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可愛い娘、愛おしいほっぺ



娘は今日も可愛い。変わらずいつも可愛い。
私のところに来てくれた瞬間、お腹の中にいた時から可愛い。

ぼーっとしていても、たゆむほっぺ。
笑ったら、えくぼのくぼみが埋もれてしまいそうな豊満なほっぺ。
ご飯を食べたら、必ず何かおかずをつけている美味しそうなほっぺ。
泣いたら、涙を吸収し、水分を含んだみずみずしいほっぺ。


全てが愛おしい。

娘が生まれて、初めて私は「愛おしい」という感情を知った。

この「愛おしい」という感情を、人は「目に入れても痛くない」などと表現する。
けれど、その表現は私には合わない。
痛いとか痛くないとか、一過性の人間の五感を比喩したものとはまた違う次元の感覚。

例えるなら、カラっと晴れの日にふと空を見て「ずっとこういう日が続けばいいな」という幸せで幻想的な感覚と「天気は日々変化していくんだよな」という、ふと我に帰る冷静な感覚が複雑に混ざり合う感じ。

日々、天気が変わるように、日々、娘が成長し変化していく。

今の一瞬を懸命に生きる娘に立ち合うことのできる瞬間の尊さともに、日々成長し変化する娘に対して、嬉しいんだけど、どこか寂しさを感じてしまう、多幸感と寂寥感が入り交じったような感覚が、私の愛おしさだ。

きっと私は、娘に対し、いつまでもこの感覚を持ち続けるのだろう。

そんなことを思いながら、今日も寝ている娘のほっぺを触る。
冷房で冷やされ、ひんやりとした、第一発酵後のパン生地のようなほっぺ。

丸くて可愛い、愛おしいほっぺ。

そのまんまのほっぺでいて欲しいなんて思いは、親のエゴだろう。これからどんなほっぺに変化するのだろう。

どんなほっぺでも大好きだから、そのままでいいんだよ。

私は、熟睡している娘の寝顔に向かい、
「明日も幸せな一日になるよ。ママのところに生まれてきてくれてありがとうね」と、今日もビビデバビデブーのような魔法の呪文をかけて、眠りにつく。


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