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韓国ドラマ「わかっていても」

 だいぶ前ですが年末にNetflixに入りました。なぜかというと韓国ドラマ「わかっていても」がどうしても見たかったため(笑)今までの韓ドラにない感じで興味をもったからです。ちなみに私は中学校の時に「ラブレイン」を見て以来、ゆるーくずっと韓国ドラマを見続けてきました。

 私がイメージする韓国ドラマは,一人の女性をタイプの異なる2人(程度)で取り合い,最後にはハッピーエンドを迎えるというイメージ。ステレオタイプかもしれませんが。恋愛モノの韓国ドラマを見ることが多かったため、こんな印象をもったのかも。非日常感を味わうため,キラキラヒロインから元気をもらうために見ていました。

一方で「わかっていても」は、めちゃめちゃ話がリアル。また,これまで韓国ドラマは貞操観念が強いと思っていましたが,「わかっていても」はそこらへんがだいぶ寛容。これまでの作品は途中でキスをしてドキドキ、相手は自分のことをどう思っているかやきもきして。。。最後にふたりが結ばれるものが多かったような。そこらへんは芸大の設定だから寛容なのかもしれませんが,驚きでした。

Wikiからあらすじの引用です。

美術大学で彫刻を専攻するユ・ナビ(ハン・ソヒ)は美術塾講師で美術作家の恋人がいたが、彼の個展に足を運んだところ、無断でナビをモデルにした卑猥な彫刻作品を目にしショックを受ける。ナビは傷ついた自分の気持ちに理解もない恋人に失望。さらに自分以外の学生との浮気現場を目撃し彼との別れを決意する。傷心のナビがバーで一人で飲んでいるとパク・ジェオン(ソン・ガン)という男性に人間違いで声を掛けられる。会話を重ねていくうちに次第に仲良くなるナビとジェオンだったが、ジェオンに女性の気配を感じたナビは席を立った隙に何も告げずにその場から去ってしまう。数日後、今まで学生同士の集いに一切顔を出さなかったナビが親友のビンナ(ヤン・ヘジ)に誘われ珍しく同じ学科の飲み会に参加すると、そこにはまさかのジェオンの姿が。ジェオンは再受験で彫刻科に入学し休学を挟んでいたため今までナビとは面識が無かったが、同じ大学の彫刻科の学生で、美しい容姿に女子たちからも一目置かれる存在だった。思わぬ再会に再び距離を縮めるナビとジェオンだったが、ジェオンに女性の噂が絶えない事を知ったナビは彼との間に意識的に壁を作る。しかし、ジェオンはナビに対して特別に優しく、彼に近付くまいと決めたナビの意思とは裏腹にナビの気持ちはジェオンに傾いていってしまう。

まとめると、「愛は信じられなくても恋愛はしたい女性ユ・ナビ(ハン・ソヒ)と、恋愛は面倒だが駆け引きは楽しみたい男性パク・ジェオン(ソン・ガン)のハイパーリアルロマンス」です。(https://www.cinematoday.jp/page/A0007931 より引用)

ハイパーリアルロマンス、、、!?

ネタバレを含みます。まとまりがないですが勘弁を。。。

(1)ストーリーについて

 描写が丁寧なこと。登場人物の心情の変化に飛躍がない。物語の流れがリアル。恋愛で「これはいけない」「これは違うな」と思ったとき,正反対のものを求めがちで。でもそれがしっくりこない。むしろもっと自分に合わないきがする。だから少しずつ調節する。恋愛におけるあのなんとも言えない感じが見事に表されていました。ナビちゃんがジェウォン沼に落ちてそれから這い上がろうとするのもリアル。ふと冷静になったり客観的になったりするときもあるし。

 そういえばソル(才能がある同級生,同性の親友であるジワンに思いを寄せる)がドラマの序盤に「ナビとジェウォンはお似合いじゃない?」と言ったのわかる気がする。恋愛に対するスタンスの近さ。その描写が細部に表されていた。最初に思いを寄せていた後輩(実はナビはキープだった)と一緒にいてもなんかしっくりこない描写も理解できた。近いからひかれあうのか?似てくるのか?抗えないのか?まっとうな流れをスキップしてでも手に入れたいような人って、特別でなかなか現れないと思うし。最後に以前誠実に思いを寄せてくれていたヤン・ドヒョクを見かけてナビがジェウォンの手を離すシーン。やはりナビとジェウォンは似ている。

 またパクジェウォンがクズに見えなかった。ジェウォンは女の子に無理はさせない。というか女の子側が相手が勝手に理想像を押し付けてるように見えた。それにジェウォンが否定しないから周りに好き勝手言われたり,悪い方に解釈されているようにも見えた。まあ、沼らされた女の子はたまったもんじゃないけれど(笑)それよりも,ほかのひとの恋愛にいちゃもん付けたり(心配の場合で言っているのは除く),明らかに女性軽視や処女性の神格化のような発言をする人よりは何倍もマシだとも思える描写もドラマにはあった。愛について知ったかぶりの理想論で語る男より,偽物の愛について何にも語らない男の方がまだまし。もちろんそこで希望を語ってくれたら最高だけど。

最初からジェウォンはナビに確実に好意があった。その好意は100パーセント純粋ではないけど。てか純粋か不純かなんてよくわかんない。当の本人だってわかんないはず。あとから気づくことも大いにありえる。映画「ラマン」みたいな関係にも愛があったりするから。お互いすきだけど,求めるものが違う。ジェウォンはナビが好きだけど気ままな関係がいい。ナビはジェウォンが好きだし,恋人になりたい。このボタンの掛け違いが致命的で。これだけで韓国ドラマ10話分とれるくらい,人間関係が交錯する。。

それと才能の限界を感じたときにほかのものに寄りかかりたくなる描写、、ナビの場合は美術だ。ドラマの序盤に短期留学に行くための才能が足りないと教授から言われてしまう。そんなときに彼が現れた。彼は芸術の才能にも優れてるし,何しろイケメン(芸大において美しい人はある種カリスマ化される?)。彼に惹かれるもの無理ないなと。。。

(2)映像について

ナビの視点で進むから,ジェウォンの本当が分からない。映画「シンプルな情熱」も主人公の心情描写のみで進められるから,相手の男性の素性や考えていることが分からない撮り方だった気が。。。だからナビに感情移入させられる。てか恋愛はそうですよね、相手の本当なんてわからない。語り手によるところが大きいなと。

また、一歩間違えれば好ましくないと思うような場面も圧倒的な映像美で昇華している。ふたりがナビのおうちで関係をもってしまう描写も多々あるが、美しい。最初に関係をもったときはあたたかな光につつまれて、その時の幸せ(刹那的な)いっぱいな様子が伝わった。

ほかにも、ナビが「わかっていても」、誠実なヤン・ドヒョクではなくパク・ジェウォンに惹かれる様子を表すために,二人を交互に映す映像がよかった。うまく言葉にできないけどパク・ジェウォンがすごく魅力的に見える撮り方だったんです、、、ヤン・ドヒョク役の方もわんこ系イケメンなんですけどね。私は誠実なヤン・ドヒョクが推しだったけど、その場面ではナビの気持ちがよくわかった。ほんとうにパク・ジェウォンは魅力的(美しさは何物にもまさる感じ!)、それに過去に関係があったとしたらなおさら惹かれるだろう。

物語全体を通して、釈然としない曖昧な場面も多くあるが、そこがハイパーリアルロマンス(この言葉気に入った)なゆえんかと。現実の恋愛ってそうだよね。。と思いました。あとこのドラマは漫画が原作なそうです。漫画ではジェウォンがちゃんとクズで,ドヒョクはもっと女の子慣れしていない無口で,クライマックスも違うらしい。読んでみたいなと思います。


(追記)あとPPL多すぎ問題(笑)韓国ドラマは合間にCMが入れられないからドラマ内に商品が登場するそうで。急に高麗人参ゼリー出すぎ(笑)




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