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素敵な経営。「売上を減らそう」中村朱美さん著

私も経営を担う立場として、売上向上は、常にステークホルダーから求められているし、当然の目指すべき目標として設定しています。そんな立場もあって、本屋でふと見つけたこのタイトルには目を引かれました。

読み終えた正直な感想は素直に素敵な経営だなと思いました。所々、その考え/やり方は経営的には危ないのでは?という箇所もありましたが、おそらく本には記載しきれない思いや考えがあってのことだと思います。

原理原則として、業界業種問わず全ての企業活動は最終的には個人の幸せの寄与していて、売上はその"個人の幸せへの寄与"の規模を表す指標。経営者は売上、すなわち個人の幸せへの貢献を拡大していくことを目指し、もしくは社会やステークホルダーから求められているというのが健全な考え方だと思ってます。

この本の舞台である佰食屋では、個々の店舗での売上上限を設定することで従業員、お客さんの幸せの最適化を上手に実現しています。一方、経営の取り分は他の企業よりは少なめに設定されている印象です。ただ、売上向上(幸せへの貢献拡大)を放棄しているわけではなく、店舗を増やすことで実現していこうとしている姿勢がみてとれました。

一般論として事業(店舗)拡大には資金が必要です。一方で、経営方針として、大きく儲けを出さず利益は従業員に還元する方針となっています。ここのバランス(ジレンマ)をコントロールしていくのは、難しいテーマかと思いますが、理念を変えることなく進んで欲しいと思います。

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