結局効果が出ない

  • 実プレイを経て初めて効果を発揮するのでこれだけで伸びるというわけではない(実際にプレイしなくて良いということはない)


認識への対策②

適切なスピード・判定位置調整

 文字通りですが、ハイスピード、SUDDEN+、LIFTなどの視覚的なスピードの調整と、判定の調整は日々意識するようにしてみてください。
 これも適当にやるよりは表示されている数字を突き詰める方が認識の癖を抜く上では重要になると思います。
 そもそも適切なスピードについてはどこかという話にはなりますが、概念図は以下の通りだと思ってください。

適切なハイスピの概念図(適当)
譜面画像はてふたげ様(https://textage.cc/)より拝借

 これを行う最大の目的は、「自身が問題なく視認して反応できて狙って光らせられる速度の限界域でプレイすることで余計な視覚情報をカットし単位時間あたりの脳の情報処理量を減らすこと」 になります。(概念図真ん中の状態=理想の状態)
 長ったらしく書いてしましましたが、要するに一番ストレス無く自然にプレイできる速度域を目指せば良いわけです。

 レーンを流れるノーツのスピードが速すぎると目で見て脳が認識・処理してアクションを起こす前に判定ラインを越えてしまいます。(概念図の右側の状態)
 逆に遅すぎると一度に目で見て判断する情報量が多すぎてリズムを脳が分解して認識できなくなるという問題が起きます。(概念図の左側の状態)
(一般的に前者はSLOWに寄って、後者はFASTに寄る傾向にあります)

 尚、FAST/SLOWの配分については諸説あるのですが、個人的にはFASTにやや寄っている方が理に適っていて、何故かというと、反射神経を上回って対応出来なくなるSLOWより対応出来る範囲内でアジャストが苦しいFASTの方が比較的コントロール可能だからです。
 よってこの両者の中間で丁度いい範囲を見つけるのが大事なのですが、こと現代のbeatmaniaにおいてはソフラン対策が広く知れ渡っているのも踏まえて、原則的に自身が対応できる最高スピードを設定するのが無難になります。
 当然この対応の場合のデメリットは、ソフラン対策しない場合や対策自体が困難な譜面が登場してしまった場合、対応が難しくなるということです。
とは言え、基本的にはソフラン対策をした方がクリアは早いですし、平均的なスコアやアリーナモードの打点も上がると思います。
(フルコン狙うとまた別の練習とか対策が必要になるんですけど)

 ちなみに経験や訓練次第では、スピードオーバーしてもスピードが遅すぎても対応できなくはないです。一番手っ取り早いのは譜面を覚えるパターンですね。
 CS6th Styleの達人ムービーに出演したLISU氏がこの方法で高スコアを出していたランカーだったと言われているので完全に無理筋というわけでもないです。
(相当に訓練を積まないと難しいのは言うまでもないのですが)


この対策のメリット/デメリット

 まずはメリットから挙げていきます。

  • ベターな速度が見いだせれば素早く効果が出せる

  • クリア重視、スコア重視という使い分けもできなくはない

 次にデメリットを挙げます。

  • 常々変化していくかも知れないし永遠に最適解が見つからないかも知れないので常に意識する必要がある

  • 基本的に最高速度に判定をアジャストするので対策無しだとソフランに弱くなる


実践練習

下の難易度を丁寧にこなす練習

 個人的には前述の3つがある程度確立した後は実プレイの成果に反映することをお勧めします。
 ここではクリアがめいっぱいの難易度をやり込むことより落ち着いてクリアできる難易度帯を丁寧にプレイしてスコアを出す練習も重要だったりします。
 落ち着いてクリアできる難易度の譜面を丁寧にこなすことでめいっぱいでやってる時にはわからなかった自分の弱点を把握したり逆に得意なパターンを把握するのに役立ちます。
 最初の内はAAAを狙うとかでも良いですが、MAX-を狙うようにできると尚良いと思います。(特に伝位の人は意識してみましょう)

 注意点としてはあまりにも低すぎる難易度帯を選んで練習しても大した効果が得られない可能性があるので手放しでフルコンできてしまうレベルよりは、頑張ればフルコンないしEXH出来そうor余裕をもってHARDクリアできるくらいの難易度を狙うのがおすすめです。
 段位別では下記の難易度帯の平均(全部じゃなくてもいいですが)を目安に目指してみてください。

 全曲で平均が取れれば良いのですが色々大変なので100譜面くらいやってその平均が取れれば十分だと思います。このスコア帯が楽に出せるようになってきたらAAA+を92%以上にしてみるとか93%以上にしてみるとか、MAX-を95%にしてみるとか 96%にしてみるとか、徐々に上げていくのが良いと思います。

八段   Lv7前後の難易度でAAA+(目安は90%以上)
九段   Lv8前後の難易度でAAA+(目安は90%以上)
十段   Lv9前後の難易度でAAA+、Lv10でAAA-(目安は前者で90%以上、後者で86%以上)
中伝   Lv10でAAA+、Lv11でAA+、Lv6前後の難易度でMAX-(それぞれ90%以上、80%以上、94.5%以上)
皆伝   Lv11でAAA-、Lv10でAAA+、Lv8前後の難易度でMAX-(それぞれ86%以上、90%以上、94.5%以上)

ざっくり指標(個人差あり)

この対策のメリット/デメリット

 まずはメリットから挙げていきます。

  • 着実に効果を出せる

 次にデメリットを挙げます。

  • とにかく地道である

  • 特攻しない分ある程度発展途上の腕前で着手すると高難易度帯のスコアやクリアで伸び悩む可能性がある


余談

 特攻というキーワードが出たので念のためお話しておきます。
 いわゆるクリアできるかどうかで言うとクリアの可能性は0じゃないけど結構厳しい、もしくはほぼ0だけど部分的には対抗できるくらいの難易度帯へ果敢にチャレンジする「特攻」という行為ですが、適度な(どのくらい?)頻度であればやっておいた方が良いと思います。

 上記に書いたのが丁寧な動作を学ぶための基礎トレーニングだとすると、こっちは雑でも良いので限界値を伸ばすためのトレーニングになるので、特に七~九段くらい、場合によっては十段、中伝くらいの段位の人も時々手を出すのをお勧めします。
 というか多分特攻50:基礎練習50くらいでもいいです。伸びしろがある人はこの時期はとことん伸びるので。
 ただ、あまりにも頻度を多くし過ぎると色々問題を生じるので、ホントに一日の〆の2,3クレ前とかにやっておくか、程度の頻度にするのをお勧めします。たぶんこれはどのレベル帯の人でも。


実践しない練習

しばらく癖がついた譜面を避ける

 実践しない練習って何だよって話ですが、要するに放置効果狙いです。
 割と色んな人も実践したことがあるかと思いますが、思い切って癖がついたところをやらないという選択肢もあります。
 一見すると「何の解決策になるの?」と思われそうですが、無意識に身についてしまった習慣が癖、特に譜面研究や運指改善などの対策を取らずにがむしゃらに突っ込んでやり込んだ場合に起こる傾向があると考えられるので、一旦その癖が抜けるまでは特定の譜面をやらないことで癖が抜けるのを待つというのも一つの選択肢になるわけです。

 ただこの方法は一番オススメできなくて、よほどに他にやるべき課題や対応すべき課題がある場合を除いて、出来るだけ前述の4つに挙げたような方法で癖と付き合う習慣を身につけないと後々しんどいことになると思われます。
 理由としては、単純にこれをやること=苦手な譜面からバックレること自体が癖になってしまうからです。

この対策のメリット/デメリット

 まずはメリットから挙げていきます。

  • 上手く行けば一気に癖を無くすことができる

  • (他にやるべき課題があれば)時間を無駄にせずに済む

 次にデメリットを挙げます。

  • 必ずしも癖が抜けるとは限らないし悪化する可能性もあるし時間が掛かりすぎる場合もある

  • 苦手な物を避けるということ自体が癖となり得る


おわりに

 という具合に今回を含め3回にわたって癖について自分なりの考えを書いてみました。
 取り留めのない箇所もありますが、これからIIDXが上手くなりたい人たちに向けて、或いは(多分他の音ゲーでも結構有効なんじゃないかと思う節があるため)その他音ゲーの上達を目指す人たちに向けて何かしらの参考になればと思います。

 では。

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