正欲

20240216@kino cinéma 新宿

朝井リョウの同名小説の映像化。

朝井リョウ作品はとにかく現実だけがただそこにあり、それが残酷でもあり救いでもあると感じる。

"アップデート"だとか"多様性の時代"だとか言って(喜ばしいことではあるけども)理解や思いやりをもった気になってるけど、そもそもヒトやモノゴトは元来多様でしかなく、好き勝手カテゴライズしてみたりすること自体が野暮なだけだということが社会に知れ渡ってきたというだけ。

多様性を声高に掲げる社会の動きの中でも掬い上げられなくてあぶれてしまい、逆に社会から見えにくくしてしまっているモノも当然たくさんあるんだろうなぁ。

「分かり合える人と暮らしています」という台詞が印象的だった。孤立して自死も厭わないような日常の中で自分の思いを共有できる相手に心から救われる経験はさまざまなマイノリティの当事者にとって共通するだろうし、そういった"救い"が誰にとっても当然の権利としていつでも与えられる世の中であって欲しいね。

にしても俳優陣が軒並みとても良かった。
徳永えりの役どころの絶妙さもさすがだし、共演多すぎな渡辺大知が出てきた時には笑ってしまった。
佐藤寛太好き。あと岩代太郎の音楽ね。

もう一回原作読んで映画見直したいな


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