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間取りの考え方~3階建て狭小住宅のモデルハウス

アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。

昨年大阪府守口市にモデルハウスが完成しました。
ここは元々工務店が倉庫につかっていた土地で敷地面積も小さく、入る限りいっぱい入れてみました!という間取りです。
この間取りについて完成写真も交えて説明していこうと思います。

敷地条件

敷地面積:51.17㎡(約15坪)(後退後) 
建蔽率:60%
容積率:200%
接道が道路ではなく通路扱いの43条2項2号通路で道路後退有りでした。

43条2項2号通路とは

建築物は4m以上の道路に2m以上敷地が接していないと建てられないのですが、道路に変わる空地、通路として許可が下りた場合は建築可能になります。
今回の前面道路も道路ではなく周辺の土地が出し合いした通路でした。
幅員を4mになるように敷地を後退させて許可を得ましたので、建築可能になった敷地です。
この場合通路は建築基準法の道路と読み替えて法規に適合させます。

容積率

容積率が200%の地域ですが、用途地域が住宅系の地域の為
前面道路 × 0.4 =容積率
の方が不利になる場合そちらの容積率を採用する必要があります。
今回は通路が4mなので
4m × 0.4 =160%
の方が不利なので敷地に対して160%しか建てれません。

間取りが決まるまで

なんせ!敷地が狭い。
王道建売間取り4LDKまたは3LDKの間取りをはめる為の最低敷地面積は私の基準で60㎡は必要と考えています。
今回は敷地後退したことで60㎡を切ってしまったのでかなり敷地条件としては悪条件でした。
極めつけに前面通路幅員が4m。
容積率が160%になるだけではなく道路斜線も厳しいときたもんです。

最初は駐車場有で間取りを考えていたら2LDKぐらいにしかならなくて、さすがにモデルハウスで売るのに2LDKは・・・と言われました。
最終的に敷地の所在地が駅が4つの最寄り駅があり、うち2駅は徒歩約10分なので駐車場はなくてもいい!ということで3LDKを優先して間取りの作成を始めました。

間取りがこちら

3階建て狭小住宅3LDK

最終的に間取りをするのに厳しかった制限は容積率です。
この間取りの容積率は159.92%
かなりぎりぎりまで面積を確保しました。
次に厳しかったのが道路斜線です。
そちらは天空率を利用してクリアしました。

天空率を簡単に説明するのは難しいのですが・・・
道路斜線がクリアしていなくても、天空率とという考え方でクリアすれば適合建物になる!くらいに思ってもらえればと思います。
ただし、なんでもかんでも天空率でクリアするわけではありません。
条件によっては道路斜線の方が有利に働く場合もあります。

正直色々自分でもつっこみどころ満載ではあるのですが・・・
ここらで許してくださいと完成させた3LDKで軽自動車ならかろうじて停めれるよ!な間取りが完成しました。

外装内装仕上げ

間取りはいたって普通の3LDKなので、外装と内装に力をいれて仕上げました。
今回のコンセプトは黒グレー木の3色がテーマです。
まずは外装。

外観イメージパース

外壁にはニチハのCOOLシリーズを使いました。
この外壁がシンプルでいい!
これが実際建築されると

外観写真

こうなります。
外観に合わせて宅配ボックスの色もグレーと黒をチョイスしています。
隣地の空きがなくて給湯器が正面にきてしまったのは少し残念です。

内装もこの3色コンセプトで今回はレンタル家具も配置して撮影してもらいました。

LDK リビング側
LDK ダイニングキッチン側

アクセントクロスはTVボードの面に黒、キッチン側と天井をグレーにしました。
このグレーのクロスがペイント風でいい!!
自分が住むなら全部このグレーのクロスがいいです!と言ったらクロス屋さんにやめてと言われました。(めちゃくちゃ貼りにくいらしい・・・)

キッチン

キッチンカウンターの笠木は集成材を仕様。
同じ集成材でニッチも造りました。

キッチンカウンター ニッチ

全体的にクールな印象で仕上げました。

今回は価格を抑える為にも設備、内装共にほとんどが既製のメーカー品にしました。
メーカー品を使ってもこだわりの家づくりができるんだよっていうのが伝わるモデルハウスになればと思っています。

さいごに。

今月中に販売とオープンハウスを始める予定です。
関西近郊にお住まいの方はこちらのホームページよりお問合せいただければ現地を見ていただけます。
ビーンズホームお問合せホームページはこちら
是非お問合せください。

今日もここのモデルハウスで販売資料作成の打合せと現場撮影です。
では『いってきます』

左巴建築設計事務所 さわ。

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