美女丸という人間と私

ジョルジョルポンポンポンと私、というタイトルにしようかしばらく悩んだが、彼の人に精神的な飛び蹴りを食らいそうな気がしたので、今のタイトルにすることと相成った。

美女丸さん。
旧名 ジョルジュ・ポンピドゥさん。

美女、美女丸、ジョルジュ、ジョルポンなどの呼び名で親しまれているが、個人的には某音響の女性が付けた「ジョルジョルポンポンポン」という呼び方が気に入っている。
しかし、美女丸 ≒ ジョルジュ・ポンピドゥ
名を捨てるのはそれ相応の理由があってのことであろうし、私が初めて出会った時、かの人は既に美女丸さんであった。
私はジョルジュ・ポンピドゥとしてのかの人と出会ってはいないし、ジョルジュ・ポンピドゥという人物は既に存在しない。故に、私は敬意と親しみを持って「美女丸さん」と呼ばせてもらっている。(でも素敵だからジョルジョルポンポンポンとはたまに呼びたくなる)

美女丸さんとお会いしたのは、忘れもしない、去年の7月である。
その頃、私は夏季プロデュース公演「毛皮のマリー」の演出・役者として精神をズタボロにすり減らしていた。その日々の中で、何が精神的にキていたかといえば、いくつかの要因の中に、私の相手役でありヒロイン(美少年という役であったが、私はあえてそう呼んでいる)のパウさんが、稽古場に来てくださらないことは数えられるであろう。
それもそのはず、彼女は主演級の役と照明メインという役職を持ちながら、本番3週間前に別の座組に出演をしていたのだ。
ひと月前でしょ?どうにかなるやろ、と思うでしょう。しかしこれが当事者になってみるとめちゃくちゃにしんどかった。
彼女の登場シーンは全体の7割くらい。
残りの3割をみんなで作っていくが、シーン練ばかりなのでなかなか全体像が見えず、役者達は不安に思っていただろう。私も不安だった。
その別の座組というのが、何を隠そうソキュウさんである。
稽古中、パウさんから当日制作が足りないという話を聞いた。報酬は公演をタダで観劇する権利の取得。
私はパウさんのファンだ。パウさんに憧れて演劇を初めたと公言している。パウさんの出演している公演がタダで見られる?ひゃっほい、その日稽古休みな。

と。さっさと演出休みを問答無用で提出し、私はソキュウ第2回公演「いず子」の当日制作として人間座に乗り込んだ。

実はソキュウさんのことは少し前から知っていた。ここだけの話、役者募集のお知らせに応募しようかと思っていた。自分が演出だから流石にやめたけれど、運が良ければ出演していたかもしれない作品に当日制作として参加。数奇な運命だなと思った。
美女丸、という名前も当然知っていた。ツイッターもFFであった。
美女丸って、いい名前だなと思っていた。
私も美女丸って名前が良かったーと思った。
美女丸、という名前の良いところは、その名前を名乗っているからといって「本物の美女」が出てくるとは限らないのに、自らの望む美女を連想し、自分にとっての美女が出てくるのではないかと期待しうるところである。
美女、とは難しい言葉だ。美しい女性全員が美女とは限らない。それは個人の判定に委ねられるが、国民の何割が美女と認めたとて、残りの数割は形式的に美女と認識するかもしれないが、手放しで美女だ!とは思えない可能性がある。
しかし、全員の中に美女の基準がある。そして、美女という言葉を提示され、少なからず期待する。
ちなみに私は黒木メイサやシシドカフカのような、黒髪ロングの目元がキツイ、おっぱいはささやかで、スレンダーで背の高い、気は強そうだが笑顔は親しみやすい女性が出てくるかと思った(ただのタイプである)。不思議だ。

初めて出会った時、美女丸です、と自己紹介をされた。
なるほど。あなたは確かに美女丸さんだ、と思った。
違和感はなかった。ただ、すとん、と腑に落ちた。納得があった。

自慢ではないが、私は人の好き嫌いがはっきりとしている。出会った瞬間に、あまりこの人とは仲良くなれないなと思ったり、逆に、この人はころっと私を好きになるな、と思ったり。直感めいたそれは1つの才能で、これ、中々に役に立つ。
結論から言えば美女丸さんとは最初から波長があった。
私はかの人と接することが楽だった。おそらく、かの人もそこそこ楽だったんじゃないかなと思う。
不思議と波長が合い、ああいつかきっとまたこの人とは仕事ができるだろう、と思った。そして、叶った。
かの人は自分の中のロジックを作品に昇華する人だ。その手があうかあわないかは人によるけれど、私は比較的あう方だった。
いず子を私は気に入った。面白くない、という同期もいたが、まじか、これ面白くないなんてセンスねぇなと思った。

うーん、眠くなってきたからあまり難しいことを考えることができない。眠い。
まあそんな方が作る今公演、ぜひ見に来てください。
私はいず子の方が好きだったけど、あのなるもすっごく面白いです。なにがって?うーん私の顔面かなあ

ソキュウ 第3回公演
『あのころにもどりそうになる』
□日時
4/26(金) 19:00〜
4/27(土) 14:00〜 / 19:00〜
4/28(日) 14:00〜
□場所
人間座スタジオ
□料金
一般 1500・前売り一般 1200
学生 1200・前売り学生 1000

【キャスト】
浦谷賢充(コシヒカリのナナピカリ)
阿僧祇(演劇集団Q)
パウ(劇団なかゆび / 後付け)
児玉泰地(役者でない)

【予約】
https://www.quartet-online.net/ticket/sokyu3

※備考欄に七遊と書いていただけますと幸いです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?