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間取りの考え方~居心地よく過ごせる平屋

アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。

土曜日は毎週恒例『間取りの考え方』というテーマで私が考える間取りをご紹介しています。
近頃は忙しくしている事もありネタにできる間取りも減ってきたので『間取り相談』という名目でネタを募集しております。

本日は早速そちらの記事でコメントいただいた間取りについて書こうと思います。

コメントとヒアリング内容

今回コメントいただいたのは

こちらの方です。

最初にいただいたコメントは

自分の居心地のよいお家を建てたい。
平屋で1人でゆっくりいられる生活導線のスムーズなお家の間取り

『間取り相談』のゆりかさんのコメントより

でした。
ここでまず気になったのがゆりかさんの『居心地』がいいってなんだろうという事とそこに重点をおいて間取りを考える事にしました。

ということで引き続きヒアリングをさせていただくと
お仕事は在宅でされているようなので、家で仕事終わりの夜にゆっくりできる時間を過ごされるとの事でした。
仕事とゆっくりする時間との切り替えのできる間取りを考えてみようと思います。

またご希望は平屋なのと生活動線がスムーズな事、そして愛犬と暮らす家です。

平屋とマンション違い

常々考えていましたが同じワンフロアーでも平屋とマンションの違いってなんでしょう?

マンションは同じワンフロアーの間取りでも隣接する住戸があったり、2階以上で有る事で場所によっては窓や出入口をつくるのが難しい場合があります。

平屋はマンションと違い接する住戸が無いワンフロアーなので外周部分に窓を取ることができます。
その分セキュリティー面が心配になるという問題点もあります。

平屋は外とのつながり、開放的な分どうセキュリティー面を強化するかを考えながら間取りを考えようと思います。

間取り図

今回は間取り相談なので実際の土地がないので、サンプルの土地にはめてみました。

居心地よく過ごせる平屋の間取り図

参考土地面積:約65坪
建物床面積:約23坪

サンプルの土地なのでかなり大きいですが実際建てるとしたら容積率50%だとしても47坪ほどでも建築可能です。

間取りは主寝室とワークスペースと一体のLDKの1LDKです。
かなりゆったりした間取りになっています。

回遊できる生活動線

まず生活動線のスムーズという部分は回遊できる家事動線、生活動線を間取りに取り込みました。

回遊できる生活動線

まず緑の回遊できる動線が帰ってきて洗面所に直行、ウォークインクローゼットか洗濯室に荷物を置いてLDKへ。
逆に出かける時はウォークインクローゼットで身支度をして洗面所で身なりを整えて出かける事が出来ます。

次に青の回遊できる動線は洗濯家事動線です。
セキュリティー面を考えて洗濯物は室内干しできるように洗濯室をつくりました。
洗濯室に面した部分にウォークインクローゼットを造ることで洗濯動線が短くなります。

次は赤の回遊できる動線はキッチンです。
ご相談者様からL形キッチンがいいなという一言をいただいていたのでL型キッチンを採用しました。
L型キッチンの場合は間取りに余裕あるスペースがないとなかなか採用しないので狭小住宅を手掛ける事の多い私は実際にL型キッチンを採用したことはありません。

しかしL型キッチンを入れるならこうしたいという構想はずっとありましてその形がこちらです。

L型キッチン

程よくリビング&ダイニングから目隠しをしつつも回遊できる動線にする事で窮屈さを感じないように計画しました。

洗濯室とキッチンを近くする事で家事動線もさらによくなると思います。

様々なくつろぎスペース

今回間取りを作成するのにテーマにした『居心地』のいいの答えに様々なくろぎスペースを造ることにしました。

3種類のくろぎスペース

最初に思いついたのは『ヌック』でした。
『ヌック』とはこじんまりとした居心地のいい空間の事です。
最近図書館巡りをしていて図書館にも『ヌック』が造られていたのでこういう空間を住宅に取り入れてみたいと思いました。

ヌックのあるリビング

大きな窓に面したヌックは空を眺める事も出来ます。
外を眺めながら過ごすのもよし、読書のスペースにするのもよしです。

もう一つは屋外のくつろぎスペースです。
LDKからつながるウッドデッキは屋外のリビング&ダイニングになります。
もちろん周辺環境もよりますが、朝も夜も自分だけのカフェテラスになります。

ウッドデッキスペース

さいごにお食事くつろぎスペースです。
私もそうなのですが、気分や食べる物によって食事をする場所を変えるのは家の楽しみ方の一つです。
キッチンに面したカウンターは軽食用やバーカウンターにもなります。
来客を招いた時はダイニングテーブルで。
屋外のくつろぎスペースもお食事スペースにもなります。

ダイニングキッチン

今日はどこで食事しようかと考えるだけワクワクします。

区切りすぎないワークスペース

今回間取り全体で区切りすぎないように意識しました。
愛犬と一緒に暮らすならどこでも愛犬を感じていたいからです。

ワークスペースはLDKの一角を背の高い腰壁で区切るだけにしました。

ワークスペース

面する寝室とも室内窓とつながり愛犬がどこにいても様子がうかがえます。
詳しい職業をうかがっていなかったのですが、背面にはたっぷり納まる本棚も造りました。

防犯面に関して

出入りできる窓をウッドデッキに面している面以外は全て高窓の滑り出し窓にしました。
どこからでも出入りできるのは平屋のメリットですが防犯面のデメリットになるため出入りできる部分を限定ですることでセキュリティーを強化できればと思います。

さいごに

今回の間取りいかがでしたでしょうか?
個人的に書いていて楽しかったのは私が住みたい間取りだったからだと思います。
我が家は夫婦2人暮らしですが、こんな感じの1LDKなら十分だなと想像していました。

また間取りを書くあたってネタ提供の相談者さんがいるとやはり間取りを書くのも楽しいですね。
まだいただいているネタがありますので、少しづつ形にして記事にしていきたいと思います。

少し時間はかかりますが、まだまだ間取り相談も受け付けていますのでこちらの記事のコメント欄若しくはメールでご連絡ください。

お待ちしております。

マガジンのフォローもよろしくお願いいたします。

今週もありがとうございました。
来週もまたよろしくお願いいたします。

左巴建築設計事務所 さわ。

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