「師」


師匠とか教師とか、「師」のつく人は、さんざん相手を引っ張ったあと、最後は後ろから見送るものらしい。

鱗滝左近次も、レイリーも、自来也も、亀仙人も、ヒーローが背中を追った師匠たちはみんな、結局ヒーローの背中を押す役回り。

私の憧れた先生も卒業式の日、私たちの背中を押した。

「師」は先達ではなく、共に旅立つ仲間でもなく、常に前にいてそのくせ気づくと後ろにいるという奇妙で厄介な存在なのかもしれない。

そういう不思議な気持ちを詠みたかったのが、今日の短歌です。