間取りの考え方~△の敷地に△の家はやめとけ
アラフォー女性建築士の『さわ』です
主に関西で住宅を設計しています。
今週の『間取りの考え方』はここ最近、悩みに悩んでいた間取りのボツ案について書きたいと思います。
敷地条件
三角形の敷地で交差点に向かって敷地が狭くなっています。
また北側と南側には約2.5mほどの高低差があります。
そしてこの敷地の区域は第一種低層地域で外周全てかの境界線から1mの外壁後退と高度斜線の制限があります。
変形した敷地の場合は、まずどこを基準に間取りを書くか悩みます。
基本的には一番長い辺に平行にする、隣地との建ち並びを考えて隣地境界線に平行にするようにしています。
今回は西側境界線を基準にして建物をはめていきます。
と基準位置を決めたにも関わらず間取り考えながら敷地をくるくる回していました。
南側道路を基準にした方がハマるんじゃないかとか・・・
私の脳内ぐるぐると一緒に何度敷地を回して考えたことか・・・
ボツ案の間取り
三角の土地に無駄なく間取りを納めるのは三角の間取りだ!!
という事で書いた間取りがこちら。
建物の基準は結局、西側の境界線を基準にしましたが1階の洋室の並べ方は南側道路境界線に垂直にとりました。
できるだけ部屋を広く、整形で取りたかったからです。
しかし三角形でそんなことをするとかなり無駄な部分が発生します。
ボツの理由
まず無駄に玄関が広い。
その割にシューズクロークと玄関ポーチが狭い。
三角の家の中に発生する三角の入隅部分が鬱陶しい。
絶対に生活のなかでゴミが溜まる上に掃除しにくいと予想できる三角入隅。
整形した洋室を造りたいと言いながら整形してるのは真ん中の部屋だけ。
構造的負担が大きい。
基本木造の構造計算はX軸Y軸を基準に耐力壁を配置していきます。
これだけ斜め壁を配置すると構造が複雑になり追加料金請求されるのが目に見えています。(ついでに怒られそう・・・)
さらに現場でも斜め壁が多いと施工の無駄が増えます。
柱を欠いたり手間が増えます。
自分で書いておいて出てくる出てくるボツ理由。
しかし一度書いてしまえば無いな~と思って次に進めるので一度頭に思い浮かんだ形を図面化する事自体は有りだと思っています。
結論
余程デザイン住宅で奇をてらった建物にしようと思わない限り建物を三角にするのはやめた方がいいです。
間取りの中で視界の誘導や、アクセントとして斜め壁を使うのいいと思います。
乱用するのは無駄要素が増えるのでほどほどにしましょう。
さいごに
この後もこの敷地の間取りは数回書き直して現時点で大体形になりました。
形になったところから、細かい法規チェックをしていきます。
高低差もあるし、道路斜線と高度斜線もかかってくるので高さチェックをしながら外観のデザインを固めている途中です。
確定した間取りはいつかの『間取りの考え方』で書こうと思っていますので興味をもっていただけましたフォローとスキをよろしくお願いいたします。
今週もありがとうございました。
左巴建築設計事務所 さわ。
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