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フォロワーシップとは何か考える

会社で開催されるフォロワーシップの社内勉強会に申し込んでみました。良い機会だと思ったので勉強会を受ける前に自分の考えをまとめてみます。私の考えが正しくても間違っていても、事前になにか自分の考えを持っていた方が理解も深まるだろうと思ったからです。なので、この記事の内容は間違っているかも知れませんが書くことに意義があると思ったので書きます。ですが、もしこの記事で言っている事と勉強会の内容とが全然違っていたらこの記事は削除して何事も無かったかのように静かに過ごします。

私は今年(2019年)前半まではリーダーとしてチームメンバーを引っ張る立場でした。そこでの担当プロジェクトが完了し、リーダーシップを評価されると同時に、自分よりもレベルの高いメンバーしかいないチームに異動になりました。自分はリーダーシップを発揮していた立場から一転して、「フォロワーシップ」が求められるようになりました。

...なのですが私は、フォロワーシップとはリーダーシップとほとんど同じであると考えています。

旅行するときの例

例として、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの友達4人で旅行をするとします。Aさんはリーダーシップが非常に強く、一方Bさんはフォロワーシップが非常に強いとします。Cさん、Dさんはリーダーシップもフォロワーシップも持っていないとします。

このとき、AからDはそれぞれどのような行動を取るのか考えてみます。

## 旅行準備
- どこ行って何するかは、みんなで案を出し合って決めようとAが提案
- おおまかなスケジュールはAが決める
- Aは飛行機等の手配をBに依頼
- Aが宿の手配。Bは予約した宿の連絡先を共有するようAに依頼
- 食事やおみやげは現地行って決めようとAが提案

Aさんが率先して「リーダーシップ」を発揮して色々決めていきました。Aさんがいれば楽しい旅行になりそうです。Bさんも少し動いていますが、特筆するような事はしていません。

さてここで当日、インフルエンザでAさんが急遽旅行に行けなくなったとします。普通、友人同士の旅行であればリスケするかもしれませんが、何らかの理由でリスケしなかったと仮定します。いままでAさんがリーダーシップを発揮して旅行を取りまとめていましたが、Aさん無しで旅行は成立するのかを考えてみたいと思います。

Aさんに代わって、交通手段や宿泊施設の情報を持っているのはBさんです。Bさんが旅行を取りまとめようと主体的に動きはじめます。Bさんは宿の予約をしていないのでチェックイン時刻や送迎タクシーいつ来るかとかはAさんしか知らなかったのですが、Bさんは宿の連絡先だけ共有してもらっているので、宿に連絡して教えてもらうことができました。

Bさんが「リーダーシップ」を発揮して、楽しい旅行は無事に幕を閉じました。寝込んでいたAさんはかわいそうですが本質ではないのでそのまま寝ていてもらいます。

Aさんがいなくなったとき、Bさんがリーダーに代わりました。これがフォロワーシップだと思っています。

フォロワーシップとは

このように、フォロワーシップとは「リーダーを代替可能な能力」であり、フォロワーシップとして求められる能力はリーダーシップとほとんど同じだと、私は思っています。

リーダーシップとフォロワーシップで何が違うのかというと、持っている能力ではなく求められる役割だと思っています。チームメンバーが何人も何十人もいる中で、全員が本当にリーダーの役割になったらチームはぐちゃぐちゃになる事があります。ただの飛行機の手配で、4人全員がリーダーシップを発揮して全員が主体的に4人分の飛行機を用意しようと行動したら色々面倒くさいです。1人のリーダーが決めて他のひとは何も考えず従うのが早いです。

ですがチームのメンバーにはひとしくリーダーシップが求められます。リーダーシップとは主体的な行動でチームに影響力を与えて引っ張っていく役割であり、この変化の多い時代において多くの場面で誰にでも求められる能力である事は、いま私が説明するまでもないです。リーダーになる人もそうでない人も、リーダーシップが求められます。ですが実際の役割としてのリーダーは1人またはチームの極一部だけで十分です。そこで、リーダーではないフォロワーに求められるリーダーシップ的な機能=フォロワーシップとは、リーダーシップとほぼ同じ「リーダーを代替可能な能力のこと」だと結論づけました。

なお、能力としてのリーダーシップ・フォロワーシップはほぼ同じだと思いますが、役割としてのリーダーかフォロワーかは、結構な好き嫌いが出るものだと思っています。私は人との付き合いが好きではないのでフォロワーのほうが気が楽ですが、自分で率先して色々考えて人を動かしていくのは好きなのでリーダーにも楽しみは十分感じます。

実際の定義

ここまでが私独自の考えを述べてきましたので、一般的なフォロワーシップの定義と見比べてみます。

フォロワーシップの能力として「リーダーへの支援・補佐能力」と言われる事が多いです。これは、リーダーが指し示すビジョンをちゃんと理解し具現化できなければ、本当の意味での支援も何もできないと思っています。旅行に行くだけでも、どういう旅行にして何を楽しみたいのか、見えていないとリーダーの支援はできません。

また、フォロワーシップの要素には「リーダーに対する批判力」も挙げられます。「リーダーを批判する能力」とは、ただ単に外からああだこうだ意見する事ではなく、チームに破壊的な変更を与えるだけの覚悟・ビジョン・メンバーからの信頼とかだと思います。「旅行先は北海道の予定だけど、沖縄に行ったほうが良いんじゃないか」と言うのは簡単ですが、文句ばかり言うだけの人はフォロワーシップどころではなくむしろ友達同士の旅行において害でしかないです。結局沖縄に行くとしてもそこから他のメンバーを全員きちんと「北海道よりも沖縄が良い」と納得させないと楽しい沖縄旅行にはならず「北海道に行ったほうが良かった」と不満を漏らす人が出てきてしまいます。また、北海道で取っていた宿のキャンセルだとかそういう手続やコストも念頭に入れて本当に行先変更すべきかどうかの決断をする必要があります。それらが「リーダーを批判する能力」つまりフォロワーシップに求められてくると思っています。

これがフォロワーシップです。ほとんどリーダーシップと同じだと思います。

フォロワーシップを伸ばす方法

フォロワーシップとリーダーシップがほぼ一緒なら、フォロワーシップを伸ばすための方法もリーダーシップのそれと同じで「自分がリーダーだったらどう振る舞うか?」と考える事だと思っています。むしろ、実際にフォロワーシップを発揮する場でも「自分がリーダーだったらどうするか」は常に考え続ける事になると思うので、訓練として見たときはリーダーシップよりも実践的であると思います。

まとめになりますが、ここまで繰り返してきたとおりフォロワーシップとはリーダーシップとほとんど同じであると私は思っています。

参考文献

画像の出典: reshot.com

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