金田 達明

罠猟師/エンジニア/Webライター

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家畜への愛情はない

自分を知っている人間は周知のことだが、自分はブロイラーと呼ばれる食肉用の養鶏場でアルバイトをしている。 手短に自己紹介をしたい時は「家畜を飼う仕事を手伝っています」などと言う。 辞書ではこのように定義されている。 これにに沿うと、養鶏場の鶏たちは人間の生活基盤の一部に組み込まれていると言えるだろう。 生後2、3日の雛であっても、60日の成鳥であっても、家畜としての役割は同じだ。 彼らは「殺される」ことでその役割を全うしているのだ。 ただし、「殺される」ための前提と

    • 鶏解体備忘録(9月24日開催)

      鶏解体ワークショップ、無事終わりました。 自分は前回に引き続き、精肉を担当しました。 自己満ですが、今回は問題なく出来たかなと思います。 手順ごとに、一から丁寧に説明する前回のやり方から、簡単に口頭説明→デモストレーションという方法にしたところ、相手もそれほど戸惑うことなく実践しやすくなっていたのかなと思ってます。 今回の参加者ですが、大学生3人、高校生1人の4人が参加してくれました。 絵本を描いてる人、教育に携わってる人、狩猟免許を持ってる人、千葉で狩猟に関わって

      • 鶏解体備忘録(7月30日開催)

        (掲載がめっちゃ遅くなりました) 鶏解体ワークショップ、無事終わりました。 今日の参加者は2名で、2人ともユニークな経歴を持っている方でした。 スタッフ側も2名(自分と代表の菅田悠介@tayusugaさん)だったので、実質マンツーマン形式でした。 双方向的なやりとりが多く、密度の濃い環境だったと思います。 今回自分はは精肉を担当しました。 個人的な良かった所と改善点をざっと書いていきます。 養鶏場でバイトをしていたときのエピソードを多く説明できたところ、ここは良

        • 鶏解体備忘録(5月28日開催)

          鶏解体ワークショップ、約3ヶ月ぶりに開催できました。 1年間強、天候に恵まれ雨天中止もなかったのですが、ここ2ヶ月はお天道様と相性が合わなくなり、2月以来の開催となりました。 期間は空いてしまいましたが、時間通りにも終えられ、全体的な段取りも順調に行えたかなと思います。 自分の反省点ですが、まず久しぶりということもあり、人への説明が上手くいかなかったことが多かったです。 鶏舎に入って鶏の捕まえ方をレクチャーしたのですが、上手く誘導できずに捕まえるのに時間をかけすぎてし

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        • 鶏解体備忘録
          3本

        記事

          殺す鶏への贖罪

          ※閲覧注意 鶏を殺める際の様子を表す表現があります。苦手な方は閲覧を止めることをお勧めします。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2022年6月26日、2カ月ぶりに鶏を殺した。 例年より早い梅雨明けのとち狂うような暑さ、真っ昼間。 今日も自分が所属しているNPOの鶏解体イベントのスタッフをしていた。 これで鶏解体は4回目。 屠殺、解体の手順もさることながら、イベントの流れも当初に比べれば大分把握できるようになった

          殺す鶏への贖罪

          養鶏場で経験した命の育みとやりとり

          一ヶ月ほど前から養鶏場でアルバイトを始めた。 前のブログで書いた、鶏の解体を行ったことがそのきっかけである。 あの場では屠殺という行為を通して命を頂くということに触れたが、奪われる前の命をどのように生かし、育んでいるのかということを知りたくなり、その現場を実際にこの目で見てみたくなった。 そこで、たまたジモティーで見たのが今働いている養鶏場のアルバイト募集のページで、「まさにこれだ」という直感に従い、応募のボタンを押したのであった。 小田原にある一夜城ファームという、

          養鶏場で経験した命の育みとやりとり

          人生で初めてニワトリを殺めた日

          【注意】 鶏を殺める際の様子を綴っている表現があります。苦手な方はブラウザバックすることを強くお勧めします。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 食べ物が作られてる背景を知りたいと思い、真っ向から命と向き合えるのでは、という考えで狩猟を免許を取得して以来、自分と同じような動機で始めた人はなかなかいないということを知った。(詳しくは以下の記事) そのため、自分と同じ価値観で狩猟をしている人間と話したいと思い、ネッ

          人生で初めてニワトリを殺めた日

          なぜ狩猟の世界に入ろうと思ったか

          2021年9月、自分は初めて狩猟免許を取得した。 一年前は狩猟をやるのに免許が必要だということも知らなかった。 なぜ、狩猟の世界に入ろうと思ったのか。自分の当時の出来事や感情を思い起こしてみる。 「狩猟という世界に入ろう。」 そう決めたのは、丁度今から1年くらい前の12月のことである。 当時、自分は人生初居酒屋バイトをしていた。 コロナ禍であったとはいえ、年末年始の時期である。客が途絶えることはなく、特に夕方から夜にかけてはひっきりなしで来ていた。 年末から始め

          なぜ狩猟の世界に入ろうと思ったか