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妄想日記②

甘く柔らかな夢を見ている。
なんだかフワフワしていて、ゆらゆらしていて、ひんやりしている。顔がフワフワ、体がゆらゆら、足がひんやり…。
変な夢だなぁ。夢だと気づいているのはさっき目覚ましを止めたから。日曜はもう少し寝ていたい。そうね、あと1時間くらい…。
娘はまだ寝てる?隣に気配がある。よし。もう少し寝よう…


「ままー…」
なんだか不安そうな声が聞こえる。
ん?あぁ、私の顔に娘の髪の毛が触れてるのか。
「……んー?どうしたー?」
「ままー…あのねー…」
そうか、娘が私をゆすって起こそうとしてるんだ。だからゆらゆらしてるのね。目が覚めちゃったかーでもまだママは寝たい。娘よ、こちら側においで。
「んー?寒い?」
自分の掛け布団をめくって、こっちにおいでと誘導してみる。
「寒くないんだけど…」
「……うん?」

「おしっこ出ちゃった」

その一言で急速に頭が回り始める。
飛び起きておねしょシーツ、敷布団、掛け布団の確認。
よし、おねしょシーツと娘の掛け布団のみ。掛け布団もタオルケットなのでセーフ!神よありがとう。夏でよかった。
「ありゃ、出ちゃったか。そういう日もあるよねぇ。とりあえず、トイレ行こ」
濡れた布団で寝ていられるほどの神経も持ち合わせていないため、飛び起きて一緒にトイレへ。

慌てても良い事ないから冷静に。冷静に。って、まだ6時じゃん!マジかー…ダメダメ、罪悪感を持たせてはいけない。まだ幼児期。こんな失敗、なんて事ないさ。

濡れたものを軽く洗って、もう少ししたら洗濯機を回そう。
ボロアパートの2階で朝の6時から洗濯機は回せない。
大丈夫大丈夫。だって夏だもの。

「あのね、なんかね、出ちゃったの」
あっけらかんと娘が笑う。それでいい。
「そう言う時あるよねぇ。すぐ教えてくれてありがとうね。すぐ教えてくれたから、とっても助かったよ」

2人暮らしになってから明らかに増えた明け方のおねしょ。
そんなもんさ。布団なんて何度でも洗ってあげる。

「今日、日曜だからもう一回寝ない?」
「ううん、寝ない。ママ、何して遊びたい?ママの好きな遊びでいいよ!」
「えー!じゃあ、お昼寝ごっこ!」
「それはダメ!ママほんとに寝ちゃうでしょ!」
「バレたかー!」

朝からゲラゲラ笑って、幸せだなぁ。
不安なスタートだったけれど、今まで通りいかない事も多いけれど、それでも、いい。
1人が2人になって、2人が3人になった。そして2人になった。いつかは慣れる。これが普通になっていく。
時間がかかるのは当たり前で、それで良い。それさえ受け入れて、私は今ここにいるのだから。



妄想日記②ありそうな未来の話。

朝はきっと楽しい。
やまない雨はない。
ミュージカル『Annie』の挿入歌『tomorrow』って、言語訳も日本語訳も、ほんとにいい。
(下は私の和訳なので怪しいです)


明日には日が昇るよ
その事に最後の1ドルを賭けたっていい

ただ明日の事を考えればいい
モヤモヤは晴れるし悲しみも消えて 無くなっちゃう

孤独で灰色の日
行き詰まった時は顔をあげて
笑って言うの

明日には日が昇る
だから頑張らなくちゃ
明日まで 何があっても 

明日が大好き
明日はいつだって 1日先にいるもの


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