間取りの考え方～3階建て狭小住宅

2021年11月27日 08:25

アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。

土曜日は恒例にしている『間取りの考え方』を書いていきます。

今回は今月に完成したモデルハウスになる建物の間取りについて書いていきます。

狭小で厳しい敷地条件

敷地面積　約５１㎡（約１５坪）
前面道路　43条2項2号道路（道路ではない通路に接道）

敷地面積は狭いし、前面道路は道路じゃないうえに４ｍ未満。
道路後退は発生するし、道路斜線も厳しくなるというかなり厳しい条件の敷地です。

元々倉庫が建っていたぐらい小さな敷地に家を建ててモデルハウスにして売ろうという企画でプランをすることになりました。

間取りはこちら

間取りはなるようにしかならないぐらい敷地にいっぱいの間取りを作成しました。（建ぺいいっぱい、斜線いっぱい）

間取りをした際に依頼されていた内容

販売前提のモデルハウスので部屋数をしっかりとる
とにかく敷地いっぱい建てる
最悪駐車場がなくてもいい

さらに私が注意した点は
部屋数だけに囚われず、生活するうえで狭いを感じない為に個々にしっかり収納を確保すること。

1階の間取り

まず1階の玄関を入って正面の収納はシューズクローク兼用で中は可動棚とハンガーパイプを設置しています。

1階の洋室は主寝室として小さいながらも収納をしっかりできるようにL型にパイプハンガーを設置したウォークインクローゼット造りました。
この部屋は主寝室として利用してもいいですし、最近自宅でエステサロンやネイルサロンを経営される人がいると思うのですがそういった自宅サロンにも使えるようにと考えました。

その場合は1階の洋室は玄関からすぐなので、2階、3階のプライベート空間として区切れて利用できるかなと思います。
狭くても住む人のやりたいを叶えれるような家にしたくて、そういった想定の間取りをしてみました。

洗面所にも小さいけどタオルや洋服を収納できる収納棚スペースを設けました。
とにかく、その部屋のものはその部屋に片付ける！
狭い家を散らかさない為のしっかり収納です。

2階の間取り

2階はワンフロアーすべてLDK。
マックス取れて約14畳だったのでこの選択肢しかなかったです。
今回階段も通常の建売などより短く設計しています。
とにかく廊下、階段などの共有スペースに面積をとられたくないから。
その為、建具を付けるスペースが限られています。
開き扉にしてもいいけどそれも圧迫しそうなので、階段上り口、登り口兼用の扉を造作しました。

ドラえもんの道具みたいな名前をつけてみた笑
夏と冬の冷暖房の空気の流れを考慮して、暖気を上に上げたくない時は階段の登り口側に冷気を下に下げたくない時は降り口側に扉を閉める事ができます。
間の壁には電気スイッチや床暖房操作リモコン、インターホンなどを壁内に収めるニッチ収納を作成したので扉に干渉しません。

あと2階の間取りで気になるのはLDKに面するトイレ。
最後までどうするか悩んだのですが、色々条件上二つ目のトイレがここしか取れないということでとにかく見た目はトイレに見えないようにアクセントクロスと扉を同系色にして一体感を出し目立たないようにしました。