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サブスクよもやま話

この記事は、2021年6月11日に弊社のブログで公開されたものです。

昨今、様々なサブスクリプションサービス、略して”サブスク”が展開されています。
今回はそんなサブスクについて気になっていることなどつらつらとよもやま話をしたいと思います。

■サブスクとは


よもやま話をする前に、サブスクについて簡単に説明しておきます。

サブスクとは、

サブスクリプション方式(サブスクリプションほうしき)はビジネスモデルの1つ。商品ごとに購入金額を支払うのではなく一定期間の利用権として定期的に料金を支払う方式。契約期間中は定められた商品を自由に利用できるが、契約期間が終了すれば利用できなくなるのが一般的である。日本語では「サブスク」とも略される。

出典:ウィキペディア日本語版「サブスクリプション 」

とのことです。

引用に書いてあるとおりですが、あるサービスに会員登録をして一定期間の利用券を購入すれば、利用内容によって幅はありますが、基本的に契約期間中はサービスを利用し放題。というのがサブスクの基本的な方式です。

以前のお茶会でも「お花のサブスク」についての話がありましたが、最近ではデジタルに限らず本当に色々なサービスがサブスクをやっています。とりあえず代表的なところでは、

Amazon Prime Service
Netflix
Apple Music

あたりが使われている方も多いのではないでしょうか。

サブスク以外の身近な課金方式には

・買い切り…消費者が商品やサービスを購入して所有すること
・従量課金…サービスの利用量に応じて請求料金が変化する料金体系
・都度課金…商品の購入やサービスを利用するたびに決済を行う方式
二段階定額制・・・携帯電話のパケット通信などで採用されている課金方式

があります。

メリットデメリットは表裏一体でもありますが、それぞれ下のような感じでしょうか。

メリット

・基本的に定額で使い放題
・一ヶ月単位から始められるものが多い
・所有しなくてよい
・色々なものを試せる
・常に最新バージョンのものが提供される

デメリット

・定額プランしかない場合がある (利用頻度によっては高額)
・ランニングコストがかかる
・所有できない
・利用できるサービスに制限がある場合がある
・常に最新のバージョンになってしまう

■よもやま話


というサブスクの一般的な話をしたところで、私が気になったことなどを話していこうと思います。


・死亡時の解約について

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「このサービスを契約した場合、自分が死亡した時に残された家族が解約するにはどうするのか?」をサービスごとに調べてまとめておくのは面倒です。
引き落とし口座を凍結する、もしくはクレジットカードを止めてしまうのが手っ取り早いと思われますが、サービスによってはたとえ契約者本人が死亡していたとしても解約までの未払い分の請求を行うと利用規約に明記しているものもあるみたいでした(情報を預かる系のサービスは利用者の死後でも安全に情報を守り続けているというスタンスで商売をしているので)。


・金額の変更問題

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サービス開始後まもなくは低価格だったものが、人気が出てくると徐々に価格が上がっていくということがあります。
ほとんどのサービスは契約時の価格のまま据え置かれているので、アーリーアダプターはお得なことが多いです。
利用頻度があまりない場合、年払いをやめて必要な時に一ヶ月分だけ支払う方がお得に思えますが、アーリーアダプターとして早期に契約したサービスだと、契約当時の年払い金額よりも月払い金額の方が高くなっているケースもあります。 一度解約すると次に契約するときは現行価格となるため、見直しの度に悩みます。

・サブスクと買い切り

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月払い、年払いの他に「ライフタイム(買い切り)」という選択肢があるケースがあります。
例えば3年ほど使い続けるとライフタイム」で一括払いの方がお得になることが見込めるとして、果たしてそのくらい使うかどうかの見極めが難しいです。
というのも特にアプリなどのデジタル系のものは、3年後には廃れているとか古くなっているんじゃないかなど未来のことを考えないといけません。

・サービス条件に幅がある

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サブスクがムーブメント化して、IT業界だけでなくさまざまなジャンルで導入されてきている今日、

・肉サブスク
・住宅サブスク
・美容院サブスク
・車サブスク

などなど。デジタルコンテンツと違い、人的リソースや物理商品が絡むサブスクが増えてきました。

調べていたら「電動歯ブラシサブスク」というものを見つけたのですが、初回は本体とブラシがセットで届き、次の月からは替えのブラシだけが毎月一本300円とかで届くそうです。
家族構成によって様々なプランが選択できるらしいのですが、自分のライフスタイルに対して割に合うのか…。

定期的に判断が必要になりそうだし、 サービス内容よりもその定期的な判断をする方がコストが高い気がします。
まあその判断をしない人がたくさんいるからサービス自体が成り立っているという話もあるのでしょうが。

・塵も積もれば山となる問題

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少額のサービスで便利なものが増えていて、あれもこれもとどんどん使っていくと支出が嵩んでしまいます。
途中で見直してみても「便利さに慣れるとやめにくい」ということをたまに考えたり。依存度マネジメントが必要かもしれません。

・何でも無料の風潮を止めてくれるかも

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サブスクムーブ以前は割りと「ネットのものは全部無料」みたいな認識が広がっていたように思うのですが、サブスクの浸透とともに「便利さ」に対価を見出す考えも定着しつつあるように感じていて、これはいい傾向だなと思います。

■利用者視点/提供者視点で考える


・利用者視点

利用者視点で考えるとやっぱりお得感はほしいです。クーリングオフがあるわけでもないのでお試し期間もほしい。
そして少額で始められるのが理想ですが、結局数を絞らないとチリツモでキリがありません。ちゃんと自分が使うだろうなと思うものを整理しつつ、お金を払っているのだからそこは割りに合った価値や機能を提供してもらいたい。
そのためにもサービス内容はわかりやすいほうがいい。

前に使っていた某タスク管理ツールがあるのですが、これが非常によくできたツールで、無料でもこんなにいろんなことができるのかと感心するぐらいに内容が充実していました。
しかし、さすがにマネタイズの話があったのか、途中から元々は無料で使えた機能が有料にしないと使えなくなるということが多々あり、、とても世知辛い体験をしました…。
利用者視点で見ると悩ましい話です。できればそういうことはあってほしくありません。

また、サービスの停止やコンテンツの停止で一方的な不利益を受けることがあるので、その辺りもできればなんとかなってほしい点です。
ある楽曲の作曲者が逮捕されたことで急に曲が聞けなくなったりとか。利用者からすると一方的な話だなと思います。

・提供者視点

逆に弊社で何かサブスクサービスを立ち上げるとしたら、という視点で考えてみたことです。


「ユーザーの時間」がリソースとなりやすいデジタルコンテンツは相性がよい


やっぱり、「ユーザーの時間」がリソースとなりやすいデジタルコンテンツ(音楽・映画など)はサブスクと相性がよいように思います。ユーザーの数に比例してコンテンツ側を増やすというよりかは、ユーザーがいかにサービスに対して時間を費やすようになるかを考えていくのがポイントかなと。


使われるほど原価が嵩むものは利用上限の設定ラインを慎重に決めたい


食品や美容院のサブスクなど、使われるほど原価が嵩むものは利用上限の設定ラインを慎重に決めたいところです。先程の話でもありましたが、後からラインを変更されると利用者的には困ります。
やってみないとわからない部分もあると思うのですが、せめて変更時点までに購入していたユーザーについては元の料金のままでサービスを提供するようにしないといけないでしょう。アーリーユーザーは大切に。
しかしそうなってくるとユーザーによってサービスプランとその金額が変わってくるので、実装する側はそこまで考慮した実装をしないといけないので大変だなと思いました。


サーバーのランニングコストを回収しやすい


運用側の都合かもしれませんが、ダウンロード販売に比べるとサーバーのランニングコストを回収しやすいように思います。毎月固定費としていくらか金額にのせられるのかなと。
ただ、ライフタイムでの購入の場合は売ってしまった後はもうお金が入らない、けれど最終版まで開発は続行していかないといけないので、それはつらい。


体力が必要


始める時点でそこそこのサービスを用意しておかないといけないのはもちろん、ある程度の売り上げが見込めるようになるまでの間は赤字になることも少なくないでしょう。始まってしまうと投げ出すわけにはいかないので、軌道に乗るまでなんとか持ち堪えなければなりません。
お客が増えたら増えたでコンテンツを追加したり要望に応えたり、リニューアルしないといけなくなってさらに出費が嵩んだり。

パッケージ販売ほど品質に拘らなくてもいい点は強みかもしれませんが、軌道に乗らなければ赤字を垂れ流すだけになってしまうし、考えれば考えるほど大変なサービスだなと思います。
というわけで、サブスクについて思ったことをつらつらと話してきましたが、以上、よもやま話でした。
案件が舞い込んできたときのために色々と考えておいた方がいいなと思いました。

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